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▼新年号

NEWS REPORT

科学・技術による社会貢献を

「研究の早稲田」から着実な成果を発信

国交相が視察
「コミュニティーバスとして早期に実現を」
先進電動バス「WEB-3」長野実証実験、実用化にめど

WEB-3

紙屋教授(右)の説明を受ける
羽田大臣(左)

 理工学術院の大聖泰弘教授、紙屋雄史教授が長野市で実証試験を行っている電動バスWEB-3(Waseda advanced Electric micro Bus3)の実用化にめどがつき、羽田雄一郎国土交通大臣が9月24日、現地を視察しました。

 電動バス実証実験は「環境省チャレンジ25」地域づくり事業の一環で、長野駅発コミュニティーバス「ぐるりん号」として営業運転されており、誰でも乗車可能となっています。実験は同事業が終了となる2013年度末ごろまで実施される予定です。

 羽田大臣は、電動バスへの地上からのワイヤレス空中送電の実演を興味深く見学した後、その後電動のバスWEB-3の試乗では、運転席の横より直接紙屋教授や運転手に操作方法などを質問。「大変静かで乗り心地が良いので、コミュニティーバスとしてぜひとも早期の実用化を目指してほしい」と感想を述べました。本学は約10年間にわたり電動バス研究を続けており、今後も電動バスの普及に向けた研究活動・社会貢献活動を進めていきます。

7,000回以上の充放電が可能に
リチウム蓄電池の新しいシリコン負極材料を開発

Ⓒ早稲田大学理工学術院応用物理化学研究室

 理工学術院応用物理化学研究室の逢坂哲彌教授と門間聰之准教授らは、リチウム蓄電池材料としての新しいシリコン負極材料を開発しました。

 これまでの研究開発報告では、シリコン負極は充放電による膨張・収縮により電極が壊れやすく、およそ100回の充放電が限度でしたが、新シリコン負極材料はこうした電極の劣化を防ぐことに成功し、約7,000 回の充放電が可能となりました。より大きな容量を持つ正極材料が開発されることで、蓄電池の容量・出力の大幅な向上が期待できます。同研究室は、携帯電話や自動車向けに、数年後の実用化を目指しています。

文部科学省
「大学間連携共同教育推進事業」
平成24年度事業に本学から2件採択

 文部科学省の平成24年度「大学間連携共同教育推進事業」に、本学参加事業が2件採択されました(下表)。

 本事業は、今後のわが国におけるイノベーションを推進するために、新たな課題を自ら発見し、データに基づく数量的な思考による課題解決の能力を有する人材を育成する取り組みです。

バクテリアを用いたバイオメディア・アート
グループ展「生命美学展」を理工キャンパスで開催

意欲的な作品が出展された会場

 「生命」を巡る美学・芸術(生命美学)の実験・研究・制作を行うプラットフォームである「metaPhorest」は、運営にあたる岩崎秀雄理工学術院教授と研究員・学生ら8組によるグループ展「生命美学展」を10月18日~27日にかけて西早稲田キャンパスで行いました。5年目の今回は8組のレジデンス・アーティスト/研究メンバーが、意欲的な成果の一部を発表しました。

 2007年に岩崎研究室に設置された「metaPhorest」は、「生命とは何か?」という問に根源的な興味を持つアーティスト・表現者が1 年以上にわたって滞在し制作する「アーティスト・イン・レジデンス」を実践。生命科学研究の現場で実験設備やセミナーなどを科学者たちと共有しながら、それぞれの研究・創作活動するための機会を提供してきました。国際的にも数少ない先鋭的な試みとして知られ、注目されています。

標準通信規格を用いて技術開発へ
本学・経産省
EMS新宿実証センターを開設

テープカットの様子

 林泰弘理工学術院教授が所長を務める本学先進グリッド技術研究所と経済産業省は、11月1日に日本で初めての試みとなる、標準通信規格を用いて複数の異なるメーカーの低圧機器を相互に連携させて最適なエネルギー管理・制御を行い、スマートメーターおよびデマンドレスポンス・システムとの連携を検証する施設「Energy Management System(EMS)新宿実証センター」を、研究開発センター(120号館内)に開設しました。同施設ではスマートメーター、太陽電池、電気自動車、電気自動車用充電/充放電装置、燃料電池、ヒートポンプ給湯機、エアコン、蓄電池などを相互に連携させ、宅内の最適制御を行うことで、契約アンペアに収まる範囲においてリアルタイムで電力を制御し、電気料金が高い時間帯には電力使用量を自動で抑制するなどの技術(ピークカット/ピークシフト)を開発しています。

 東日本大震災以降、電力不足が心配されていますが、こうした制御技術により、電力需給が大幅に逼迫(ひっぱく)した場合でもスマートメーターとHome Energy Management System(HEMS)を備えたハウスやビルであれば無理のない節電が可能となり、計画停電の実施を避けることや節電要請に貢献することができます。

 EMS新宿実証センターの開所式では、こうした技術の一部を披露し、節約できた電力量などのリアルタイム表示やピークカット/ピークシフトの様子などを実演しました。

X線分析で従来の見解を覆す研究成果
飛鳥大仏
ほぼ造立当初のままの可能性

飛鳥大仏調査風景

 文学学術院の大橋一章教授らは、飛鳥時代に造立されたものの、火事で損傷したために大部分が鎌倉時代や江戸時代に補修したとされている飛鳥寺(奈良県明日香村)の重要文化財である本尊・飛鳥大仏について、Ⅹ線分析調査を行いました。その結果、造立当初の箇所(左鼻梁、右手第二指甲)と鎌倉時代以降に補修したとされる箇所(鼻下、左襟、左膝上)の銅などの金属組成には際立った差異がみられず、仏身のほとんどが飛鳥時代当初のままである可能性が高いことが判明しました。大部分が後世の補修とされていることが、飛鳥大仏が国宝指定を受けていない理由であり、これまでの見解を覆す大変重要な研究成果であるといえます。