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キャンパスナウ

▼2016 盛夏号

SPECIAL REPORT

地球市民の育成を目指す
全学生留学計画

Part4.経験者メッセージ 広がる可能性

海外留学によって得たものや、より有意義な時間にするための心構えとは。現役学生と社会人、計6名の留学経験者にメッセージを寄せてもらいました。

凡例 ①留学先 ②留学期間 ③選択プログラム ④費用(学費、生活費含む)

現役学生
数多くの出会いが財産

政治経済学部
井上泰志さん

  1. ①シンガポール/シンガポール国立大学
  2. ②2014年8月~2015年5月
  3. ③EX-R(旧EX)
  4. ④約150万円

 英語上達のため留学を思い立ち、世界トップレベルの先進国として、東南アジアのハブとなっているシンガポールに興味を持ちました。

 留学中の9カ月間は本当に多くの出会いを経験しました。まず複数の大学サークルに所属し、そこで知り合った仲間とは今でも親密な交流を続けています。また、寮や大学のイベントで、趣味や特技を生かして学生や一般人向けに折り紙体験教室などを開催。さまざまな世代とのコミュニケーションで、学内では知ることのできないシンガポールの一側面を垣間見ることもできました。

 その一方で、日本より確実に多い勉強量をこなさねばならず、周りの学生も皆真面目なので、決して楽ではなかったです。それに、シンガポールがきれいな国とはいえ、慣れ親しんでいる日本の方がやはり快適。そうした苦労がありながらも、時間と費用に見合うだけの価値は十二分にありました。

 今後留学する方は、現地で多くの人々に会い、さまざまな地へ赴き、主体的に見て聞いて体験する心がけが大切だと思います。そして仲の良い友達をつくってください。それが留学で得られる一番の財産になります。

マリーナ・ベイ・サンズから見た夜景

邦楽研究会の仲間とカラオケに

全力で挑戦する大切さ

法学部
小巻理恵さん

  1. ①ドイツ/ボン大学
  2. ②2014年9月~2015年9月
  3. ③CS-L(旧TSA)
  4. ④約150万円

 私がドイツに興味を持った理由は3つ。①地理的に欧州の中心であるため、多様な文化に触れられそうだと感じた。②EUの経済的な中心国で、ビジネスや人々の生活に触れたかった(実際、留学先のインターンシップ制度を利用)。③日本の法体系に多大な影響を与えたドイツで法学を学んでみたかった。

 でも留学期間はわずか1年。限られた時間を有効活用するため、この3つの目的以外にも、大学合唱団に所属したり、一人旅をしたり、ライン川沿いを走るダイエットをしたり(笑)、精一杯挑戦してきました。だから、何かをやり残したという後悔は全くありません。帰国後は大学生活でやりたいことをやり切ろうと、合唱団に入団し、学生留学アドバイザーでは幹部を務めています。留学を通じて芽生えた「全力で挑戦する」という考えは、自分にとって大切な指針となっています。

 私に内面の変化があったように、留学経験は必ず人生の糧になります。今どうしようか悩んでいる人は、ぜひ思いきって留学してみましょう。難しい勉強、語学力不足に悩まされても、それを乗り越えれば大きな自信になるはずです。

現地のクラスメートたちと

ベルリンの壁の前で

お金に代えられない価値

創造理工学部
高柳雄太郎さん

  1. ①アメリカ/カリフォルニア大学アーバイン校
  2. ②2014年9~2015年6月
  3. ③CS-L(旧TSA)
  4. ④約400万円

 大学1年生で約3週間かけて米国一人旅をした際、英語ができず苦労したこと、さまざまな国・地域との旅行者とあまり話しができず悔しい思いをしたことで、留学時は英語能力と海外でのコミュニケーション能力の上達を第一の目標にしました。次いで、海外の有力大で理工系の授業を受けてみたいという考えもありました。

 留学によりこうした目標を達成できたことはもちろん、多様な国籍の人々と暮らすことで、彼らの価値観・考え方を多少なりとも知ることができました。加えて、あらゆる物事に対してチャレンジングな姿勢を保つ大切さ、メリハリのつけ方を学べたことも非常に意義深いと感じています。海外生活の経験から、グローバルな環境で働きたいという考えが固まり、研究室の専門分野を選ぶ基準にもなりました。

 留学で得られるものすべてにお金には代えられない価値があり、大学生活に大きな意義をもたらしてくれると、私は確信しています。留学を検討している皆さんには、ぜひ勇気ある一歩を踏み出してほしいと思います。

自分史上No.1バーガー

アーバインでできた友人たちとのFarewell Party

OB・OG
乗り越える経験が自信に

第二文学部卒業
株式会社ファーストリテイリング勤務
大蔵紘子さん

  1. ①アメリカ/ユタ州立大学
  2. ②2005年8月~2006年5月
  3. ③EX-R(旧EX)
  4. ④約170万円

 中高生の時から英語でのコミュニケーションに興味があった私は、大学で必ず留学をすると決めていました。一般になじみの薄いユタ州を選んだのは、日本人が少ないから。狙い通り、留学期間中は英語どっぷりの生活を送りました。授業についていくのに苦戦したり、山のような課題と格闘したり。怒涛のような毎日でしたが、壁を一つひとつ乗り越えながら、指定の単位を取得できたことは大きな自信につながっています。

 また現地の社会人学生と交流するなかで、自立する意義を考えるようになりました。そのため帰国後は、志望進路を大学院から就職へ切り替え、海外展開を始めたばかりの当社に入社。現在は総務部で発信物の英訳、外国人従業員のサポート、新規国の事務所設立支援、全社コスト削減プロジェクトなどの業務に従事しています。

 当社に限らず日系のグローバル企業では新興国出身の従業員の活躍が目立ち、日本人が優遇される環境ではなくなりつつあります。そのなかでプレゼンスを発揮するには、積極的な発言・行動が必要。学生の皆さんには、留学でそうしたグローバル感覚を身に付けてほしいと思います。

学内にある寮で生活

模擬国連サークルに参加

流されない生き方

政治経済学部卒業
青年海外協力隊・従事
川喜田 敬さん

  1. ①オーストラリア/シドニー大学
  2. ②2008年10月~2009年7月
  3. ③CS-L(旧TSA)
  4. ④約250万円

 語学力や視野の広がり、たくましさ……。私は留学を通して数えきれないものを手に入れました。どれも宝物ですが一番は「生き方」だと思っています。大多数が選ぶ道でなくても、自分が本当に生きたいように生きる。その大切さを学んだのです。だからこそ、大企業でのキャリアを3年間で終わらせ、青年海外協力隊の道を選択。アジア最貧国ネパールで、「農村の収入向上」をテーマに活動しています。大変ですが、それ以上に毎日が充実しています。

 そもそも私の学生時代、周囲には留学をする人はほとんどいませんでした。みんなとは違う道を行くことに恐怖を感じることもありましたが、それでも私は留学を選び、結果、冗談抜きで人生が変わりました。

 現在も、学部によっては留学志望者は少数派という環境に身を置く人もいるでしょう。でも他の誰でもなく、ぜひ自分の気持ちに従う勇気を持ってください。そうすれば数年後、きっとこう思うはずです。「留学して本当によかった」と。

 よければ私のブログもご覧ください。留学を有意義にする秘けつ、自分らしく生きることについてつづっています。

http://www.keikawakita.com/

ホームステイ先で

約1年間学んだキャンパス

2カ国から刺激を受けて

政治経済学部卒業
三菱商事株式会社勤務
小林美華さん

  1. ①中国/北京大学
  2. ②2010年8月~2011年7月
  3. ③DD
  4. ④約170万円

 母が中国出身であることから、日中関係に興味のあった私は、大学2年で北京大に留学。中国人の考え方や生活スタイル、社会に広がる格差問題など、等身大の中国に触れながら学び、感じたことは、机上の勉強だけでは決して得られない収穫だったと思います。

 1年後、中国から直接向かったのはオランダ。実は渡中する前に、学部で募集のあったアムステルダム自由大への留学にも応募しており、派遣が決まっていたのです。「どちらかといえばマイナーな国」というイメージからあえて選んだのですが、いざ滞在してみると、欧米、アフリカ、アジアなど多様な地域から留学生の集うグローバル先進国であることを実感。中国留学とはまた違う刺激を受けました。

 2カ国に留学したため、周囲より卒業時期は遅くなりましたが、就職活動に悪影響はありませんでした。信念があって留学を選んだのであれば、むしろ企業は評価してくれます。実際、留学経験は現在従事する海外との取引業務に非常に役立っていますし、それ以上に人間的成長をもたらしてくれました。後輩の皆さんにも、できればこの素晴らしい体験を味わってほしいですね。留学に関して制度が充実し、経験者も豊富な早稲田の環境をぜひ有効活用してください。

オランダ留学中に滞在したドミトリー

北京大のイベントで日本人留学生によるソーラン節を披露