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キャンパスナウ

▼2014 新緑号

NEWS REPORT

科学・技術による社会貢献

最先端の研究成果を報告

内視鏡手術中、鉗子を透明化する
可視化技術を開発

可視化した映像。
右の鉗子が透けて下の術部が見える

 理工学術院の藤江正克教授、小林洋研究院准教授らは、九州大学先端医工学診療部、九州大学病院小児科と共同で、内視鏡手術の際に鉗子の死角となる領域を可視化する技術を開発しました。

 開発した技術は、手術中に内視鏡カメラとは別のもう1台のカメラを挿入し、鉗子の下側から術部を撮影することで、その映像を上側の内視鏡カメラで撮影したかのように補正して鉗子に投影し、鉗子部分がまるで透けたようになり、隠れていた術部が見えるようになるものです。これまでの内視鏡手術では、手術器具自体により手元が見づらくなり手術の難易度が上がってしまう問題がありました。今回の開発は、製品化されている内視鏡や器具等をそのまま利用できるため、早期の実用化が可能です。特に小児外科手術のように、非常に狭小な空間で手術を実施する際にその利用が見込まれます。

食事制限による寿命延長、
抗老化作用の一部因子解明

雄マウスの生存曲線
WT:野生型マウス Npy:NPYを持たないマウス
AL:自由摂食 DR:食餌制限

 千葉卓哉人間科学学術院教授と下川功長崎大学教授らのグループは、食事制限による寿命延長、抗老化作用に関して、神経ペプチドの一つであるニューロペプチドY(NPY)が重要な役割を持つことを明らかにしました。

 これまで霊長類であるサルを含めた実験動物での研究では、食事制限によってガンや生活習慣病、アルツハイマー病に似た神経疾患などの発症を抑制する普遍的な抗老化作用が再現されてきましたが、その分子メカニズムの詳細は不明でした。今回の研究では、NPYを持たないマウスでは食事制限を行っても腫瘍の発生頻度が高く、このことがマウスの寿命と関連していることが示唆され、食事制限の寿命延長、抗老化作用にはNPYが必須の因子であることが明示されました。これにより、NPYを増量する薬等が、老化に伴って発症率が増加するさまざまな疾患の治療薬として開発されることが期待されます。