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キャンパスナウ

▼2014 錦秋号

SPECIAL REPORT

学生が活躍するキャンパス

最近の若者は…遊んでばかり・覇気がない?
いいえ。自由・自立の精神を持ち、バイタリティーに溢れた早大生たちは、
大人たちの想像以上に多様な分野で夢や目標を持って真剣に挑戦しています。
今回は大学の主役である早大生たちに焦点を当て、イキイキと活躍する姿を紹介します。
大学の教育・研究以外にも、さまざまな分野への学びの場が広がっているいま、
学生たちはどのような思いで自らの使命とする取り組みを見つけ、取り組んでいるのでしょう。

Interview

学生と共につくる新しい早稲田

大学の主役である学生の参画について、紙屋敦之理事(学生部門総括)に話を伺いました。

紙屋 敦之
理事(学生部門総括)
文学学術院教授
略歴はこちらから

─学生参画に対する早稲田大学の所見を教えてください。

 これまで早稲田大学では、国際化や情報化、また教育・研究環境など、学生が学ぶための環境やしくみの充実を図ってきました。そして今、鎌田薫総長のもとで2032年に向けた中長期計画“WasedaVision 150”を定め、新しい教育のあり方を目指した改革を進めています。

 大学において学生は、教育を享受するだけの存在ではなく、教職員とは異なる立場から大学と社会のあるべき姿を考える重要な構成員です。大学の教育・研究を豊かに展開するためには、学生の積極的かつ責任ある「学生参画」の推進が不可欠です。そこで、学生参画の一手段として現在進めているのが、スチューデント・ジョブです。

─スチューデント・ジョブを通して、学生に期待することは何でしょうか

 スチューデント・ジョブは、単なるアルバイトではなく、また、かつて苦学生への奨学的な目的で採用されていた学生職員※1とは異なる制度です。その目的は、学生が各学部・研究科で専門知識を学び、さまざまな課外活動を通して得た知恵や技術をもとに、大学の教育・研究、あるいはその他の活動に参加することで自律性を養い、社会問題を意識したキャリア形成を促すことにあります。社会人基礎力を身につけるための事前研修を行うことにより、社会から求められる緊張感を学内で実体験できることが特徴です。地方出身学生や外国人留学生の経済的支援にも役立つでしょう。

 学生には、大学生活で得た専門性やパワーを大学組織内でも発揮し、教職員と共に早稲だいだだ田大学の未来をつくってほしいと考えています。

─学生と大学が協働することで、早稲田の未来はどのようになるとお考えですか。

 本学では、すでに6,000名を超える学生がスチューデント・ジョブに該当する業務に従事しています。2014年開設予定の学生参画・ジョブセンターWebサイト※2を機に、組織として、より体系的なしくみを構築して参ります。将来的には、センターの運営も学生が担う形を考えています。学生は、直接的な運営や各箇所での就労体験を通じて、自信と誇りを得ると同時に、大学における自らの存在意義を自覚することができるでしょう。さらに、学生のキャリア形成につながるポートフォリオ・システムとの連動も計画しています。

 まずは新たなジョブの創出に取り組み、150周年を迎える2032年には全学生の3割が何らかの形でスチューデント・ジョブに従事していることを目指しています。大学の主役である学生が、教育・研究のさまざまな場面に参画しイキイキと活躍する姿は、大学に新しい風を呼び込み、“早稲田らしさ”をさらに進化させることでしょう。また、教職員にも大きな価値を生み出し、早稲田ブランドの発展や早稲田を核とした新たなコミュニティづくりにつながると期待しています。

※1:1976年に学生職員制度を設け、専任職員並みに業務に従事する学生を管理した。学業と仕事の両立を目指した奨学金的な意味を持ち、二部(夜間)学生に多く見られた。
※2:http://www.waseda.jp/sjc/

紙屋 敦之(かみや・のぶゆき)/理事(学生部門総括)文学学術院教授

1946年鹿児島県生まれ。1969年早稲田大学教育学部卒業。1981年同大学院文学研究科博士課程単位取得満期退学。福岡大学人文学部助教授を経て、1992年より早稲田大学文学部助教授、1992年同教授(現在は文化構想学部)。学生部長、図書館長、早稲田中学校・高等学校校長などを歴任。文学博士(早稲田大学)。主な著書に「東アジアのなかの琉球と薩摩藩」(校舎書房2013年)。