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キャンパスナウ

▼盛夏号

SPECIAL REPORT

グローバルリーダーを育成する 国際学生寮

昨今、学生寮の教育的機能が再評価されています。 早稲田大学では、2008年の田無学生寮の竣工に伴い学生寮の運営を一新。 大学が提供する学生サポートサービスの一環として学生の成長を促すプログラムや 日本人学生と留学生の交流などに力を入れてきました。 さらに現在、中野区において日本人学生と留学生が混住する 約900名規模の学生寮の建設を進めています。 これからの学生寮について、探ります。

こだわりの学生寮を紹介!

早稲田大学では、新入生を中心に、大学直営の学生寮に加えて寮運営を専門に手がける企業が運営する早大生専用寮など、さまざまなタイプの学生寮を紹介しています。
詳細は早稲田大学レジデンスセンターWebサイト ▶ http://www.waseda.jp/rlc/

早稲田大学直営寮
田無学生寮

 2008年竣工の田無学生寮は132室の定員168名。寮室は家具、ユニットバス付きで、LAN回線も整っています。男女でフロアが分かれており、特に女子専用フロアはオートロックを装備しセキュリティ管理を徹底。計7名のRA(レジデント・アシスタント)、Jr. RAを各フロアに配置、寮生の寮生活をサポートしています。

 グローバルリーダーの輩出を目指した独自のSocial Intelligence(SI)プログラムへの参加を義務づけています。留学生も多く入居しており、SIプログラム以外にも異文化交流が可能です。
※Jr. RAとは、原則として学部2年生で、RA候補生。

早稲田大学直営寮
市嶋記念千駄木学生寮

 2000年竣工の市嶋記念千駄木学生寮は女子専用の学生寮です。本学初代図書館長の市島春城のご子孫である市嶋信氏(本学名誉賛助員)により寄贈された土地に建てられました。定員は11室11名。完全個室タイプの学生寮で、各寮室にはミニキッチンやユニットバス、トイレ、室内洗濯機置場が完備。
※RAは配置されていません。

早稲田大学直営寮
東伏見学生寮

 1990年の開寮以来多くの卒寮生を送り出してきた東伏見学生寮は、2007年にリフォームを終え新たな学生寮としてスタート。緑豊かな地域の東伏見は、早稲田スポーツの本拠地です。男子専用の学生寮で、定員は30室40名。共同のキッチンが各フロアに設置されています。

 5月には早慶戦観戦、8月には流しそうめんの会などの交流イベントのほか、毎月「ふしミーティング」(寮生ミーティング)を実施し、寮生同士の交流が行われています。

早稲田大学提携寮

WID花小金井・WID田無合同ウェルカムパーティー

2001年にリニューアルしたWID田無2

●公益財団法人和敬塾運営
「和敬塾学生寮」

●株式会社共立メンテナンス運営
「早稲田大学国際学生寮(WID(ウィド))」、
「早稲田大学推薦学生寮」
 ※WIDとはWaseda International Dormitoryの略です。

●株式会社早稲田大学 プロパティマネジメント運営
「エスポワール目白」

Voice
有意義な学生時代をサポートします

田無学生寮ハウスマスター・アソシエイトハウスマスター鈴木一彦さん(左)、いそ子さん(右)

 田無学生寮では、寮生全員が共同生活の中でルールを守り、他人を思いやりながら社会性や規則正しい生活習慣を身につけ日々成長しています。郷里を異にした多くの友と人間性の向上を図り、有意義な学生時代を過ごしていただけるよう、また安全で安心な寮生活を送れるようお手伝いしています。

 入寮時にパソコンの設定ができずベソをかいていた新寮生が「100キロハイク」を無事完歩した時は一緒に喜びました。留学生の寮生が体調不良の時、同じフロアの留学生がいち早く報告してくれ、救急搬送にも同乗し、自国の両親に病状説明もしてくれた時は頼もしかったですね。

 現寮生の皆さん、OB・OGの方々、その他多くの関係者の皆さんで、今までにないSIプログラムを含め、さらなる飛躍ある寮を共に作っていきたいと思っています。

 

Interview
大学との連携で進化する、学生寮の運営・管理

 現在、学生寮は大きく変貌を遂げています。少子化に伴い各大学が地方の学生や留学生の受け入れを推進していることが理由の一つです。経済的で安全・安心な学生寮に高いニーズがあります。最近の学生寮は相部屋は減り、プライベートが確保されたワンルームタイプの寮室が主流。設備も充実しており、かつての狭い古いといったイメージはありません。一方で、食堂や浴室などは伝統的な寮のように共用スペースとして残っています。この共用スペースが、寮生同士のコミュニケーションの場として重要な役割を持っているのです。事実、一人暮らしの学生よりも寮生の方が大学生活に馴染みやすいという調査結果が出ています。ほかにもウェルカムパーティーや季節の交流イベントなど、寮内での活動が一役買っているようですね。

 また、住み込みの寮長・寮母が親代わりとなり食事の準備や寮内の環境を整えるなど、寮生の自律した生活をサポート。管理履歴システムの導入も進み、学生寮は経済面以外に健康面や安全面においてもご父母の皆様の不安要素の軽減に寄与しています。同年代が集まる学生寮は、学生にとってかけがえのない経験を得られる場所でもあるでしょう。

 寮に注目しているのは大学だけではありません。近ごろ採用活動において学生寮出身者を高く評価する企業や、入社後の数年間は社員寮に入ることを義務づけている企業が増えているようです。他者との共同生活の中で身につくコミュニケーションスキルや協調性、自律性といった素質を企業が重視しているからでしょう。将来グローバルな舞台で活躍するために必要な社会人基礎力でもあります。

 早稲田大学は学生寮への理解が深く、RA制度や大学独自のSocial Intelligence(SI)プログラムを展開するなど、全国的に見ても先駆的に取り組まれています。寮運営を学生サービスの一環ととらえ、グローバルな舞台で活躍する人材を育成するという早稲田大学の掲げる理念に、当社としても寮の運営・管理という面で陰ながらお役に立ちたいと考えています。

株式会社共立メンテナンス 事業企画室
篠田潤一さん(2006年政治経済学部卒)

WIDを管理・運営する株式会社共立メンテナンス
1979年設立。大学や企業と連携し、全国に学生寮・社員寮を展開。学生寮は約2万室を運営・管理している。「早稲田大学中野国際コミュニティプラザ」の管理・運営代行も受託。ほかにホテル事業やウェルネスライフ事業など。