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キャンパスナウ

▼2014 錦秋号

SPECIAL REPORT

学生が活躍するキャンパス

最近の若者は…遊んでばかり・覇気がない?
いいえ。自由・自立の精神を持ち、バイタリティーに溢れた早大生たちは、
大人たちの想像以上に多様な分野で夢や目標を持って真剣に挑戦しています。
今回は大学の主役である早大生たちに焦点を当て、イキイキと活躍する姿を紹介します。
大学の教育・研究以外にも、さまざまな分野への学びの場が広がっているいま、
学生たちはどのような思いで自らの使命とする取り組みを見つけ、取り組んでいるのでしょう。

Report

「スチューデント・ジョブ」を大解剖!

スチューデント・ジョブ制度を活用して、学内で働く学生たちを紹介します。

 現在、早稲田大学内では多くの学生が働いています。その中で、仕事を通して学生のキャリア支援につなげる成長の場所となるものを、「スチューデント・ジョブ」と呼んでいます。単なるアルバイトとは一線を画し、また、経済的支援の側面を残しています。現在、多くの種類の仕事があり(表参照)、今後はさらに多くの学生が何らかのスチューデント・ジョブに従事することを目指しています。

 学生参画・ジョブセンターのWebサイト(2014年開設予定)から登録やジョブ申請などを行うことができます。

学生参画・ジョブセンターWebサイト▶ http://www.waseda.jp/sjc/

研究補助業務 リサーチ・アシスタント(RA) ▶ Pick up (1)
研究補助者
教務補助業務 ティーチング・アシスタント(TA) ▶ Pick up (2)
ライティングセンターのチューター
オンデマンド授業「学術的文章の作成とその指導」の指導員
スチューデント・アシスタント(SA)
事務補助業務

派遣スタッフ

臨時職員

委託業務スタッフ

●ICC学生スタッフリーダー ▶ Pick up (3)
●キャンパスツアーガイド ▶ Pick up (4)
●図書館業務 ▶ Pick up (5
●総合案内、IT支援など

学外業務 学外教育活動(個別指導塾、家庭教師業務など)
Pick up(1) リサーチ・アシスタント(RA)
仲間と共に、
新しい半導体材料の研究に没頭

宇留野 彩さん
先進理工学研究科
電気・情報生命専攻
博士後期課程1年

 リサーチ・アシスタント(RA)は、研究補助者として若手研究者の研究プロジェクトへの参画を後押しし、研究遂行能力の育成を目指す制度だ。一年間の研究計画に沿って実験を進め、研究論文の作成や成果報告会での発表などを行う。

研究室の後輩たちと研究結果について議論

 「消防訓練の際にホースを準備するなど、イベント時の職員サポートや、事務処理などもRAとしての仕事です。それ以外の時間は共同で研究している後輩の研究のチェックや、自分の研究に没頭する毎日を送っています」と話すのは、各務記念材料技術研究所のRAの宇留野さん。小林正和研究室の後輩たちと共同で、太陽電池の半導体材料に適した特性を持つ新素材の可能性を探っている。

 「モノづくりがしたくて自分で選んだ道。奨学的な役割のあるRAのおかげで金銭的な不安なく早稲田で研究に集中できることに感謝しています。今は研究開発能力を養う期間と考え、できる限りのことに取り組みたいです」。

 宇留野さんの笑顔の先には、新材料が創る未来が広がっている。

Pick up(2) ティーチング・アシスタント(TA)
学術的な学び方のサポートから
研究と教育の両立の仕方を学んだ

秋月三左子さん
政治学研究科博士後期課程1年

 ティーチング・アシスタント(TA)は、教育効果の充実を目的に担当教員のもとで教育指導上の補助を行う存在だ。教員や科目によりTAに求める役割や権限は異なる。河野勝教授の政治分析入門(春学期)はTAの権限が広い授業の一つ。1班約15名の少人数で行うTAセッションでは、ディスカッションやグループワークを通して学生の理解を深める。「多方面から質問を投げかけ、学術的な思考を促します。学生に対する責任の重さを実感しました」と話すのはTAの一人、秋月さんだ。

 授業準備やレポートの採点などを含め、TAとしての実働は週10時間ほど。TAが研究の息抜きと同時に、学びの場となっている。

授業のポイントなどを河野教授に相談

 「将来、研究と教育を両立するための訓練になりました。短期間で成長する学生の姿には驚かされます。“先生”と慕ってくれる彼らの期待に応えたいという想いが、研究意欲をかき立ててくれます」。

 国際政治の中でも開発援助を研究している秋月さんが、研究者として頭角を現す日が楽しみだ。

Pick up(3) ICC学生スタッフリーダー(SSL)
国境を超えた交流イベントの
企画・運営から学んだ責任感

田上 栞さん
文化構想学部3年

 国や文化の壁を超えた学生の相互交流の機会を提供する国際コミュニティセンター(ICC)では、年間約360のイベントを実施している。職員と共に企画から運営までを進めるのが、学生スタッフリーダー(SSL)だ。授業の空き時間にシフトに入り、ICCラウンジでカウンター業務を行う傍ら、学生視点の新しい交流イベントを企画する。

ICC学生スタッフリーダー仲間と

 「参加者一人ひとりの歴史的・文化的背景を理解し、気持ちを察する大切さを学びました」と話すのはSSLとして活躍する田上さん。大好きなK-POPつながりで知った、新大久保に住み込みながら現地取材を続ける新聞記者のトーク・セッションを企画した。「社会人と直接交渉する貴重な経験を積める半面、大学組織の一員としての責任が発生します。メール文章一つとっても学生だからという甘えは通用しません。私の行動が原因で大学の信用を損ねることのないように、職員の方に相談しながら進めています」。

 SSLの経験を糧に、世界中の人と円滑に仕事をする田上さんの姿が目に浮かぶ。

Pick up(4) キャンパスツアーガイド
早稲田大学の魅力を
学外のお客様に紹介

矢野大輔さん
法学部3年

 「この大隈講堂は—」

 明るくはきはきした声に、20名を超える参加者が熱心に耳を傾けている。声の主は、キャンパスツアーガイドの矢野さん。週1回、学外の見学者にキャンパスを案内している。

 友人の誘いをきっかけに、ガイドに応募した矢野さん。人前に立つ経験がなかった矢野さんにとっては、ガイドになる決断をするだけでも大きなチャレンジだった。いざ始めてみると、仕事の難しさは予想以上だったそうだ。5回の事前研修では、ガイドの先輩学生から、立ち位置や言葉づかいをはじめ、限られた時間で早稲田の魅力を伝える“気づかい”を学んだ。子どもの見学者向けにクイズなどの仕掛けを考えるようになったのもその一つだ。ガイドのない日でも、常にネタを探している。

高校生にキャンパスを案内する矢野さん。軽快で分かりやすい解説に、一同大盛り上がり

 ガイドの経験は、ゼミの発表などの普段の生活にも生きている。「今ではどんなときも、相手に合わせて発信することを意識しています。成長の糧となるだけでなく、貴重な財産になりました。後輩にもぜひ挑戦してほしいですね」

Pick up(5) 図書館業務
利用者に合わせた対応で
居心地の良い空間づくりを

村田 岳さん
文学研究科修士課程2年

 現在、約260万冊を所蔵する早稲田大学中央図書館には、図書館業務に従事する学生スタッフがいる。研究と両立しながら週3日、1日約5時間勤務している村田さんもその一人だ。一日に延べ500名が訪れる研究書庫を担当し、貸出返却などの対応や、貴重書の閲覧許可証などの出納、パソコン操作が不得手な利用者の資料検索のサポートなどの業務を行う。

返却された本を書棚に戻しながら、本がナンバー順に並んでいるかチェック

 「利用者が来館しやすく、居心地の良い図書館であるために、マニュアル的ではなく、一人ひとりの利用者に合わせた丁寧な対応を心がけています。一緒に本を探した後に“ありがとう”と言われることがやりがいです」。

 幼い頃から本の虫だったという村田さんにとって、図書館業務はまさに天職だ。「幅広いジャンルの研究書に触れる中で、利用者としてでは気づかなかった貴重な資料を発見することがあり、そんな時は自然と心が踊ります」。

 業務後は、自分の研究に関する中国史の資料を探せるのが利点なのだとか。中国への研究留学を目指す村田さんの笑顔が、利用者を待っている。