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キャンパスナウ

▼2014 錦秋号

Front Runner―活躍する若者―

学生生活のなかで身につけた視点や能力を生かして活躍している学生と若手校友をクローズアップして紹介するコーナー。
第3回は先進理工学研究科1年の吉田智輝さんと、キヤノン株式会社の井戸田晴信さんにお話をうかがいました。

情熱をもってグリーンエネルギーに携わっていきたい

略歴はこちらから

吉田 智輝さん/先進理工学研究科 共同原子力専攻 修士課程1年

 「理系学生はもっと留学をした方がいい、というのが僕の持論です。アカデミックでもビジネスでも、国際学会での発表や海外と共同研究する機会は必ずあります。国際的な人々に交じって自分の意見を英語で論理的に伝えるためにも、一度世界を知るのはとても良い経験になるはずです」。

 勉強や研究の忙しさに留学を諦める人が多い理系学生の中で、吉田さんは数少ない留学経験者の一人。学生留学アドバイザーとして、留学フェアやイベントで自分の留学体験を語り、留学を希望する後輩にアドバイスしている。最も多いのは単位の取得と研究室との兼ね合いに関する相談だ。「研究室に配属される4年生の前期という重要な時期に留学していると、4年間での卒業は決して簡単ではありません。留学をしたいと思い立った当初は、皆から無理だと言われましたが、20名以上の先生に直談判するなどして、道を切り拓くことができました。留学に理解のある先生と周りの人たちの助けには本当に感謝しています」。

カナダ・トロント大学への留学中に滞在したシェアハウスのメンバーと。さまざまな世界や価値観に触れ、多様性の素晴らしさを実感した

 海外に憧れ、英語力を身につけたい一心で、3年生の夏から9カ月間カナダ・トロント大学へ交換留学した。しかし当初は思い通りに自分の意見を伝えられないストレスと戦う日々。シェアハウスに滞在し、昼夕の食事のたびにダイニングで他の居住者と交流するうちに、旅行では体験できない世界を知った。北米の人たちは議論好きで、勉強にストイック、そして遊ぶときは全力だ。些細なことで始まる議論に初めは圧倒されたが、相手と分かり合うための大切な手段だと理解し、徐々に好きになった。

 「多様な民族・人種の人々が暮らす北米では、“みんな違う”が当たり前。相手の主張を聞き、自分の意見を論理的に伝えることで、価値観の異なる相手と分かり合おうとしています。日本で生まれ育った自分でも、違いを楽しむことができるようになりました」。

 吉田さんの志は、社会・人々のためにビジネスの力で日本を、世界をグリーンにすること。留学を通して広がった世界から分野を絞り込み、専門性を深めるために水素などを燃料とする「燃料電池」を研究。同時に、エネルギー全般を知るために、大学院では原子力を専攻している。北米で最もグリーンかつシリコンバレーを有すサンフランシスコで学ぶため、今夏からはカリフォルニア大学バークレー校に二度目の留学中だ。テーマは“グリーン×ビジネス”。

 「エンジニアとして自分の意見を主張するためには、誰でも知ることのできる表面的な知識ではなく、深い専門性を身につけなければなりません。気になることがあれば関係者に取材するなど、躊躇せずに行動あるのみ!先日も、沖縄・宮古島の自然エネルギー施設を見学してきました」。

 さまざまな考えを統合してベストを導き出そうとする吉田さんは、専門性と多様性を味方につけ、近い未来、世界のグリーンエネルギー界を牽引する存在となるだろう。

吉田 智輝(よしだ・さとき)さん/先進理工学研究科 共同原子力専攻 修士課程1年

埼玉県生まれ。2010年早稲田大学先進理工学部に入学。鷲尾方一研究室所属。音楽とスポーツとエネルギーが原動力。中学生の頃からビートルズの大ファンで、大学からバンド活動でベースを担当。特技はカンツォーネを歌うこと。エネルギー分野に携わる情熱と責任を感じ、宮古島エコアイランドや北九州の水素タウンを一人で視察したり、再生可能エネルギー関係の専門家に会いに行ったりしている。