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NEWS REPORT

平成20年度文部科学省グローバルCOE

『制度構築の政治経済学』プログラム

 平成20年度文部科学省「グローバルCOE(Center Of Excellence)プログラム」に採択された本学3拠点を紹介するシリーズ、最後に『制度構築の政治経済学―期待実現社会に向けて―』(GLOPE II、拠点リーダー:田中愛治政治経済学術院教授)について掲載します。

「期待実現」機会の多い社会を目指す

 個人や集団の行動は、現在・将来の生活や他者の行動について自らが抱く願望や予想―期待―に影響されます。そうした期待の形成は、社会で許される行動規範・ルール―制度―により促進・抑制されます。そして、これらの制度もまた人々に共有された期待をもとに成立し、期待が実現される限りにおいて維持されます。もし、制度が人々の期待に応えられない場合、制度は機能不全に陥り、その結果、人々の制度への期待がさらに減退するという悪循環を生じるでしょう。現在の年金問題などは顕著な一例と言えます。

 従来の政治学・経済学はこのような問題を解決するために、個々の構成員の行動とそれを律する制度との関係は分析してきましたが、構成員の期待がどのように制度に反映され、それが共有化された時にどのような効果を生み出すのか、つまり、個々の構成員の行動と制度とをリンクさせる期待の役割に関しては、焦点を当てて分析してきませんでした。

 本拠点の目的は、このような期待の役割を分析し、人々に期待実現の機会をより多く提供できる社会―「期待実現社会」―が備えるべき条件を明らかにすることです。

実証理論と規範理論を両軸として

 2003年度採択の本学21世紀COEプログラム「開かれた政治経済制度の構築」(GLOPE)では政治学と経済学の方法論的融合を達成しましたが、本拠点ではこれを基礎に、「期待」と「制度」をキーコンセプトとして両学問分野のさらなる理論的融合を図ります。

 方法としては、まず、期待と制度との相互関係を、理論モデルと経験的分析ツール(特に21COE-GLOPEが開発した政治経済実験及びモバイルPCを用いた大規模世論調査CASI)を相互にフィードバックすることによって制度実証理論を構築します。同時に、個人・集団間の利害対立を回避しうる制度がいかなる意味で社会に利益をもたらすのか、その判断基準を明らかにし、この判断基準の正当性の根拠を規範として共有された期待との関係から吟味することによって制度規範理論の構築を目指します。

 そのために、GLOPEによって形成された国内外学術ネットワークもさらに強化・活用していきます。

若手研究者育成プログラムを強化

 また、研究過程において、専門的な研究者だけではなく、「専門知」を実践的に活かす人材を育成することも本拠点の使命です。

 本学大学院政治学研究科と経済学研究科の共同による合同演習を通じて領域を超えた研究コミュニティを形成するとともに、国際教育研究ネットワークの拡充により海外協力機関への派遣や国際シンポジウム・ワークショップ・クロスオーバーセミナーなどを通じて、若手研究者が育つ環境整備を進めています。

※プロジェクト等の詳細は、同研究拠点ホームページ(http://globalcoe-glope2.jp/)をご覧ください。