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SPECIAL REPORT
Part.4 学部長が語る

各学部の教育方針と重点取組の概要

 「教育の早稲田」を目指した動きは、オープン教育等の全学的仕組みの改革だけではありません。13ある学部それぞれが、その教育力の強化のため、それぞれの理念・方針に基づいて新たな取組をスタートしています。各学部長からのメッセージをお伝えします。

from WASEDA MESSAGE   政治経済学部
  政治経済学部長 飯島昇藏 政治経済学部は、政治学と経済学、すなわち「社会の動きを分析し、その分析に基づきさまざまな政策提言を行うための基礎となる社会科学」を研究教育する学部です。2004年度には「政治学科」、「経済学科」に加えて「国際政治経済学科」を創設し、グローバルな政治経済に関する諸問題に柔軟かつ果敢に立ち向かう人材を育成する理念を学部全体として具現化しました。

 また、2009年度にはカリキュラムの大幅な見直しに着手し、科目の一層の体系的充実とともに外国語教育の標準化、少人数によるきめ細やかな教育の確立、そしてセメスター制の推進を図りました。とりわけ18名以下の授業において大学で学ぶ姿勢を徹底的に鍛える「総合基礎演習」は、学部教育の特徴の一つとして根ざすことが期待されます。
   
法学部   文化構想学部
法学部長 上村達男 法学部は、日本の社会が切実に求めている法的センスのある人材を幅広く育成することを目標としていますが、それを可能とするのは研究水準の高さです。

 日本の法律学の新たな創造を掲げて採択された大型研究拠点のグローバルCOEと比較法研究所、そしてそうした厚みを背景とする研究者養成(大学院法学研究科)と法曹養成(大学院法務研究科)、これらの5つの法学系機関の総合力こそが、早稲田大学法学部を取り巻く他を圧する最良の環境です。

 法の背景にある社会の本質を捉え、世界に通用する知見を海外に発信できる語学力を身につけることで、日本を主張できる人材の育成を目指します。
  文化構想学部長 大日方純夫 文化学の叡智を現代の課題で照らし、学問領域を大胆に乗り超えて新しい学びを創造します。専門は論系と呼ばれる6つの領域に分かれます。流動性・融合性に着目して地域文化を研究する多元文化論系、地域や時代を超えて文化の構造を考究する複合文化論系、メディア・身体・イメージから表象文化を分析する表象・メディア論系、文芸創作に関わる専門教育を展開する文芸・ジャーナリズム論系、現代人間の営みを多彩な学問・方法を用いて考究する現代人間論系、現代の問題点を歴史的に捉え新たな社会の構築を模索する社会構築論系です。

 700以上の多種多様な講義科目で知的興奮に満ちた学びと出会い、ゼミ・演習から編成されるプログラムで系統的かつ領域横断的に学んで、新たな文化を構想します。
   
文学部   教育学部
文学部長 大日方純夫 文学部120年の歴史が育んだ伝統的な学問体系をより洗練化し、時代に即しながらもその波にのまれることのない確固たる学問を確立します。専門は学問の継承と発展をはかる17のコースから編成されます。人間と世界を深く探る哲学・東洋哲学・心理学・社会学・教育学、言語・文学・文化の本質を解明する日本語日本文学・中国語中国文学・英文学・フランス語フランス文学・ドイツ語ドイツ文学・ロシア語ロシア文学、表現・芸術に学問的に迫る演劇映像・美術史、人間と社会を歴史的に究明する日本史・アジア史・西洋史・考古学、の各コースです。

 700以上の多種多様な講義科目で奥深い学問の世界と出会い、各分野を網羅する充実した演習と専門講義で古典に取り組み、先端的な研究にも目を向けます。
  教育学部長 神尾達之 教育学部は、大学院・研究所を含む教育・総合科学学術院の中核をなします。この名称が示すように、《教育》と《総合科学》が二つの教育方針です。

 (1)教員養成、(2)地域や家庭など広義の教育分野で活躍できる人材の育成、(3)実社会において周囲の人々に必要な情報を、適切な形で、心に定着するように伝えることができる人材を育てること、この三つが《教育》の意味です。

 また、タテ割りの組織や発想が崩れていく社会に出ていく学生が、(1)理系と文系と共在している本学部で、いちはやく両方の思考法に親しみ、(2)第一線で活躍している教員による授業を受けることで最先端の知見にも触れること、つまり水平に脱領域化すると同時に垂直に深化させること、つづめて言えば「ひろくふかく」が《総合科学》的な教育の目的です。
   
商学部   基幹理工学部
商学部長 恩藏直人 商学部教育の特徴の一つはセメスター制度です。これは、一つの学年を春学期と秋学期の二つに分け、各々の学期で一つの授業が完結するという制度です。学生にとっては、多様な学問を集中的かつ効果的に学ぶことができるだけでなく、学年のスタートが異なる海外への留学にも有利に働きます。

 商学学術院は研究型大学院と社会人大学院(MBA)を有しています。前者との連携により、成績優秀者は学部3年半、大学院1年半の計5年で修士号を取得することが可能です。後者との関係では、教育と研究の連携を通じて実務界で求められる高度なビジネス教育を提供することができます。

 商学部の教職員一同は、学生が高い満足を享受しうるよう取り組んでいます。
  基幹理工学部長 河合素直 今までの社会の枠組みが、世界的規模で大きな音をたてて崩れ始めたといっても過言ではない時代を迎えました。「このような時代状況の中で求められる大学教育は?」また「大学で何を学ぶべきか?」という問いに、改めて考えることが求められています。

 この課題を考えるとき、社会が「量の拡大を求める時代」から「質を問う時代」へと確実に変わりつつあるのと同じように、大学教育も創造的な思考ができ、新しい時代を切り拓く若者の育成という質に重点を置いた方向に軸足を移さなければならないと考えることができます。

 基幹理工学部では、このような観点から、新しい価値観の創造、新しい社会の創造を担う若者の育成を目指しています。
   
創造理工学部   先進理工学部
創造理工学部長 山川宏―ヒューマン、生活、環境のキーワードの下に21世紀の新たな工学の創成を目指す学部―

 創造理工学部・研究科ではヒューマン、生活をキーワードに人間・生活者の内側の視点から、一方、環境をキーワードに地球規模のグローバルな視点から新たな21世紀の工学の創成を目指し、教育や研究を展開しています。工学系の5つの専門学科教育・研究の展開に加えて文化系の2つの領域とともに人間の幅が広がる「文理融合型教育・研究」をも展開しています。

 具体的にはヒューマン・生活・環境を常に視野に入れた倫理感を有する高度な国際的技術者や研究者の養成を目指しております。学生・教員の積極的な留学や研究等を通して国内や海外の大学・研究機関と理工キャンパスにおける教育・研究の融合的な展開を行っております。
  先進理工学部長 石山敦士 先進理工学部は、自然科学を基礎として、理学・工学・生命科学・医学分野における先端科学技術の進展とそれらの学際的新領域の創成を目指した先進的な学部です。

 1年次から専門学科に所属し、低学年の間は各自の軸足となる基礎学力をしっかりと習得するとともに、講義や実験を通じてそれぞれの学問分野の専門家としてのセンスや思考方法を学んでいきます。

 高学年・大学院には、学科・専攻の壁を越えた最新の学術分野を学ぶことのできる「先進融合クラスター制度」があります。異なる分野の物の見方や考え方に触れることは、多面的に物事を捉え、創造的な仕事をしていくための貴重な経験になると思いますので、是非この制度を活用してください。
   
社会科学部   人間科学部
社会科学部長 多賀秀敏 より一層の学際化、社会化、国際化の推進を目標に掲げています。講義、演習、実習をバランスよく配置して、1、2年では社会科学全般の基礎を、3、4年では、高度な先進専門科目や学際科目を履修して、エクスパートとしても、ジェネラリストとしても、活躍できる「人物」を育成します。第二外国語の必修、英語による講義の提供などを通じて、国際的な活躍の舞台を切り開いていこうと思います。卒業後の有力な進路のひとつである、大学院の充実を図り進路の多様化、人生の深化を目指します。蓬生麻中、不扶而直*。教員・職員・学生の皆が、持てる力を発揮して、共育、協生の場でありたいと願っています。2009年度から完全昼間部に移行して、今、世界中でもっとも熱い学部です。

*蓬(よもぎ)も麻中に生ずれば、たすけずして直し(荀子)
  人間科学部長 齋藤美穂 人間科学部はwell-being(より良く生きること)の追求という理念の実現を目指し、教育方針の核には「調和と均衡」の概念を取り入れています。カリキュラムでは、文系の視点のみならず理系の方法論の習得や、座学での理論のみならず学校や病院などのフィールドにおける実践的な学習にも、調和と均衡が具現化されています。また、統計学の必修化、初年次における健康教育やキャリア教育、e-learningを用いた協調的な学習なども積極的に取り入れ、社会で即戦力となる問題解決能力の育成に力を入れています。「豊富な知識に裏打ちされた、心豊かで思いやりのある人間」として人類の幸福に貢献する人材の育成を目指しています。
   
スポーツ科学部   国際教養学部
スポーツ科学部長 村岡功 スポーツ科学部は、スポーツ科学における日本一の教育・研究機関を目指して創設されました。その実現のためには、教育の充実と研究面での飛躍が重要であると考えています。教育の充実のために、一年次の導入教育を徹底するとともに二年次以降の専門教育の充実を図ることにしています。また、これまでもチュートリアル英語を必修にするとともに、スポーツ英語、海外プログラムや海外でのインターンシップを導入してきましたが、今後も、外国人留学生の積極的な受け入れを初めとして、より一層の国際化に向けた取り組みを行う予定でいます。高い教養、国際力、専門性を兼ね備えた有為な人材の育成、それがスポーツ科学部の目標です。   国際教養学部長 スノードン ポール 国際教養学部(SILS) は6年目を新11号館でスタート“。multi-”で始まる英単語を使って、基本を説明しましょう。(1)Multinational 学生の3分の1が海外から。近くの韓国、遠くのウガンダやアイスランドの出身者がすでにSILSで勉強中。日本の生活・文化を体験できるし、日本人学生には他文化の知識を。Multiculturalと言い換えてもOK。(2)Multilingual 留学生が多いので、授業は英語で。日本人学生には海外留学が必修なので、いい準備にもなるし、留学生と一緒に勉強する機会で重要。留学生にはもちろん、日本語を教えます。更にもう一つ外国語の取得を進めている結果、理想的な卒業生は3ヶ国語以上できるでしょう。(3)Multidisciplinary 難しそうな英語で、「学際的」の意味。SILSでは最初から一つの専門ではなく、「教養教育」を提供。七つの科目群から幅広く勉強するのが大事な特徴。変化の多い現代社会では将来の道(就職、進学、国際社会での活躍)に役立ちます。