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▼新緑号

SPECIAL REPORT

Interview

早稲田から始まる健康ライフ

本学は、学生の健康に責任を持つ大学として、運動・食・医療・心のケアなどの総合的な視点から、学生の健康増進に取り組んでいます。在学中から卒業後の将来にわたるまで、学生が自己の健康を維持しマネジメントできるように情報発信し、動機づけを行う「早稲田健康キャンパス」の実現を目指した取り組みを紹介します。

早大生の充実した人生のために

「学生の健康に責任を持つ大学」へ。

健康キャンパス構想が目指す姿や大学生の健康に関する課題などについて伺いました。

「健康キャンパス」は、学生支援の一つ

笹倉 和幸
学生部長(政治経済学術院教授)

――「健康キャンパス」の目的についてお聞かせください。

 「健康キャンパス」のプロジェクトは、創立125周年にあたる2007年度に、早稲田大学のビジョンを示すために作られた中長期計画「Waseda Next125」の一環としてスタートしました。自学自習の伝統がある早稲田大学においては、これまで大学が学生の健康について働きかけるということはそれほど多くありませんでしたが、何かと受け身的な大学生が増えてきたという実情もあり、学生支援という観点から、「学生の健康に責任を持つ大学」を目指すことにしました。

 本来、若くて健康な学生に対して健康を啓蒙することには矛盾があるかもしれません。しかしながら、一生を通じて健康な生活を送り、社会に貢献できる人材になってもらうためには、学生のうちから自身の健康をマネジメントする意識を高め、情報を得ておくことが必要です。そのため、学生だけでなく、校友も対象に、必要な情報を発信しています。

 健康というと身体的な面ばかりを意識しがちですが、真の健康とは、身体だけではなく心も安定している状態です。心理的な悩みについても保健センターの体制を充実させ、学生にとって総合的な健康キャンパスを意識しています。

情報提供と環境づくり

――「健康キャンパス」を実現するための具体的な取り組みを教えてください。

 学内のさまざまな機関が運動・食・医療・心のケアという総合的なアプローチを図り、学生部が全体をコーディネートして活動を推進しています

 最も重視しているのは、健康の大切さを啓蒙するための情報提供です。オープン教育センターでは、健康についての正しい知識を専門家から学ぶことができる講座(健康創成論、メンタルヘルスマネジメント概論)を設置し、今年度からは全学共通副専攻として「健康・医療」コースを設置しました。また、学生、教職員、校友のすべての人が利用する早稲田大学独自のインターネット・サイトである「Waseda-netポータル」を通じて、在校生と校友に健康フェスタなどイベントの情報提供を行うほか、年間を通じて、早稲田大学生活協同組合や早稲田大学学生健康増進互助会の学生組織である学生健康増進互助委員会などが主催するキャンペーンを行っています。中でも、春と秋の年2回開催する「健康フェスタ」は非常に明るい雰囲気で、気軽に参加できるイベントです。学生のグループと教職員や企業が連携して、食生活改善の講習会や相談会、体組成測定会、プロのインストラクターによる軽運動教室などが行われ、健康の大切さを体感できる充実した内容になっています。

 キャンパス内には、授業の合間に利用できるトレーニングセンターやリフレッシュスタジオがあり、日常的に運動ができる環境が整っています。また、毎年秋には、体育祭・総長杯スポーツ大会が行われ、約3,000名が参加しています。中でも「Tokyoハイク」は、三田の慶應義塾大学をスタートして市ヶ谷の法政大学、駿河台の明治大学、白山の東洋大学などを巡り早稲田大学の大隈講堂にゴールする35kmのウオーキング大会ですが、400~500名の参加者のうち1割は他大生や一般の方です。学生たちに運動の機会を提供するだけでなく、一大学の枠組みを超えたイベントにもなっていることから、今後ますます盛り上げていきたいと考えています。

心身ともに健康な社会人に

――現在、特に力を入れている取り組みはありますか。

 飲酒と喫煙のマナーを徹底しています。他人に飲酒を強要するなどのアルコールハラスメント防止のためにリーフレットを作成して配布するほか、新入生ガイダンスでも指導を徹底しています。喫煙マナーについては、各学部の教職員と学生部の職員がチームを組んでキャンパス内を巡回し、喫煙エリアを遵守するよう指導しています。

――今後、さらに取り組みを強化したいことは何ですか。

 プロジェクトを始めて4年が経ち、スタートした当時の1年生が卒業しました。個人的な意見ですが、生涯を心身ともに健康で過ごせるかどうかは、卒業してから数年間が分かれ目です。プロジェクトの効果が問われるところですから、今後は校友の健康にもこれまで以上に積極的に関わって、心身ともに健康な人材を社会に送り出していきたいと考えています。

笹倉 和幸(ささくら・かずゆき)/学生部長(政治経済学術院教授)

1959年生まれ。早稲田大学大学院経済学研究科博士後期課程満期退学。日本鋼管(現JFE)勤務、福岡大学経済学部助教授などを経て、1999年より本学政治経済学術院教授。経済学博士。