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▼2015 早春号

NEWS REPORT

精神・神経疾患の病態の解明に寄与

シナプスのスパイン密度を制御する仕組みの一端を解明

変異マウスにおける空間学習の障害

 大島登志男理工学術院教授の研究グループは、脳内で神経細胞が情報伝達するために必要なシナプス(神経細胞同士のつなぎ目)と、その一部であり神経伝達物質を受け取る役割を担うスパイン(神経細胞の樹状突起にあるとげ状の構造物)の仕組みにおいて、スパイン形成に関与しているタンパク質であるサイクリン依存性キナーゼ5(以下、Cdk5)に注目し、Cdk5がスパインの形成・維持に必要であること※1と、Cdk5の機能低下がシナプス伝達効率の低下と記憶・学習機能の低下を招くこと※2を明らかにしました。

 統合失調症などの精神神経疾患ではスパイン密度の低下が認められており、正常な高次脳機能にとってはスパインが適切に形成され、一定の密度で維持されることが重要とされています。神経シナプスのスパイン密度を制御する仕組みの一端が明らかになったことで、精神・神経疾患の病態の解明が進展することが期待されます。

  • ※1: 本研究成果は、英国専門誌「Cerebral Cortex」のオンライン版に11月17日、掲載されました。
    Cyclin-Dependent Kinase 5 Regulates DendriticSpine Formation and Maintenance of CorticalNeuron in the Mouse Brain
  • ※2: 本研究成果は、理化学研究所脳科学総合研究センター行動遺伝学技術開発チームとの共同研究によるもので、オープンアクセス雑誌「Molecular Brain」のオンライン版に11月18日、掲載されました。
    Cdk5/p35 functions as a crucial regulator of spatial learning and memory