早稲田大学の教育・研究・文化を発信 WASEDA ONLINE

RSS

読売新聞オンライン

ホーム > キャンパスナウ > 盛夏号 NEWS REPORT

キャンパスナウ

▼盛夏号

NEWS REPORT

科学・技術による社会貢献を

「研究の早稲田」から着実な成果を発信

医薬品や香粧品の工業的製法開発に貢献
「cis-4-ヒドロキシ-L-プロリン合成酵素」を発見

 理工学術院の木野邦器教授と原良太郎次席研究員(理工学研究所)は、アミノ酸誘導体である「cis-4-ヒドロキシ-L-プロリン」の合成に有用な新規酵素を発見し、協和発酵バイオ株式会社と共同研究を行い画期的な新規工業的製法の確立に貢献しました。

 「cis-4-ヒドロキシ-L-プロリン」は、アミノ酸の一種であるL-プロリンの4位が水酸化された化合物で、その立体異性体であるtrans-4-ヒドロキシ-L-プロリンは、1997年に同社が発酵法による効率的な製法を確立して以来広く利用されています。一方、「cis-4-ヒドロキシ-L-プロリン」は煩雑な化学合成法でしか製造できず、高価であることから利用が限られていましたが、この新製法により高純度の「cis-4-ヒドロキシ-L-プロリン」を安価に、かつ安定に供給することが可能となります。今後、医薬品や香化粧品の原料としての用途が広がるものと期待されます。

癌や先天的な病気などにつながる
染色体分配の分子メカニズム解明に寄与
MCAKが張力を発生する分子モーターであることを発見

 石渡信一理工学術院教授らのグループは、染色体分配に関与することで知られているMCAKという微小管脱重合因子が、張力を発生する分子モーターであることを発見しました。

 これまでは複製された一対の染色体を二つに分裂させるのに必要な力のもとは、微小管の構造変化によるという説が有力で、異常が生じた場合に癌や先天的な病気へとつながる染色体分配のメカニズムは、半世紀以上にわたって多くの研究者が挑戦し続けているテーマです。

 今回、MCAKが分子モーターとして染色体を牽引し得る性質を持つことが証明されたことで、細胞分裂に関与する個々のタンパク質分子の特性を解明し、染色体分配の制御機構の全貌を理解することにもつながると期待されます。

記者説明会の様子