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キャンパスナウ

▼2014 盛夏号

Front Runner―活躍する若者―

学生生活のなかで身につけた視点や能力を生かして活躍している学生と若手校友をクローズアップして紹介するコーナー。
第2回は人間科学部4年の田中美紗斗さんと、厚生労働省大臣官房総務課の坂本裕一さんにお話をうかがいました。

“やる”と決めたら一直線に突っ走る

略歴はこちらから

坂本 裕一さん/厚生労働省 大臣官房総務課 法令審査第一係長

 「仕事に就くための道筋や年金制度といった社会保障のしくみなど、生きるために必要な知識について学生時代から学ぶ機会をつくりたい。そのためには民間ではなく行政で教育制度を変えるしかないと考え、ゼロから公務員試験に望みました」。

 説明もないまま突然送られてきた年金の納付書を前に、自分のやるべきことを確信した坂本さん。教員志望を一転、大学3年の夏から公務員試験の勉強を始め、進むべき道を見極めるために厚生労働省と自治体の教育関連部署でのインターンシップに参加した。フットワークの軽い自治体と制度全体を動かす厚生労働省のダイナミズム、それぞれの良さを肌で体感しながら、自分の目的を実現できるのは制度を担う国の行政機関だと方向を定めた。

 インターンシップで出会った公務員を目指す他学部の学生を集めて自主ゼミを立ち上げ、情報共有に、グループディスカッションや面接の練習にと、お互いに研鑽を重ねた。当時の仲間とは今でも交流があり、その輪は後輩へと受け継がれている。

 「一人が体験して終わりではなく、同じ志を持つ者同士が体験を共有できる場をつくろうと考えました。大事なのは、まずはやってみること。“できる”か“できない”かという選択肢はありません。学生時代は失敗したっていくらでも巻き返す時間もエネルギーもあるんだから、“やる”か“やらない”かだと思っています」。

オリジナルのユニフォームを作りさまざまなフットサル大会に出場。全員で楽しみながら勝つことを目標に、上手下手に関わらず全員が出場して勝利する方法を常に模索した

 ただし、一度“やる”と決めたならゴールに向かって一直線に突っ走ることが重要だという坂本さん。公務員試験に向けて自分の能力を最大限に発揮するため綿密にスケジュールを組み、図書館に籠って勉強するほど徹底的に集中した。

 厚生労働省に入省後は雇用対策や生活保護の担当部局でキャリアを積む。インターンシップ体験から、制度を活かすには国と自治体の両者の連携が重要だと実感。制度を見直す際には自治体との議論を重ね、現場の声を取り入れることを心掛けた。入省後7年目の現在、法令審査に携わり、各部局から上がる法令の原案に矛盾やミスがないかを鋭い視点で審査している。部下や後輩を持つ立場として学生にアドバイスしたいのは、多くの人と交流することだ。

 「阿吽の価値観が通じる同年代の中だけで過ごしていると対人スキルは磨かれません。アルバイトでもボランティア活動でも何でも良いと思います。学生の特権である“図々しさ”を生かして、さまざまな年齢層・立場の人の中へ積極的に飛び込み、相手の立場で考える力を磨いてほしいですね」。

 直談判してインターンシップ枠を獲得し、企業のフォーラムへ足を運び社会人相手に質問をぶつけるなど、数多くの武勇伝を披露してきたからこその言葉だろう。“やる”と決めた目標に向かって真っ直ぐ階段を駆け上ってきた坂本さんは、自分が描いた理想に向かってこれからも走り続ける。

坂本 裕一(さかもと・ゆういち)さん/厚生労働省 大臣官房総務課 法令審査第一係長

2008年早稲田大学教育学部を卒業後、厚生労働省に入省。雇用対策や生活保護の担当部局を経て、2013年より現職。現在は厚生労働省が作成する法律や省令などの審査を担当している。ワークライフバランスに関心があり、常に効率的な仕事の進め方を模索中。休日はイクメンとして家族サービスに励んでいる。趣味はフットサルと読書(漫画)。オススメは『こちら葛飾区亀有公園前派出所』と『名探偵コナン』。