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▼2017 盛夏号

NEWS REPORT

世界初・染色体の新しい構造ユニットの特殊な立体構造を解明

癌をターゲットとした創薬研究に重要な基盤情報を提供

本研究成果は、米国科学誌『Science』に2017年4月14日(現地時間)に掲載されました

 理工学術院の胡桃坂仁志教授の研究グループは、広島大学、横浜市立大学、九州大学、量子科学技術研究開発機構、京都大学と共同で、染色体の新規の構造ユニット「オーバーラッピングダイヌクレオソーム」の特殊な立体構造を世界で初めて明らかにしました。本研究グループは、試験管内でヒトのオーバーラッピングダイヌクレオソームを高純度かつ大量に精製し、結晶化する手法を開発。さらにその結晶を用いて、大型放射光施設であるスプリング8におけるX線回折実験を行うことで、立体構造を原子分解能で明らかにしました。

 オーバーラッピングダイヌクレオソームの形成不全と細胞の癌化との関連を示唆する先行研究もあり、今回の研究成果は、癌をターゲットとした創薬研究に対しても重要な基盤情報を提供しています。