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▼2015 新緑号

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「演劇の早稲田」としての拠点が復活
新生「早稲田小劇場どらま館」が竣工



現役の舞台スタッフたちと設計段階から詳細に議論を重ね、劇場内部のつくりにもこだわった

舞台の緞帳をイメージした正面外観。職人が板を1枚1枚手作業でひねりを加え制作。主役は学生、建物はあくまで“黒子の役回り”として黒一色に

 約2年の時を経て「早稲田小劇場どらま館」が再建。3月23日に竣工式を迎えました。学生時代、自らも演劇活動に励んでいたという鎌田薫総長は「(どらま館の竣工は)学生の成長、街の活性化につながる。早稲田だけでなく、東京、そして日本の演劇の中心になってほしい」と期待を込めました。

 かつて早稲田キャンパスに沿った南門通りには、演出家・鈴木忠志氏(政経卒)らが創設した劇団「早稲田小劇場」と同名の小劇場があり、1960年代の小劇場運動の中心的な劇場として数々の名作を世に送り出してきました。1976年に鈴木氏が活動拠点を富山県に移した後は「早稲田銅鑼魔館」という民間の劇場になりました。その後、本学の所有となり、演劇サークルの活動拠点として多くの演劇人を輩出してきました。2012年10月に解体されてからも、歴史と伝統ある早大学生演劇の拠点を求める声は多く、鈴木氏承諾のもと、このたび「早稲田小劇場」の名称を冠した「早稲田小劇場どらま館」を再建する運びとなりました。

 竣工にあたり、かつてどらま館を利用し、今は第一線で活躍する舞台スタッフらの協力を得ています。各フロアのレイアウトや、舞台、客席、楽屋、受付まわり、ブース部分など、ほぼすべてについて細かく議論され、国内外で評価の高い劇場との詳細な比較分析も重ねられました。そのかいあって、客席わずか72席と小規模ながらも、場内の誘導・機材の運搬をしやすくする設計や安全面など、細部まで使用する学生への配慮がなされた劇場が出来上がりました。「大学の劇場とは思えない完成度の高さ」との声も上がっています。

 また、同劇場が通常のキャンパス内の教育設備と一線を画す点として、学生が料金をとって経済活動を行うシステムがあります(※学生は劇場使用料無料)。自分たちで演劇を創造し、社会に問うた結果である公演収入を蓄積していくことは、学生たちのモチベーションを高め、主体性・実行力を養っていく上でも大きな効果があると期待できます。さらに教員や一線で活躍する校友、一流の演劇人のサポートが加わる大学の劇場であるからこそ、壮大な教育プロジェクトとして進めていくことができると考えます。

 検証を兼ねたプレオープン公演などを経て、5月7日のこけら落とし公演を平田オリザ氏に託します。新生どらま館から、今後も目が離せません。


■早稲田小劇場どらま館Webサイト
http://www.waseda.jp/student/dramakan/