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キャンパスナウ

▼2017 錦秋号

Rising Star―挑戦者たち―

学生生活を通して得た視点や能力を生かし、最前線で活躍する学生と校友を紹介します。
今回は文学部3年の赤塚みちるさんと、株式会社上毛新聞社の和田亮介さんに、大学での学びや経験、社会とのつながりを語っていただきました。

卒業生

今の「好き」を大切に。その積み重ねが未来をつくる

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和田亮介さん/上毛新聞社 編集局報道部

 経済分野の取材を担当する群馬県・上毛新聞社の記者・和田亮介さんは、同県出身の“Uターン就職者”だ。取材記者、広告営業や記事のレイアウトなどさまざまな仕事を経験して12年。「働き始めた時には『いずれはまた地元を離れる』と考えていたくらいなので、やってみないとわからないことばかりですね」と振り返る。

 もともとマスコミの仕事に興味を持っていた和田さんは、「全国から学生が集まる大学で、自由に幅広い分野を学びたい」と社会科学部に入学した。国際関係論のゼミで北朝鮮を専門に研究し、国際政治を学ぶ学生が集まる「十大学合同セミナー」では、住む土地や学校の違う多様な学生と意見を交わした。ゼミ担当の大畠英樹教授(当時)に教わった「みんなが左を向いているときに、右を向く勇気を持て」という言葉は「大衆の意見や感情に流されないという意味で、今でも仕事のスタンスとして心に留めている」という。

 マスコミ志望をはっきりと意識したのは、就職活動の終盤。あるメーカーから内定をもらった時に「これでいいのか?」と立ち止まった。「好奇心の強い私には、毎日違う仕事をするマスコミの仕事の方が合っている。より自分がやりたいことに挑戦しようと思いました」。大学にもう1年とどまることを決め、マスコミへの就職を目指して就職活動をやり直した。その翌年、唯一の地方企業として志望した上毛新聞社に見事内定。「上京した時とは違い、今、地元に戻ったら新たな発見ができるかもしれない」と、Uターン就職を決めた。

「十大学合同セミナー」にて。他大学の学生とも意見を交わし、共同論文を作成した(写真中央が和田さん)

 勝手知ったる故郷だと思っていた群馬県は、取材してみると知らないことばかり。地元高校野球部の甲子園出場や、東日本大震災の被害、取材する度に新しい発見があった。一方で、「早稲田での経験があったから、群馬県のことを、地元でありながらよそ者の視点でも俯瞰できるようになった」と和田さん。一度故郷を離れ、大学で出会った多様な友人から他の地域の話を聞いたことで視野が広がったからだ。「『地元紙だから郷土愛一色』というのではなく、外からの視点を入れなければ、読者が求める質の高い記事にはならない。そこに自分の経験が役立つということも、Uターン就職して初めてわかりました」

 働くうちに、入社当初の「また地元を離れる」という思いは薄れ、今や「群馬を拠点に仕事を続けたい」と望むまでになった。「未来はやってみないとわからない。だからこれからも、今、夢中になれることにフォーカスしたいです。今は、群馬を拠点に、読者にとって求められる新聞の形を追求すること。夢中ならば自然と力を尽くせるし、何より楽しいですよね」

和田亮介(わだ・りょうすけ)さん/上毛新聞社 編集局報道部

2005年社会科学部卒業。同年、株式会社上毛新聞社入社。広告局で広告営業、広告執筆を経験後、2009年に編集局運動部。太田支局、編集部を経て、2017年から現職。2児の父で、休日は長男が今年始めたラグビーの練習についていく。故郷での子育ては「豊かな自然と親族の存在があるので、家族にとって最適な環境。戻ってきてよかったと思う最大のポイントでもあります」