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キャンパスナウ

▼2014 新緑号

NEWS REPORT

シリーズ最終回も名品揃いの展観に

六世中村歌右衛門展―花とゆめをわすれぬこと―

『京鹿子娘道成寺』
(昭和26年4月歌舞伎座)

『切支丹道成寺』朝子の裲襠

 2005年以来、年度末の恒例であった「六世中村歌右衛門展」。2014年も3月25日~4月25日、演劇博物館 六世中村歌右衛門記念特別展示室にて開催されました。女形として、戦後歌舞伎の頂点に君臨する名優であった六世中村歌右衛門(1917 ~2001年)は、その当たり役の多さ、父五世からの役々の継承、新作から復活狂言に至る活躍の幅広さ、熱狂的に支持したファン層の広さなど、実に多彩かつ多様な観点から捉えることができます。

 中村歌右衛門家と演劇博物館は、父・五世歌右衛門と演劇博物館創立者の坪内逍遙の時代から長きにわたって縁が深く、六世歌右衛門も生涯を通じてその縁故を大切にしました。演劇博物館の70周年を機に整備された「六世中村歌右衛門記念特別展示室」は、1994年の第一回早稲田大学坪内逍遙大賞授賞のために来館した歌右衛門が、休憩室として用いた部屋であるというゆかりがあります。また父同様、自身が愛蔵してきた数多くの資料を惜しみなく演劇博物館に寄贈されました。それらは代表作「娘道成寺」特注の小道具から、「籠釣瓶」八ツ橋の衣裳、谷崎潤一郎や三島由紀夫の書簡、さらにはアメリカ公演の際、女優グレタ・ガルボから贈られた「LOVE LOVELOVE」と記された電報、モナコ公国妃グレース・ケリーから贈られた切手帳など多岐にわたっており、早稲田大学は歌右衛門の功績に芸術功労者として表彰を行っています。

 10回目を迎える今回はひとまずのシリーズ中仕切りとして、これまでの展示を振り返りながら、改めて歴史を辿る数々の名品を公開。新たに中村梅玉丈から贈られたアルバムをはじめとする新収品の展示もあり、十回の集大成の名にふさわしい名品揃いで名女形の足跡をしのびました。