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▼新緑号

SPECIAL REPORT

Mission

早稲田から始まる健康ライフ

本学は、学生の健康に責任を持つ大学として、運動・食・医療・心のケアなどの総合的な視点から、学生の健康増進に取り組んでいます。在学中から卒業後の将来にわたるまで、学生が自己の健康を維持しマネジメントできるように情報発信し、動機づけを行う「早稲田健康キャンパス」の実現を目指した取り組みを紹介します。

「健康キャンパス」の実現を支える保健センター

学生の健康を支えている保健センターの取り組みを紹介します。

インタビュー

大学生の心と体の健康を積極的に支えていく

堀 正士
保健センター所長(教育・総合科学学術院教授、精神科医)

 保健センターが「健康キャンパス」の実現のために担っている予防的役割には、三つの段階があります。第一次予防は、心と体の健康を維持し、病気にならないように対策すること。第二次予防は、心と体が不調な学生を早期に発見し、少しでも早く治療すること。第三次予防は、再発しないための教育や治療です。

 第二次予防の役割では、健康診断後の指導に重点を置きながら、必要に応じて心理相談や診療を行い、第三次予防としてその後のフォローも徹底しています。しかしそれだけでは不十分で、第一次予防の観点から、オープン教育センターに保健センター主催の科目「こころとからだの健康」を設置し、心身ともに健康な生活を送るための知識を提供しているほか、希望に応じて各学部のオリエンテーションでも話をさせてもらっています。また今年度から、学生向け広報紙の「Waseda Weekly」でコラム「杜の相談室」を月1回連載することになりました。心身ともに健康であることは、学生生活の充実度を高めていく上で非常に重要です。また、社会人になってからも、自身の健康をセルフマネジメントできることが大切です。保健センターではそのために必要な情報を発信しています。

 早稲田大学の保健センターでは、心理相談を含む学生相談と診療科が同じ組織内で行われています。心と体は分けて考えられないものであり、学生を総合的に支援するという観点からも相互の連携が欠かせません。

 学生相談室の利用者は年間約1,200名、相談回数は約5,000回で、情緒的な悩みが相談内容の7割を占めています。最近の若者は以前と比べると育つのに時間がかかっていて、大学生の成熟度は低いと言わざるをえません。かつては16歳で元服でしたが、今は30歳をすぎても一人前といえるかどうか議論のあるところです。ですから大学生のうちはまだ、いろいろな意味での手助けが必要で、大学とご家族が協力して、学生のプライバシーに配慮しつつもっと積極的に学生の心身の健康を支えていく必要があると考えています。ちなみに海外の大学では、大学側が学生の心身の不調を知っていながら、家族に伝えていなかったことで訴訟が起きたケースもあるそうです。我々教職員は、今後学問の知識だけでなく、若者を心身ともに健全に育てることの2本立てで教育をしていくことを考えていくべきでしょう。今後も保健センターがその中心になって、心と体の健康についての啓発活動を推進していきたいと思います。

公募で決まった健康キャンパスのロゴ創造理工学研究科生による作品です

現場の声

不安定な学生が前向きになっていく姿にやりがいを感じる

 保健センター5階の精神保健相談室で保健師をしています。業務は、学生の精神的な相談に乗り、適切なアドバイスや情報提供を行う、重症度や緊急度を判断して必要時精神科医の診療につなぐ、診療後のフォロー、教職員・保護者との連携などです。

 精神科への相談は勇気のいること。まずは来室したことをねぎらい、信頼関係を築くことを大事にしています。すぐには解決しないことも多く、一緒に考えていく姿勢を大切にしています。さらに学内外での生活にも目を向け、個別的な対応を心掛けています。不安定だった学生が、症状やストレスの自己コントロールができるようになり、学業や就職活動など前向きに取り組めるようになっていく姿に、やりがいを感じます。 

看護師・保健師
青木裕見さん

 精神的な疾患・障がいは周りの理解や環境調整も大切です。そこで教職員・保護者との連携を今後さらに強化していきたいと考えています。また疾患・障がいに対する正しい知識・情報の普及に努めていきたいです。

保健センターの紹介

 センターの淵源は、1925年、他大学に先駆けて設置された学生健康相談所にさかのぼります。1950年に、より充実した体制の診療所として改組され、1968年には所内の心理相談室を拡充した学生相談センターが開所。1999年12月に両者を統合した総合健康教育センターが発足し、診療室・保健管理室・学生相談室の3室が連携しながら学生の健康を総合的にサポートしています。

 2000年には精神科診療を開始し、翌2001年には学生を心身の両面から総合的にサポートする保健相談業務が本格的にスタートしました。2009年には保健センターと改称し、気軽に保健相談できる場として定着。定期健康診断の充実、メンタルヘルスケアの推進と学内連携体制の強化、健康支援活動のサポート、オープン教育センター設置の関連科目の充実に取り組んでいます。

保健センター(25-2号館) http://www.waseda.jp/kenkou/center/HSC/

施設紹介

各キャンパスに広がる分室

早稲田分室(7号館)
2009年、早稲田キャンパスのほぼ中央に位置する7号館1階に開設。政治経済、法、教育、商、社会科学、国際教養学部の学生をはじめ各研究科の学生などが主に利用しています。応急処置、健康相談を中心に対応しています。

戸山分室(33号館)
2001年に学生会館に開設。文化構想学部および文学部の学生、各研究科や、学生会館を使用する学生が主に利用しています。女子学生の利用が多く、他大学の学生も利用することがあります。

西早稲田分室(51号館)
1950年の「診療所」発足とほぼ同じころにスタート。基幹理工、創造理工、先進理工学部と各研究科および芸術学校の学生が主に利用。実験などがあるため、学生のキャンパス滞在時間が長いことが特徴です。また、労働安全衛生法施行規則に基づく特殊健康診断を実施しています。

所沢分室(100号館)
1987年、所沢キャンパスの開設とともにスタート。人間科学、スポーツ科学部の学生が主に利用しています。スポーツ障害相談やスポーツ医学におけるサポートは、スポーツ科学部にある「スポーツ医科学クリニック」と連携しています。

本庄分室(93号館)
2003年の本庄キャンパス設立と同時にスタート。国際情報通信研究科、環境・エネルギー研究科の学生が主に利用。