キャンパスナウ
▼盛夏号
- SPECIAL REPORT
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グローバルリーダーを育成する 国際学生寮
昨今、学生寮の教育的機能が再評価されています。 早稲田大学では、2008年の田無学生寮の竣工に伴い学生寮の運営を一新。 大学が提供する学生サポートサービスの一環として学生の成長を促すプログラムや 日本人学生と留学生の交流などに力を入れてきました。 さらに現在、中野区において日本人学生と留学生が混住する 約900名規模の学生寮の建設を進めています。 これからの学生寮について、探ります。
「早稲田大学中野国際コミュニティプラザ」フロアガイド
各設備の役割や目的について紹介します。
地域とのコミュニケーションの場
交流ラウンジ(イメージ)
1 階の教育施設では、教務部のサテライトオフィスを設置し、早稲田大学の教育研究機能を生かして地域社会に開かれた生涯学習 の場づくりを提供しています。
地域と大学との新しいコミュニケーションの形
早稲田大学校友会 中野稲門会 副会長・幹事長
高田宜美さん(1962年教育学部卒)
中野は、地元商店街を中心に個性的な文化に富んだ活気あふれた街。このたび、「早稲田大学中野国際コミュニティプラザ」が建設されることになり、コミュニケーションの一大拠点としてさらに街が活気づくのを今から楽しみにしています。
私も在学中は留学生と一緒に寮に住んでおり、本当に楽しい日々を過ごしました。「百聞は一見に如かず」と言いますが、実際に足を運んだり、体験することはとても大切です。異文化・地域交流を通して価値観が変わっていくかもしれません。学生の皆さんには、ここ中野でたくさんの経験をしてほしいと思います。そして、貴重な大学生活において、私たち中野稲門会もイベントなどを通じ、学生の皆さんをサポートしていきたいと考えています。
有意義な学生生活になるよう、
心をこめて建物をつくっています
株式会社大林組 早稲田大学中野工事事務所 現場総監督
一柳謙二さん(1983年理工学部卒)
ご縁があり今回、母校の工事を施工させていただくことになり、非常に光栄に感じるとともに、責任の重さを考えると身の引き締まる思いです。ご存じの通り、多くの建物に被害が発生した昨年の東日本大震災の教訓から、この建物には1階の生涯学習用施設と2階以上の学生寮施設の間に中間免震層を設置。地震の揺れを低減するために積層ゴム免震装置、転がり支承、オイルダンパー、鋼製ダンパーと 最新の免震技術を組み込むことで安全を確保しています。あまり地震を経験したことの無い留学生も安心して生活できるでしょう。ここで生活する後輩の皆さんには、いろいろな人との出会いを大切にして、日本文化への造詣を深め、その上で世界の国々の文化と融合を図り、有意義な学生生活を送っていただけるよう、心を込めて建物をつくりたいと思います。
2F 生涯学習用施設「WISH」
共に学び、共に生活する空間
学生ラウンジ・ロビー(イメージ)
2階の学生寮共用施設には保健室や多目的教室を設置。さらに音楽室やフィットネスルームなどの設備環境を整え、寮生同士が交流を図ることができる場を提供しています。そのほかに、屋上緑化による環境保全にも取り組んでいます
パブリックとプライベートが共存
4人1ユニットのリビング(イメージ)
プライベートスペース(イメージ)
寮室スペースが並ぶ3〜11階は、3〜7階が男子専用、8〜11階が女子専用とフロアで分かれています(2階の一部も男子専用寮室フロアとなります)。すべての部屋にプライベートスペースを確保。4 人で利用するリビングで、グローバルなネットワークを築くことができます※。
※一部例外があります
早稲田大学 キャンパス企画部より
ハード・ソフトの両面から省エネ・耐震・長寿命建設技術を整備
「早稲田大学中野国際コミュニティプラザ」が建設される中野駅北側は、都内でも最先端の安全性と緑豊かな環境が備えられている地域です。周辺には防災拠点ともなる都市計画公園や都市計画道路、高度医療技術を有する大規模病院といった公共公益施設も整備されています。また、建物は中間免震構造を採用し、地震に対して通常の建物の1.5倍相当の高い安全性を確保しています。
国土交通省の「住宅・建築物省CO2先導事業」に採択された本施設は、最新の省エネ・耐震・長寿命建設技術といったハード面だけでなく、「エネルギーの見える化」などにより、そこに集う世界各国の寮生自らが自主的に省エネへの取り組みを行えるようなソフト面の整備にも力を入れています。