早稲田大学の教育・研究・文化を発信 WASEDA ONLINE

RSS

YOMIURI ONLINE

ホーム > キャンパスナウ > 2016 新緑号 SPECIAL REPORT

キャンパスナウ

▼2016 新緑号

SPECIAL REPORT

“多様な個の尊重”と“全国の教育現場への貢献”を貫いて
早稲田の教員養成

教員就職で、トップクラスの実績を誇る早稲田大学。 長い歴史を通して、多くの教育者を全国の学校現場に送り込んできました。 一方で、教育界はさまざまな変化の渦中にあります。 それに対応するための新たな取り組みにも触れながら、教員養成に込める思いを紹介します。

全国に散じた現役教諭が語る
早稲田で育んだ教育の志

全国の教育現場で頑張る現役教諭に、早稲田大学で学んだこと、期待することをお聞きしました。

生徒の楽しそうな顔が教職のやりがい

栃木県立
大田原女子高等学校
教諭
岩渕友香

 早稲田大学では文学部で日本文学の研究をしていました。卒業論文は正岡子規について、俳句・短歌・絵などの様々な側面からその魅力を考察しました。現在は栃木県の高校で国語科の教員をしています。どうしたら国語を楽しんで学習してもらえるか、いつも試行錯誤の連続ですが、準備して挑んだ授業で生徒が楽しそうに活動している様子を見るのはとても嬉しく、やりがいを感じます。毎日の授業のアイデアは、先輩の先生に相談したり、同僚の先生たちと相談したりして考えていますが、なかなかいいアイデアが浮かばず定型化したものになってしまうことや、実践した後になってもっとああすれば良かったと後悔することもしばしば。教職課程では、模擬授業とそれに対する授業研究の場をさらに増やし、生徒を楽しませ成長させられる授業のアイデアについて学生同士で考え合う場を設定すると、実際に授業をするときに引き出しが増えて良いのではないかと思います。

大学のちょっとした経験が意外なところで生きてくる

大田区立東調布中学校
教諭
吉田雄介

 基幹理工学部、同研究科に在籍していた私は、西早稲田キャンパスで授業を受け、数学の研究をしながら教職課程の授業を受けに教育学部に通っていました。「数学科教育法」という科目で様々な数学的活動を実際に体験でき、実践のイメージがつかめるようになりました。当時の研究内容は「実際の現象と数学の関わりについて」。中学校の数学が世の中にどのように役立っているか、専門的な学問にどのようにつながっていくかを想定して、現在でも授業研究を進めています。特に強調したいのが、教員就職指導室に定期的に通うことの重要性です。採用試験の対策として、私は毎週月曜日の朝一に論文を書いて持っていくようにしていましたが、指導室でアドバイザーの先生の指導を受け、論文の内容について深めていくことが、教育における自分なりの重点は何かを考えるきっかけになりました。教員になってから、大学でのちょっとした経験が意外なところで生きてくると感じています。何事にも興味を持って学ぶことが大切なのは、生徒に限ったことではないと痛感しています。

卒業してからも学べる環境が必要

川崎市立宮崎小学校
教諭
小澤宏明

 早稲田大学で学んだ4年間は、教員就職指導室の小山先生をお呼びして勉強会を開いたり、小・中学校の授業研究会に参加したりするなど、机上で学ぶのみならず、様々な人との出会いや体験がありました。特にゼミでは「子どもとともにつくる授業づくり」について学びました。その経験は今、児童一人一人の想いや願いを大切にしながらクラスづくりをする姿勢につながっています。教員になり3年目になりますが、毎日が無我夢中の取り組みです。特に一年目はなにもかも手探りで落ち込んだ時期もありました。ある日、受け持ちの子が「小澤先生、毎日楽しいよ……」と手紙をくれたことがありました。単純な性格なので、どれだけ励まされたことか。また、頑張ることができました。大変なことも多いですが、毎日子どもの笑顔を見て、元気をもらっています。現場に出てみると、もっと学びたいなと思うことがたくさん出てきます。現在、早稲田大学でも開講されている現職教員を対象とした大学等公開講座の内容を幅広くするなど、卒業してからも学べる環境づくりが今後も求められると思います。