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▼新年号

SPECIAL REPORT

“Waseda Vision 150”

世界に貢献する大学を目指して

創立150周年となる2032年を目標に、早稲田大学がアジアのリーディングユニバーシティとして確固たる地位を築くための中長期計画“Waseda Vision 150”が本格的にスタートします。4つの大きなビジョンとそれを実現するための13の核心戦略、さらに具体的なプロジェクトの中で特に重要な取り組みをご紹介します。

グローバルな舞台で活躍する卒業生に聞く

2032年には、食事を平等に分かち合える世の中に

現在、TABLE FOR TWO International(以下TFT)代表として、世界を飛び回って活躍している小暮さん。グローバルリーダーとして大切にしていること、大学に期待することについてお伺いしました。

考えと情熱を自分の言葉で伝える

――組織や国境の壁を越えて活動することの楽しさ、グローバルリーダーとして心掛けていることをお聞かせください。

 いろいろな地域の人たちと新しい仕組みを作っていくことにワクワクしていますし、達成感を感じています。もちろん、バックグラウンドが異なる人々とコミュニケーションする上では、誤解が生まれ、苦労することもあります。例えば、「ヘルシーな食生活」と言っても、地域によって捉え方は違いますし、たくさんの候補の中から支援先を選ぶときもなかなか意見がまとまりません。しかし、自分たちは何を目指しているのか、そのためにはどうすればよいかを自分の言葉できちんと語ることができれば、必ず共感してもらえます。多少語学力が貧しくても、自分の考え方と情熱を伝えることさえできれば問題ありません。

 また、99%のメンバーが無償のボランティアで参加していますから、楽しさを感じることができないと、やる意味がありません。各国のTFTのリーダーと話すときは、活動のどこにやりがいを感じているか、楽しんでいるかを気に掛けています。

――早稲田が育てたいグローバルリーダーは「地球市民一人ひとりの幸せの実現をリードする能力と意志を持ち、地球規模の視点で思考・実行する人材」です。どう思われますか。

 「地球市民一人ひとりの幸せの実現」が謳われているのがよいですね。今、「幸せ」の定義が変わってきています。経済発展だけでなく、人々の精神の充実も同時に実現してはじめて、幸せな社会と言えます。日本は幸せな社会が実現できる国だと信じています。

学生が自由な時間を最大限活用できる大学に

ルワンダで給食の時間

TFTプログラム参加企業の食堂の様子

ルワンダの子どもたちと

小暮真久さんの近著
「社会をよくしてお金も稼げるしくみのつくりかた」
ダイヤモンド社

――2032年の社会はどうなっていてほしいですか。

 現在、TFTの国内の協力者は増えていますが、国外では点に過ぎません。今ある点をつないで、面にしていけるよう、いろいろなことにトライし、支援先をアフリカだけでなくアジアにも広げていきたいと思います。2032年には、TFTの活動を通じて、食事を平等に分かち合える世の中になっていてほしいです。

――大学に期待することは何ですか。

 就職活動期間を考えると、大学生活は実質2年半しかありません。ただ知識を得るだけでなく、さまざまな価値観に触れたり、友人と心ゆくまで議論したり、こんなに自由な時間はありません。この時期を最大限に活用できるよう、大学のあるべき姿を、大学と学生、企業が対話していくことが必要ではないでしょうか。学生が、自身の価値観や経験を、アウトプットできるような環境を大学がもっと支援できたらいいですね。これからも、早稲田の進取の精神で、日本の大学改革のムーブメントを起こしてほしいと思います。それから大学では、学生が情熱的な先生にたくさん出会えると良いと思います。先生が疲れていたら学生も辛くなります。大学に求められているのは、情熱に溢れ、キラキラと輝く先生に出会える場であることではないでしょうか。

NPO法人「TABLE FOR TWO International」
先進国のひとりが、対象となるヘルシーメニューの定食や食品を1食購入すると、開発途上国の子どもひとりに学校給食1食(日本円で20円)が贈られるというプログラムを展開しています。

小暮 真久(こぐれ・まさひさ)さん/グローバルNPO法人 「TABLE FOR TWO International」代表

1972年生まれ。本学理工学部卒業後、オーストラリアのスインバン工科大で人工心臓の研究を行う。1999年、同大学修士号取得後、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。同社米国ニュージャージー支社勤務を経て、松竹株式会社に入社。その後、先進国の肥満と開発途上国の飢餓という2つの問題の同時解決を目指す日本初の社会貢献事業「TABLE FOR TWO」プロジェクトに参画し、2007年NPO法人「TABLE FOR TWO International」を創設、代表理事に就任。2011年、シュワブ財団・世界経済フォーラム「アジアを代表する社会起業家」に選出、日経イノベーター大賞優秀賞を受賞。2012年、Forbesが選ぶ「アジアを代表する慈善活動家ヒーロー48人」に選出。