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キャンパスナウ

▼盛夏号

早稲田再発見


表紙写真: 佐藤洋一(社会科学総合学術院教授)

cover story 表紙のお話

学生の憩いの場、大隈の愛した緑

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立ち並ぶ校舎と往来する学生で過密気味の早稲田キャンパスを抜けて、大隈記念講堂前の広場を横切った先にポッカリ広がる緑の空間が、ここ大隈庭園です。

昼休みともなれば、敷石の小径が延びる芝生や木陰のそこかしこに学生たちの輪ができます。

もともとは高松藩主松平讃岐守の下屋敷の名園。

江戸の面影を残す和様四条家風の作庭であったものを、ここに居を構えた大隈重信が、自然を生かした文人風の和洋庭園に改造したものです。

広大な芝生の遠景に築山、池、小さな滝を配し、数々の木々に自然石を据えたその造形は、「極めて曲折の多い廣濶な……実に都下屈指の名園」(1910年『名園五十種』)と讃えられました。

大隈は園芸に興味を持ち、庭内の大温室に世界の蘭数十種を集め、メロンを栽培して来客にふるまい、花壇に菊花数百種を育てて、広く学生や市民の観賞にも供したとのことです。

大隈の没後、その遺志により邸宅とともに大学に寄贈された庭園は、終戦の年の空襲で灰燼に。

その後、大学の努力と校友の尽力などにより今の姿に復旧、整備され、戦火をのがれた大隈手植えのクスノキもそよぐ風に葉を揺らしています。