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キャンパスナウ

▼2015 盛夏号

Front Runner―活躍する若者―

学生生活のなかで身につけた視点や能力を活かして活躍している学生と若手校友をクローズアップして紹介するコーナー。
第6回は創造理工学部2年の高橋晴香さんと、日本航空株式会社の九鬼優一さんにお話をうかがいました。

日本人として、地域、国、世界のために役立ちたい

略歴はこちらから

九鬼 優一さん/日本航空株式会社 国内路線事業本部 国内路線事業部 羽田−東北・北陸・近畿路線グループ 主任

 中学以降、理系畑を歩んでおり、「将来は遺伝子工学の分野に」と考えていたにもかかわらず「、国際」と名のつく学部に行こうと決めたのは、高校2年生のときに同年齢の台湾出身の友人ができたことがきっかけだった。同い年でありながら、自分の国の現状を心配する彼の話を聞いて、カルチャーショックを受けた。「君は大学に行くの?」と問われて初めて、既定路線でしか自分の人生を考えていなかったことに気付いた。もっと世界を知りたいという思いで高校3年で文系に転向、国際教養学部に入学した。留学生と帰国子女が大半で、自らを含む海外未経験の“純ジャパ”は 少数派。受験を通じて英語にはそれなりに自信があったのに、授業中に皆が笑っている先生のジョークが分からないという屈辱を味わった。しかし、生来の負けん気も手伝って猛勉強した結果、3年生になる頃には留学生の親友と英語でけんかができるまでになった。世界から集まった友人たちとの会話はとにかく刺激的。

 「彼らの守備範囲の広さ、確固とした意見、教養の深さに圧倒され、いくら勉強しても足りないと思っていました。大学時代はアルバイトを5つ掛け持ちしていましたが、多忙な中でも勉強は最優先にしていましたし、時間があれば本を読んでいました」

大学時代にできた留学生の親友とは今でも仲良し

 多様な価値観に触れる日々の中で強く感じていたのは、日本人である自分が、この国と世界のために何ができるかということだった。卒業後に就職した日本貿易振興機構(JETRO)では、中小企業の海外見本市出展支援業務を通して、地方の中小企業が支える日本の底力を知った。顧客である地方の中小企業のことをもっと知りたいという思いが募り、念願だった海外駐在の打診にも首を振り、地方への異動を希望し続けた結果、山梨事務所の新設という話が舞い込んできた。「地方への興味が高まっていたことと、ゼロからの立ち上げというチャンスに魅力を感じました」

  山梨事務所が軌道に乗った頃、九鬼さんには再び新たな興味が湧いてきた。その引き金になったのは、地方という現場ならではの顧客との近さ。「商売経験のない自分が、商売の相談に来てくださる顧客に対して、最大限の価値を提供できているのか?」。そんな思いが「外へ」の興味と行動を駆り立てた。日本の地域の魅力を世界に伝えながら、商売の経験も積んでみたい……。その思いに応えてくれたのが、日本航空。大企業にも関わらず、新しいことにチャレンジする気風に惹かれた。

 「新たな興味に従って、働く場はどんどん変えていいと思います。ただ、変わりたいと思っても、いざ変わるとなるとためらう人も多いのではないでしょうか。私自身はどこで何をしていても、日本人として国と世界に貢献したいという思いだけは一貫しています」

 多くの経験を積み、それを次世代に還元することで、日本を強い国にしていきたいと笑顔で語る九鬼さん。目下航空業界で、その思いを形にするために今日も前を見続ける。

九鬼 優一(くき・ゆういち)さん/日本航空株式会社 国内路線事業本部 国内路線事業部 羽田−東北・北陸・近畿路線グループ 主任

神奈川県出身。2008年早稲田大学国際教養学部卒業後、独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)入社。アフリカのODA(政府開発援助)事業、日本の中小企業の海外見本市出展支援業務、山梨貿易情報センターの立ち上げに従事。2014年日本航空株式会社に転職し、現在、東北・北陸・近畿路線チームのレベニューマネジメントに従事。山梨ですっかり国産ワインびいきとなり、最近はいかに安くておいしい国産ワインをみつけるかを追求。週末は、奥さんと関東近郊の山々を歩き、リフレッシュしている。