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ヒエログリフで「高貴な女性」の石刻

ラムセス2世の孫王女イシスネフェルトの石棺を発見

イシスネフェルトのミイラが入っていた石棺(クリーニング後)©早稲田大学エジプト学研究所

 早稲田大学・サイバー大学合同エジプト調査隊(隊長:吉村作治サイバー大学学長、早大客員教授)は、エジプトの首都カイロの南南西40kmの位置にあるアブ・シール南丘陵遺跡で新王国時代第19王朝のファラオ、ラムセス2世(紀元前1279-1213年)の孫王女と思われるイシスネフェルトの埋葬室と石棺を発見しました。

 ラムセス2世の皇太子カエムワセト王子にはイシスネフェルトという名前の娘がおり、墓が彼の葬祭殿の近くから発見され、石棺に王族の女性を示す称号が記されていることから、発見された石棺は、彼の娘のイシスネフェルトのものであると調査隊は考えています。

 カエムワセト王子の娘の墓が発見されたことで、今後カエムワセト王子本人、あるいは妻、息子などの墓が周辺から発見されることが期待されます。なお、丘陵頂部で墓が発見されたのは初めてのことで、これまでの新王国時代の墓地の分布が塗り替えられることになりました。