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SPECIAL REPORT

校友とともに築く早稲田

さまざまな分野、業界で活躍する早稲田大学の校友。社会に貢献する人材育成はもとより、校友の豊かな人生を応援するのが大学の使命です。卒業後もずっと続く大学とのつながり。校友が誇りに思える母校であり続けるために何が必要かを考えてみました。

Part.1

対談  校友連携担当理事 × 校友会代表幹事

ともに手を取り合い、誇りある校友の輩出を

本学の中長期計画「Waseda Next 125」では、「大学と校友との連携強化」が掲げられています。そこで、Part.1では校友連携担当理事と校友会代表幹事のお二人が、大学と校友会、お互いの連携によって各々の発展のためにどのような貢献ができるか、意見を交わしました。

本多 聖治(ほんだ・せいじ)/早稲田大学 理事(左)
早稲田大学第二文学部卒業後、早稲田大学に入職。教務部情報化推進担当事務部長、教務部事務部長、人事部長、総長室長などを歴任。現在は、同大学評議員、同大学理事。早稲田大学校友会常任幹事。

福田 秋秀(ふくだ・あきひで)/早稲田大学校友会 代表幹事(右)
早稲田大学商学部卒業後、株式会社飛島建設入社。その後、福田プレス工業株式会社専務取締役、株式会社エフテック代表取締役社長を歴任。現在は株式会社エフテック代表取締役会長、埼玉経済同友会特別幹事、早稲田大学校友会代表幹事、早稲田大学理事。

卒業してからも生涯つながりたい大学に

――早稲田大学にとって「校友」とはどんな存在だとお考えでしょうか。

本多 本学にとって大切な原動力だと思います。本学創立からこれまでで、卒業生は約62万人います。そのうち生存している方は約55万人。これはあらためて考えると、ものすごい資産だと思います。校友の皆さんが持つパワーやネットワークは計り知れません。国内はもちろん、世界中にいますし、政治、経済、文化、スポーツなど、あらゆる分野にわたって活躍しています。そんな校友の皆さんの活躍を社会の方々が見て、「早稲田大学に入りたい」「応援したい」と思ってくださっています。その歴史を重ねて今の本学があるのです。

福田 私も同感です。ここまで幅広い分野で活躍できる人材を数多く輩出できる大学はありません。そんな本学を卒業して校友となった時、「早稲田を出て本当によかった」という「誇り」を持っていただきたいと考えています。先日、本学と交流のあるアメリカのイェール大学の校友会の方々が来日され、お話を聞く機会がありました。彼らの言葉の端々からは、いかに自分たちの大学に対して誇りを持っているかが感じられ、私たちも負けてはいられないと思いました。誇りがあれば、本学とつながってくれます。すなわち、校友会活動や母校支援に参加してくれるようになるのです。そういった気持ちを醸成していくのも校友会の役目だと思います。

本多 大学の立場としては、学生時代から誇りと満足感を持てるような大学にしていかなければなりません。やはり、学生たちにどれだけ「早稲田で学んで良かった」「早稲田で生涯の友人ができた」と思ってもらえるかが重要です。その原点を大学側が作り、校友会と協力して、卒業後も生涯コミュニケーションを取りたくなる、「価値ある大学」にしていくことが大切だと思います。そのためには、大学と校友会が手を取り合って、今まで以上に連携していかなければなりません。「地域交流フォーラム」で校友・父母の交流を図る―本学の中長期計画「Waseda Next 125」には「大学と校友との連携強化」が掲げられています。その目的、具体的な取り組みについてお聞かせください。

「地域交流フォーラム」で校友・父母の交流を図る

――本学の中長期計画「Waseda Next 125」には「大学と校友との連携強化」が掲げられています。その目的、具体的な取り組みについてお聞かせください

本多 本学は100周年を迎えた時から、建学の理念でもある「世界で活躍できる人材の育成」に基づいた取り組みを強化しており、留学生も含め多くの校友が世界に羽ばたき、これまで一定の評価を受けてきた実績があります。そして、2007年に125周年を迎え、中長期計画「Waseda Mext 125」で最も優先すべき課題として「グローバル化推進」が設定されました。つまり、「日本の『早稲田』から世界の『WASEDA』となって、世界に貢献する人材をこれまで以上に多く輩出していこう」ということです。

 「Waseda Next 125」を実現するために、「教育の早稲田」の充実、「研究の早稲田」の飛躍、「社会貢献・文化推進の早稲田」の確立の具体的取り組みが設定されました。そして、それらを実現する大学運営への転換のポイントとして、校友と父母が大学の中長期計画の中で、明確に位置づけられたのです。これは本学にとって大きな変化。「教職員、学生、校友、父母が一体となって、世界に貢献する人材を輩出していこう」という意志の表れなのです。

 そのために現在、大学と校友会で協力し、特に力を入れて取り組んでいるのは「地域交流フォーラム」です。これまでも本学の知的財産を還元し、教育のオープン化、全学の生涯学習機関化の実現を目的として、各地で開催される校友会支部総会等に合わせて本学教員による講演会を開催してきましたが、これまで以上に大学が主体的に連携を深めていくために、2009年度より、一都三県を除く全道府県の校友会各支部との共催で地域交流フォーラムを開催することにしました。支部総会と同じ会場で、講演会、教学・就職に関する在学生父母向けの個別相談会、父母懇談会、本学進学希望者への相談会などを行っています。全国には将来の進路に悩んでいる学生や父母が多くいます。そういった方々と地域の校友が交流することで、さらにワセダコミュニティが拡がりを持ち、将来の校友輩出につながるでしょう。

福田 大学側は、学生の父母とコミュニケーションを取ることで、大学の情報などどのようなことを要望されているのか直接聞く機会を得ることができます。同時に校友会側としても、将来の校友を開拓すると同時に、父母の方々に校友会の存在を知っていただく機会になります。そうすれば、学生にも伝わり、校友会に積極的に参加していただける校友確保にもつながります。

本多 一都三県の方々は、本学で開催している父母向けイベント「ペアレンツデー」や受験生向けイベント「オープンキャンパス」に参加できるので大学とのコミュニケーションを取っていただきやすいのですが、各地方の方々にはそういった機会が少なかったのです。大学にとっても校友や父母の声を聞くことができる大切な機会。しかし、大学側だけでは全国で交流の場を作るのは難しい。「地域交流フォーラム」は、地域の校友の方々の協力なくしては成り立たない活動です。これからも校友会の力をお借りして、お互いより強く連携を取りながら進めていきたいですね。

福田 校友会としても全力でサポートしていきます。「地域交流フォーラム」を訪れると、校友、父母、地域の方々、高校生など、皆さんがとても喜んでくれている様子が分かり、私としても感激します。また、学生の父母の方から、入試前予約採用奨学金「めざせ! 都の西北奨学金」に対して感謝のお言葉をいただいたこともあり、校友会から大学への寄付金が在学生のためになっていることを実感しました。これからもこういった機会を大切にしていきたいと思います。

「Waseda Next 125」に基づいた大学の取り組み
「地域交流フォーラム」

2009年11月、名古屋での地域交流フォーラムで行われた篠田正浩特命教授による講演会

 これまで全国各地で実施してきた講演会を発展させ、2009年度から、校友、在学生の父母、一般の方々を対象とした「早稲田大学地域交流フォーラム」を一都三県(東京・埼玉・千葉・神奈川)以外の43道府県で開催しています。当日は、本学における最近の教育内容紹介や本学教員による「早稲田の知に触れる」講演会の他、在学生の父母の方を対象とした相談コーナーを設け、学生の教学や就職に関する相談や質問に答えています。

 また本学への進学を希望する高校生やその父母、先生方を対象とする「進学相談会」や、父母同士の交流を目的とした「父母懇談会」等を開催。校友の方を始め、在学生の父母、本学への進学希望者等へのサービス向上を図るとともに、地域在住の方々に本学をより深く知っていただく催しとして実施しています。2010年度からは、地域の校友と在学生の父母との交流を計画中です。

ともに世界へ、ともに未来へ

――2010年、校友会は設立125周年を迎えます。具体的にどのような取り組みを行っていきますか。

福田 校友会設立125周年にあたり、さまざまな活動を展開していく中で「ともに世界へともに未来へ」というキャッチフレーズを作りました。「ともに世界へ」には、「グローバル化を推進する母校とともに校友会もグローバルな展開をめざしていこう」という思いが込められています。また、「ともに未来へ」には、「母校とともに未来社会に貢献できる校友会でありたい」という意志が表れています。さらに二つのフレーズにある「ともに」には、「校友全員で取り組んでいこう」という意味が込められています。本学の校友は校歌にもあるように「集まり散じて」という意識が高く、「一匹狼」の精神を持った人が多い。それはそれで素晴らしい伝統ですが、校友会活動に関しては、校友同士が手を取り合って未来へ進んでいきたいと考えています。

 校友会には、地域、海外、職域などに分かれた約1,300の稲門会がありますが、今後、私たちが特に注力していきたいことは、年次を軸とした組織の強化です。従来は、大学側は卒業後25年目のホームカミングデー招待、校友会では卒業10年目に年次稲門会10年祭を開催しており、そうしたイベントが同期生の横のつながりによる同窓会の開催のきっかけとなっておりましたが、2010年度からは大学側が15年目もホームカミングデーに招待するようになるのとあわせて、校友会側でも年次稲門会5年祭を開催するとともに、在学時から校友会給付奨学生を中核として地域別にネットワークを形成できるよう支援し、より早い時期から同期の「横」のネットワークを強固にしていくような取り組みを進めてまいります。

本多 大学としても、昨年、若手の職員が中心となり、「Hello! WASEDA」プロジェクトを発足させました。若手校友を対象とした企画では、在学生と校友が一体となり講演会や勉強会などに参画することで、若いうちから校友であるメリットを感じてもらい、将来校友会に積極的に参加していただくことを目的とした活動があります。

 さらに、各種事業を財政的にご支援願うため、毎年度一定額を寄付金として拠出していただく「WASEDAサポーターズ倶楽部」を昨年スタートさせ、こちらも校友の方々を中心に大変力強いご支援をいただいています。

福田 「WASEDAサポーターズ倶楽部」については、校友会でも全面的にサポートしていきたいと思います。校友会としては、年間予算の約半分を奨学金支援を中心とした母校・後輩の支援に役立てることを目標にしています。先ほどご紹介した「めざせ!  都の西北奨学金」のほか、海外で学びたい学生のための「校友会海外派遣留学奨学金」、図書館の運営に使われる「早稲田大学図書館指定寄付」、各種寄付講座などの形で大学に寄付され、在学生全体が恩恵を受けられるのです。大学を支援していくのは、校友会の大事な使命。こうした財政支援だけでなく、豊富な人脈を駆使した人的支援など、有形無形の支援を充実し、今後も大学発展の一助となれるよう、力を入れていきます。

 校友会シンボルマークは、実った稲穂、黄金色に輝く大隈講堂の前でしっかり握り合った手と手を早稲田カラーの「W」にデザイン。校友会における人と人の強い結びつきを表現しています。さらには、校友会設立125周年の記念碑を建てたいと考えています。校友であること、今後校友になることを実感できるような、卒業生と在学生のシンボル的存在になればいいですね。

早稲田大学校友会とは

校友会125周年記念ロゴ

 早稲田大学校友会は、会員相互の親睦を深めること、会員と大学との密な関係を維持・発展させること、大学の事業を援助することを目的に、第1回卒業生が出た翌年、1885年に発足。以来、日本全国世界各地に組織を広げ、約55万人の校友が所属しています。大学を卒業すると同時に全員が校友会員となり、退会という概念はありません(学部在学生は準会員)。校友会の規則に則り、特に会費納入者の方へのサービス充実に努めています。校友会は校友の参加により運営されており、校友は校友会を通して、大学の運営にも参画できます。

 2010年、校友会は設立125周年を迎えるにあたり、さまざまな記念イベントや企画を予定しています。詳細は特設Webサイトで順次発表します。

校友ネットワークは早稲田の「財産」

――今後、本学が発展していくために、大学と校友会でどのように連携を取っていくべきでしょうか。

本多 校友会のネットワークをさらに校友の皆さんに利用していただくために、協力して取り組んでいきたいです。校友会100周年の時、稲門会の数は約550くらいでした。そこから活動を強化し、25年後の125周年には約1,300まで増えました。これは目覚ましい発展です。まだ学生の頃は、校友会のことを「卒業生が昔を懐かしがっている会」としか思わないかもしれません。しかし、社会に出てからその存在意義に気付くでしょう。就職して転勤すると、当初その地でのネットワークを作るのはなかなか難しい。しかし、海外も含め、転勤先の近くには稲門会があるはずです。ぜひ活用していただき、さまざまな世代の校友と幅広い情報交換を行ってもらいたいです。

福田 今はメールで簡単に連絡が取れる時代ですからね。また、在学中にも校友ネットワークを生かしていただけるように働きかけていかねばならないと思います。就職活動のOB・OG訪問、留学時に海外の校友会のネットワークを活用することにより、特に早大生であるメリットを感じられるでしょう。校友ネットワークは大学の決算書には出てこない大切な価値ある「財産」です。これをもっと在学生に見える形にしていきたいと考えています。

本多 校友にも在学生にも、本学の情報をさらに提供する必要性も感じています。例えば、現在、全校友を対象に毎年秋発行している広報紙『西北の風』や、校友会発行のコミュニケーション誌『早稲田学報』を通して発信していくのも一つの方法です。校友ネットワークの価値を伝えていけば、次の世代のネットワーク構築に一役買ってくれるはずです。つまり「親善大使」のように、校友の皆さん自らが本学の良さを伝えてくれるということ。そうなっていただけるように私たちは努力していかねばなりません。

 大学の本来の事業は教育・研究活動です。しかし、私立大学である本学は、それだけでは真の発展は望めません。大学が校友と連携してできる教育的社会貢献活動は数多くあります。もっと大学側の意識を高めたいですね。海外の大学には、校友をイコールパートナーとして「国の将来のために永続的に人材を輩出していかねばならない」という共通認識とシステムが日本以上に定着しているように感じます。私たちも「大学、学生、校友、父母がタッグを組み、全員で早稲田を発展させていこう」という意識をこれまで以上に醸成していかねばなりません。

福田 私は校友会代表幹事だけでなく、大学の理事も兼任しています。就任してから、理事会に所属する方々が本当に一生懸命大学の発展に取り組んでいることが分かり、感動しました。私たち校友会もその思いを同じくしていかねばなりません。大隈さんは本学を創立しただけでなく、校友会活動にも力を入れました。他の大学とは結び付きの強さが違います。

 本学の校友は愛校心が深い人が多く、私もそのうちの一人です。校友であることを心から誇りに思っています。これからも本学出身であることを誇りに思う校友を輩出し、活動の面からも財政の面からも支援者が増えるよう、大学と校友会で一層連携の強化に取り組んでいきましょう。

校友会事業3つの柱

 校友会は、校友の親睦を深め、母校・後輩を力強く支援するとともに、会員の人生を応援するサービスの充実に努めています。事業は大きく分けて3つあります。

『早稲田学報』。本学が輩出した人材の豊かさを改めて知ることができます

  • (1)「校友の人生を応援する」
    一例として、校友を元気にするコミュニケーション誌『早稲田学報』の発行があります。年6回発行で、早稲田魂を揺さぶる話題が満載です。
  • (2)「母校・在学生を力強く支援する」
    地方性を重視して、経済的援助が必要な学生を奨学金で支援。その他にも各種寄付講座やキャリア支援、「早稲田大学図書館指定寄付」といった寄付金により母校を応援しています。
  • (3)「人脈を築き、親睦を深める」」
    中心事業は、同窓会の活動支援。登録稲門会には、大学資料送付や広報活動の協力などの支援を行っています。また、毎年本学の創立記念日(10月21日)に近い日曜日には、ホームカミングデーとともに「稲門祭」を開催しています。