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キャンパスナウ

▼5月号

SPECIAL REPORT
米田 達哉

米田 達哉(まいた・たつや)さん 略歴はこちらから

グローバル企業から見た大学の国際化

挑戦し、学ぶ姿勢が可能性を開く

米田 達哉さん/日産自動車株式会社 人事部 人事企画グループ

グローバル企業は世界を舞台に活躍するための能力についてどうとらえているのでしょうか? そして、そこで期待される大学の役割とは? 世界各地に拠点をもつ日産自動車株式会社人事部人事企画グループの米田達哉さんにお話をおうかがいしました。

ダイバーシティへの理解・共感

──日産自動車さんにとって、世界で活躍する人財(※1)とはどのようなものでしょうか。

 私たちは海外にたくさんの拠点をもっています。しかし、それは日産が日本企業として海外事業を行うという考え方ではなく、あくまでもグローバル企業として事業を推進するという考えに基づいています。たとえば現地に優秀な方がいれば、当然その方がリーダーとなる。“日本人が前提”という感覚を払拭できなければ、真のグローバル企業とはいえません。

 特にこの意識を持つべきなのは日本で働く日本人社員です。外国籍の方がいる職場も増えていますが、まだ一部。その中でも、国籍に関係なく能力の高い人を評価する感覚をもてなければ、会社全体としてグローバルになったとはいえません。日産では社員の意識改革のために、「ダイバーシティ(※2)・ディベロップメント・オフィス」を2004年に立ち上げ、取り組みを進めてきました。この流れを理解し共感できることが、世界を舞台に活躍できる人の第一条件ではないでしょうか。

──ダイバーシティに取り組んだきっかけは何ですか?

 日産にはもともと、異なる価値観・文化を持つ人財が健全な議論を行うことで、個々人の能力を高めることができるという考えがあります。ダイバーシティはその表れのひとつ。ダイバーシティを進める中で、企業力を高められると考えています。

挑戦し、学習する姿勢のサポートを

──異なる価値観・文化の方と仕事をしていくために必要な能力とは何でしょうか。たとえば語学力はよく言われるところですが。

 日産では、会議に外国人が一人でも加われば英語を使います。また、海外出張、海外とのテレビ会議など、語学力が要求される場面は日常的にあります。英語ができれば、それだけチャンスを広げることができます。

 ただし、それがすべてではありません。一番大切なのは、挑戦し、その中で学習する姿勢です。そういう気持ちがある人であれば、言語や文化の違いがある相手との仕事でも、謙虚に学び、結果を出せるはずです。

──挑戦できる人材を育成するために、大学に求められることは何でしょうか?

 勉強でもクラブでも、何かひとつ学生時代にこだわって挑戦してきた学生の方には力強い印象を受けます。成果が成功体験になり、たとえ成果が出なかったとしても、やり抜いた経験が自信になっているんです。大学には、学生の皆さんが自由に挑戦できるような環境づくりをしていただければ、と思います。

 また、国際的な感覚を身につけるには実際に外国籍の方がいる中で勉強するのが一番。海外から多様な人財を受け入れている大学は、それだけで価値があると思います。

(※1)日産自動車では人は会社の財産であるという考えから「人材」でなく「人財」という言葉を使っています
(※2)社員一人ひとりが持つ違い(性別・国籍・年齢等)を受け入れ、組織を活性化させる価値として活かそうという考え方

米田 達哉(まいた・たつや)さん/日産自動車株式会社 人事部 人事企画グループ

他業界にて人事・労務業務を経験した後、2003年に日産自動車(株)に入社。栃木工場にて、生産部門人事・労務業務を経験。2005年から現部署にてグローバルな人事戦略構築を担当している。