早稲田大学の教育・研究・文化を発信 WASEDA ONLINE

RSS

読売新聞オンライン

ホーム > キャンパスナウ > 新緑号 SPECIAL REPORT

キャンパスナウ

▼新緑号

SPECIAL REPORT

知の宝庫「早稲田大学図書館」

早稲田大学図書館の始まりは1882年。早稲田大学の前身である東京専門学校の創立と同時に設置された図書室でした。その後、大学の発展とともに拡大し、現在、中央図書館と4つのキャンパス図書館、6つの学生読書室、その他各所に点在する教員図書室や資料室など、26施設からなる日本有数の図書館となりました。多くの学生、研究者を魅了し、進化し続ける早稲田大学図書館の今をご案内します。

図書館の杜をめぐる

中央図書館

 中央図書館は、図書館の歴史が始まって110年目の1991年、大学創立100周年記念事業の重要な柱のひとつとして安部球場跡地に設立されました。

 中央図書館入口(写真右)に掲げられているラテン語は、
QUAE SIT SAPIENTIA DISCE LEGENDO(知恵の何たるかを読むことによって学べ)
ローマ時代の政治家カトーが、息子に向けた教訓です。

「春城市島謙吉像」
 早稲田大学図書館の初代館長である市島謙吉(号・春城、1860-1944)の生誕150年を記念して、2010年3月に設置されました。市島謙吉は1902年に図書館長に就任し、15年の長きにわたって資料の収集と積極的な公開に尽力しました。

平山郁夫「熊野路・古道」
 2階から3階へと続く階段の踊り場に掲げられているのは、故平山郁夫氏の絵画「熊野路・古道」です。「真理探究の奥深さ」をテーマに描かれた作品です。森の奥深く消える古道は学問の深遠さを象徴し、上方に輝く曙光は厳しい道の果てにある希望と安らぎを暗示しているそうです。

閲覧個室
 教職員と大学院生が利用できる個室。中庭に面した落ち着いた雰囲気の中で学習・研究ができます。

地階

研究書庫
 主として教職員・大学院生が研究に利用する図書が配架されており、他大学にはないような古い図書も数多くあります。早稲田大学に縁のある人から寄贈され、元所蔵者の名前がつけられた文庫は40以上。

本読むひとびと

棚の間で過ごす
何物にも代え難い時間

和田 敦彦教授/教育・総合科学学術院(日本近代文学)

 昔から、先生の授業を聴くよりも図書館で勉強するほうがいいとまで絶賛されてきた早稲田大学図書館。多種多様な所蔵資料はもちろんのこと、利用しやすさという点においても段違いに素晴らしいですね。開架式でこれだけの量の本を手にとることができる図書館はありません。棚の間を行き来し、そこに並んでいる背表紙を眺めるだけでも勉強になります。また、古典籍総合データベースについても、あの内容と量を無料で公開する力には感服します。図書館は、研究者にとって命綱のようなもの。これまで助けられてきた図書館に恩返しするため、2年前より教育プログラムの一環として、学生たちと未整理史料の整理を行っています。

2階

参考図書コーナー
 辞書・事典等の参考図書が配架されています。会話はできませんが、PCなどの機器の使用が可能なゾーンとなっています。

グループ学習室
 蔵書検索システムWINEの整備とともに図書目録カードはその役目を終え、カードボックスの置かれていた場所は、スチューデント・コモンズとしてグループ学習の空間へと生まれ変わりました。

3階

新聞・雑誌コーナー
 世界各国の雑誌約6,000誌、新聞約150紙を閲覧することができます。ソファはなんとW型。

 中央図書館は、音に関する3つのゾーンに分かれています。会話が可能なグループ学習のゾーン、会話は不可だがPCなどの機器使用は可能なゾーン、会話も機器使用も不可の静かなゾーン。サインはユニバーサルデザインで分かりやすく表示しています。

本読むひとびと

本物に触れて学ぶ贅沢

大学院教育学研究科国語教育専攻の皆さん
大木しおりさん、鍵山千晴さん、小林雄佑さん、中野綾子さん

 こちらの皆さんは、図書館に眠る未整理史料の整理作業を行っている図書館連携調査グループ。文書史料の扱いや整理、保存作業についての知識を実践的に身に付けることを目的としています。「誰も整理していない史料を初めて手にするので、感動があって面白い」「森鴎外や西園寺公望の書簡を直接手にすることで、文豪や歴史上の人物が身近に感じられた」「本物を見ることで関心の幅が広がり、研究テーマが見えてきた」と真剣に作業を進めています。

4階

AVルーム
 クラシック、邦楽、ジャズ、講演、演劇、落語など多彩なジャンルの音声資料と、音楽、映画、ドキュメンタリー、講演などを収録した映像資料を個別ブースで視聴できます。定年退職した教員の最終講義DVDなども所蔵しています。

特別資料室
 江戸時代以前の古文書、版本、写本、近代の書写資料、また、1800年以前刊行の洋書などの貴重な資料が所蔵されています。特別資料室内には、温度20℃、湿度55%の環境が24時間保たれた貴重書庫があり、国宝2点、重要文化財5件を含む約4万点の貴重書を保管しています。

貴重書庫

国宝や貴重な資料・文化財も収蔵されています

本読むひとびと

800年前の古典籍に触れる喜び

兼築 信行/文学学術院教授(和歌文学)

 早稲田大学図書館には、国宝・重要文化財をはじめとする、数多くの古典籍が収蔵されています。それらを単に保存するだけでなく、古典籍データベースを通じて利用・研究できる点が、国内外の研究者から高い評価を博しています。この度、私が専門とする藤原定家の日記『明月記』の自筆本の一部を購入していただきました。この断簡は、紙背に2通の書状を存する貴重なものです。さらに研究を重ねていくことで、当時の文化を解明する新しい発見もあることでしょう。古典籍のコレクションは、長年にわたる歴史の中で図書館が築き上げてきた宝です。さまざまな古典籍に直接触れ、学んだり、研究したりできるのは、早稲田大学図書館ならではですね。

その他の図書館と学生読書室
学生読書室

 各学部には学生読書室があります。学部ごとに、日常の学習に必要とする雑誌や図書が集められています。

頂新国際グループ記念学生読書室(商学部・国際教養学部学生読書室)
 黒い棚と木目調のテーブルが配され、落ち着いた雰囲気の読書室。商学部の学生向けのビジネス雑誌や国際教養学部の学生向けの洋書が豊富にそろっています。

法学部学生読書室
 扇形に配された棚と高い天井が印象的な読書室。旧憲法下の大審院を初めとする各種の判例集や「~法」という背表紙がずらり。将来の法曹を目指す学生が多く利用しています。

坪内博士記念演劇博物館図書室
 坪内逍遙博士の古稀祝いと、その半生を傾倒した「シェークスピヤ全集」全40巻の翻訳完成を記念して設立された国内唯一の演劇専門博物館の図書室として、日本はもとより世界各地の貴重な演劇・映像資料をそろえています。

本読むひとびと

図書館は将来の目標をみつけられる場所

2010年3月社会科学部卒業
MON MYAT THU(モンミヤッテュ)さん

 私が早稲田に入学したきっかけは図書館です。250万冊もの蔵書がある中央図書館は、夢のような場所だと思いました。そして、社会科学部で、国際協力の実践方法や理論を学ぶ中で、自分だからこそできる支援は何かと考えたのが、母国に図書館を作ること。私の母国ミャンマーでは、いまだに家業を手伝うために通学を断念する子どもたちがいます。しかし、通学できなくなったとしても図書館があれば、本と出会い、いろいろな体験をすることができます。私もこの図書館で将来の目標をみつけることができました。大変なことがあっても、図書館に来ると不思議とリラックスできるんですよ。

戸山図書館
 文学学術院がある戸山キャンパスの学習および研究図書館機能を合わせ持つ図書館。文化構想学部・文学部のシラバスで指定される参考図書を年度初めにはほぼそろえて好評です。

所沢図書館
 人間科学学術院とスポーツ科学学術院における研究・教育に対応した専門書、学術雑誌はもちろん、一般教養に資する図書・雑誌も所蔵しています。日本人で初めてオリンピックで金メダルに輝いた織田幹雄氏(校友)から寄贈された「織田文庫」があります。

理工学図書館
 雑誌・洋書を中心とした理工学系専門資料の研究図書館。カリキュラムに即した和書を中心とした学生読書室(52・53号館地下)とともに、早稲田の理工学研究教育を支える重要な基幹と位置付けられています。

高田早苗記念研究図書館
 現中央図書館の開館に伴って空きスペースとなった旧図書館(2号館)の書庫部分を利用して、政治経済・法・商・教育・社会科学部の教員図書室および関連研究所図書室の図書を集約し、大学院生・教職員専用の研究図書館として1994年に開館。高田早苗は本学初代学長・第3代総長、第2次大隈内閣では文部大臣を務めました。

本読むひとびと

図書館は情報のライフライン

若林 隆太郎さん/大学院先進理工学研究科 応用化学専攻博士後期課程2年

 理系の研究者にとって、図書館の学術情報検索システムは情報のライフラインです。研究をするためには、学術誌を読むことが欠かせません。昔は調べたいことがあると学術誌を一つひとつ手にとって探したそうですが、現在はキーワードで電子ジャーナルに掲載された論文を検索し、ワンクリックで読むことができます。プリントアウトもせず、端末上で読むことのほうが多いですね。

 早稲田大学図書館が契約している電子ジャーナルの数は多く、よく企業や他大学の研究者からうらやましがられます。読みたい論文がすぐに読めるかどうかは、研究のスピードや成果に大きな影響がありますから、本当に感謝しています。

数字で見る早稲田大学図書館

早稲田大学図書館は、規模においても内容の深さにおいても誇るべき点が多くあります。数字で切り取ってみましょう。

128年
図書館の歴史。1882年に大学の前身である東京専門学校の図書室が開設しました。独立した図書館が作られたのは、1902年に早稲田大学に改称した年です。

212万人
年間の利用者数。26施設を利用した延べ人数です。

850,000冊
年間の総貸出数。

5,000席
すべての図書館、読書室の閲覧席の総数です。

中央図書館地下3階には自動書庫が設置され、検索用端末で自由に図書が取り出せます。

85,000
早稲田大学で利用できる電子ジャーナルのタイトル数。私立大学の平均値2,393タイトルに比較しても高い水準を誇ります。その多くを蔵書検索システムWINEで検索することができます。書籍を電子化した電子ブックも40万タイトル以上を利用できます。

56,000平方メートル
すべての図書館、読書室の総面積です。

5,070,000冊
総蔵書数。