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SPECIAL REPORT

Waseda Next125 “教育の早稲田”グランドデザイン

 早稲田大学が目指すべき将来像の実現に向けて策定された中長期計画「Waseda Next 125」の中でも、特に重点が置かれているのが「『教育の早稲田』の充実」という課題です。
その全体像をお伝えするとともに、推進事業のひとつ、オープン教育センターのプログラム内容を中心にレポートします。

Part.1 - Interview

早稲田の教育は、世界に貢献するために進化し続けています

白井 克彦/早稲田大学総長

世界のフィールドで力を発揮できる人材を育成

白井 克彦(しらい・かつひこ)早稲田大学総長 略歴はこちらから

 本学は2007年の創立125周年を迎えるにあたり、「早稲田」から「WASEDA」へ、アジア太平洋地域を中心としたグローバルユニバーシティ「WASEDA」の構築を掲げました。その柱のひとつとして、世界に貢献できる人材を育成するために「教育の早稲田」の充実を図っています。

 「教育の早稲田」のための最大の課題は国際化です。留学生の受け入れ体制の整備はもちろん、日本人の学生にも留学生と机を並べて学び、交流することによって、国際感覚や世界的な人脈を形成できるような教育環境を整備しています。

 また、ダブルディグリープログラム*など、国内外の大学と連携した開かれた大学を目指しています。ヨーロッパでは、OECDやユネスコが中心になって、学生が国を行き来して自由に学べるように各大学の水準を合わせ、教育の質を保証していますが、そうした世界の動きにも対応していきます。すでに国際教養学部をはじめ、政治経済学部や理工学部でも英語による講義が始まり、国際化が進んでいます。この流れは全学部に共通しています。

 さらに、世界で通用する研究者を育成するためには、学部段階から物事を突き詰めて考える訓練をすることが必要です。最近の学生は以前よりは勉強するようになりましたが、海外の学生に比べるとまだまだ甘い。研究者にならなくとも、あらゆる仕事でオリジナリティを発揮するためには、知識だけではなく、自分自身で能動的に考え行動する力が求められています。

* 相手校への留学を通じ、卒業時に早稲田大学の学位と海外派遣先大学の学位を取得できる教育プログラム

大学で学び、社会で活躍する、そのための力をサポート

 大学進学率が約50%となり大学の大衆化が進むなか、学生の基礎力に幅が生じています。本学では全学基盤教育として、いわゆる基礎学力ではなく、大学で学ぶために必要な能力の習得に注力しています。具体的には、世界の人々とコミュニケートするための英語力、学術的文章を書くための日本語力、社会科学などの文系の学問を学ぶ上でも役立つ数学力を強化する講座を用意しています。文章を書く、数理的な能力を磨くということは、論理的思考力を鍛えることにもなるのです。

 一方、学部教育の大きな課題として、4年次をどう過ごすかということがあります。就職活動は3 年次の後期から始まり、多くの学生は4年次になると就職も決まり、卒業必要単位もほとんど取ってしまっている。最後の1年間でさらに能力を伸ばして付加価値をつけるために、大学として何をすべきなのか。就職後に役立つ実務的な授業を提供したり、見聞を広げるために海外経験の機会を与えたりすることなどがアイデアとして挙がっています。

より自由度の高いカリキュラムへ、支える仕組みを検討中

 学部ごとのカリキュラムは固定されていますが、オープン教育センターには学部の枠を超えた3,000以上の講座が用意され、興味の赴くままに知的好奇心を満たすことができ、副専攻とすることもできます。領域横断的に学ぶこと、教えることは、学生・教員双方にとって刺激的なことです。

 また、学期制のあり方も課題です。4月始まりの日本の大学は、9月始まりが主流の海外の大学と行き来することが難しいのが現状です。また本学でも、授業期間が2学期制で固定化しているため、海外のサマースクールなどに参加しにくい。集中的に単位を取得できるクォーター制(4学期制)の導入などによって、2~3カ月や半年日本を離れて海外に行くことを可能にするなど、時間を有効に使うことのできる仕組みを検討しています。

早稲田の最大の強みは濃密で楽しい学生生活

 各学部でもそれぞれの専門性を向上するとともに国際化に対応した取り組みが行われ、充実した学部教育を提供しています。その教育レベルや体制は、日本の総合大学では随一と自負しています。特に国際化については群を抜くと、海外の大学からも評価されています。なにより早稲田の一番の魅力は、キャンパスに活気があり、刺激を与えてくれる仲間がいて、濃密で楽しい学生生活を謳歌できること。自由を重んじる伝統と、知を保証する確固たるシステムとのバランスではないでしょうか。

白井 克彦(しらい・かつひこ)/早稲田大学総長

63年早稲田大学理工学部電気工学科卒。同大学院理工学研究科修士課程、博士課程を経て、73年工学博士(早稲田大学)。65年早稲田大学第一理工学部助手、68年専任講師、70年助教授、75年教授。専門分野は知能情報学。事務システムセンター所長、教務部長、国際交流センター所長、常任理事を歴任し、02年より現職。