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キャンパスナウ

▼錦秋号

SPECIAL REPORT
Part.3

生徒と向き合う教育の現場から

~各校の取り組みに見る早稲田の多様性と強み~

 本学が目指す附属・系属校の積極展開の意義は、各校の多様性と位置づけを再認識することにあります。 日々、生徒と向き合う各校の先生に、特色ある取り組み、育てたい人材像などについて聞きました。

早稲田大学本庄高等学院

生徒自身の手による学術交流
違いを超えて共に学び、成果を創りあげる喜びを経験

模擬裁判の様子

 高校時代に学校や国の枠を越えて交流を行うことは、人の輪と学びの場が広く世界に開かれていることを実感し、大学での探求の機会を自ら切り拓く貴重な経験となります。

 本庄高等学院は創立以来、北京大学附属中学(中国)と全校的な交流を重ね、近年は国立台中第一高級中学(台湾)、安養外国語高校(韓国)などアジア各校と交流協定を結び、修学旅行での相互訪問を行っています。

アジア各校との交流協定をもとに相互訪問をしている修学旅行で

 交流の核となるのは、生徒による共同研究や学術発表・研修です。現在、National Junior College(シンガポール)と菌類の長期研究を進めており、インドネシアの高校生とは共同プロジェクトの成果発表を毎年重ねています。国内では、慶應義塾湘南藤沢高等部とお互いの卒業論文報告会で発表者を招きあい、模擬裁判などの研修企画も交流相手を広げて展開しています。

 交流行事の準備・運営は、生徒自らが行います。企画を充実させるため、学内外のパートナーと共に知恵を絞ること自体が、知識を生きる力へと変換し身につける貴重な交流活動です。

学院長:山崎芳男(理工学術院教授)
〒367-0035 埼玉県本庄市西富田1136
TEL:0495-21-2400
E-mail:honjosh@list.waseda.jp
http://www.waseda.jp/honjo/honjo/

早稲田実業学校

40年余り前から続く「校外教室」
創造性豊かな人材を育てる12年一貫教育を

高等部2年次の校外教室で

 本校では、総合的な学習の時間として中等部2、3年次、高等部2年次に3泊4日の「校外教室」を行います。1968年から続く伝統ある行事で、自然や文化に触れ、地域との交流を通じ、知的好奇心と創造性を育むことを目的としています。高等部2年次の「校外教室」では、現地の方への取材を含めたフィールドワークを実施。生徒は自らテーマを設定、事前学習、研究発表、レポート作成を通じ、論文をまとめ、人に伝える技術の基礎を身に付けます。「校外教室」の意義は、初等部の教育方針にも活かされています。

初等部との交流も盛ん。初等部2年生に読み聞かせ

 また、初等部から大学までの一貫教育を実現した本校では、結果を得るためだけの学力でなく、教員のパーソナリティを活かした学習の機会を得られます。中等部、高等部段階からの入試入学者がいるので、全員を混合クラスにすることで、生徒たちが新しい刺激を受け、常に切磋琢磨できる環境であることも本校の特色と言えます。

 こうした早稲田実業学校での12年を通じ、思考力に富み、一つの枠にはまることのない人材を育成したいと考えています。

中・高等部校長:渡邉重範(教育・総合科学学術院教授)
初等部校長:多宇邦雄
〒185-8505 東京都国分寺市本町1-2-1
中・高等部 TEL:042-300-2121(代)
初等部 TEL:042-300-2171(代)
E-mail:webmaster@asedajg.ed.jp
http://www.wasedajg.ed.jp/

早稲田中学校・高等学校

第一志望主義!
視野を広げ自ら道を選び取る

中学1年生の林間学校

 早稲田中学校・高等学校は、大隈重信の教育理念「人格の独立」に基づき、卒業して20~30年後に、リーダーとして社会で活躍できる人材となるための教育を行っています。6年間にわたる中高一貫教育は、中1と中2を生活習慣と学習の基礎を固める時期、中3と高1を実力養成時期、高2と高3を応用力完成時期と位置づけています。生徒の半数が外部受験し、国公立大学や医学部への進学実績がありますが、それはあくまでも将来にわたって生かせる学力を確実に身につけさせることを目指した結果として、生徒が第一志望の進路を手にしたということです。

興風祭における一コマ

 また、教科だけでなく、林間学校や一流のオペラ鑑賞をはじめとする充実した教科外活動や、ほとんどの生徒が参加しているクラブ活動での先輩後輩の交流によって、豊かな人間性が養われています。

 “鉄は熱いうちに打て”と言うように、吸収力のある6年間に、さまざまな機会を与えて視野を広げ、生徒たちが本当に進みたい道を考え、選び取ってくれることを願っています。

校長:紙屋敦之(文学学術院教授)
〒162-8654 東京都新宿区馬場下町62
TEL:03-3202-7674
FAX:03-3202-7692
http://www.waseda-h.ed.jp/

早稲田渋谷シンガポール校

物事を多角的に見る力を養う
異文化理解教育

イスラム学習の一貫として訪問したアラブ人街の、サルタンモスク

 早稲田渋谷シンガポール校の活動目標は「継続性のある現地との触れ合い」をする機会を生徒に提供し日本とシンガポール双方の文化に対して理解を深めることです。このために年間20以上の異文化理解行事を企画しています。例えば、現地校の協力を得て、ホームステイの企画や、体験入学を実施し、同年代の人たちとの異文化交流を奨励。また、シンガポール国立大学や経営大学において大学授業参観をするだけでなく、日本語授業アシスタントも実施し現地社会への貢献もしています。さらに、多民族国家であるのを活かして、マレー系、インド系、プラナカン系など多くの文化理解活動も行っています。

デイパバリ(光の祭典=ヒンドゥー系の正月)に合わせ、ヒンドゥー教のスリ・ヴィラマカリアンマン寺院を訪れました

 このような活動を通して、現在は60%以上の生徒が現地に友人を作り、卒業後も彼らとの交流を続けています。高校三年間という多感な時期に多種多様な価値観に触れることで、大学入学後に物事を多角的にみる一助となればと思っています。

校長:小口彦太(法学学術院教授)
57WEST COAST ROAD, SINGAPORE 127366
TEL:010-800-6771-8118(日本国内から通話料無料)
E-mail:admission@waseda-sihibuya.edu.sg
http://www.waseda-shibuya.edu.sg/