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キャンパスナウ

▼2014 新緑号

進化する大学

大学の新しい組織・制度など、進化する大学のしくみについて解説します。第1回は、2013年に誕生し、今年4月から本格的にスタートしたグローバルエデュケーションセンター(GEC)です。

略歴はこちらから

グローバルエデュケーションセンター(GEC)

人間力・洞察力を備えたグローバルリーダーを育成

瀧澤 武信/グローバルエデュケーションセンター所長、政治経済学術院教授

多面的な教育プログラムを展開

 グローバルエデュケーションセンター(以下、GEC)は、“Waseda Vision 150”で打ち出している人間力・洞察力を備えたグローバルリーダーの育成を目的として設置された教育機関です。オープン教育センターの設置科目や各種教育活動と、メディアネットワークセンターの教育機能などが統合され※、多面的な教育プログラムを展開しています。

 「WASEDA式アカデミックリテラシー」や「言語科目」「スポーツ実技科目」「リベラルアーツ科目」といった基盤教育・教養教育をはじめ、「全学共通副専攻」や他大学と連携した単位互換制度など専門分野をより深め知識の幅を広げるための科目や制度を提供しています。また、学生生活や卒業後のキャリア形成に役立つ「My Vision Program」など単位を付与しないプログラムも実施しています。GECでは、大学での学びの基盤や社会人として必要な基礎スキル、教養を身につけるための科目を、より体系的に充実した内容で学生に提供していきたいと考えています。さらに2015年度より授業分野やレベルを分かりやすく明示するコース・ナンバリング制度の導入を予定し、準備を進めています。

※オープン教育センターとメディアネットワークセンターは2014年3月末で廃止。

大学での学びの基礎
社会人としての基盤づくり

 学年を問わず全学の学生に履修してほしいと私たちが考えているのは「WASEDA式アカデミックリテラシー」と「全学共通副専攻」です。「WASEDA式アカデミックリテラシー」は既に開講していたアカデミックライティング(学術的文章の作成)、数学(数学基礎プラスα・β・γ)、英語(Tutorial English)に、新たに情報(PC・ネットワークを利用した情報表現、情報科学の基礎、など)と統計(統計リテラシーα・β・γ)を加えた5つの分野を中心に学びの基盤を固めます。論理的な思考を伴う文章表現力や数学的思考力、グローバル社会でのツールとして必要な英語力、またITの普及に伴う情報化社会におけるコンピュータスキルや情報活用能力、学問研究における統計的なスキルは、文系・理系を問わずあらゆる学問分野で必要とされる知識です。同時に将来どの道に進んでも必ず役立つ能力ですので、在学中にぜひ身につけてほしいと考えています。

 「全学共通副専攻」は、所属学部での専門(主専攻)の学びの幅を広げる、あるいは専門以外の「第二の強み」を持つなど、それぞれの関心に沿って学びを発展させることができる制度です。知識の幅を広げることでグローバルリーダーに求められる“多様な視野で物事を見極め論理的に考える能力”を身につけることができるでしょう。今年度は29のテーマを設けています。2013年度は192名が修了しており、今後は内容をさらに充実させ、挑戦する学生をサポートしたいと考えています。

未知の世界に挑戦してほしい

GECが発行しているプログラムガイド

 GECでは、国内外を問わずさまざまな方法で社会との接点を提供しています。大使館との提携講座や海外ボランティア科目はもちろん、同志社大学への国内留学など、GECの提供科目や各プログラムにはグローバルな視点を涵養するものがいろいろあります。

 また、数学の基礎科目を受講した法学部の学生から「数学も法学の勉強も同じですね」という感想がありました。解釈を間違えないように論理的に書かれている法律の文章も、数学も基礎の部分は同じで、そういった点に気づくことが学びのベースになります。

 自ら体験する、実感するための入口がGECの科目です。早稲田にしかない科目、早稲田でしか出合えない学びがあります。学生の皆さんには受け身の勉強ではなく、挑戦する気持ちでぜひ未知の世界に飛び込んでいただきたいと思います。それをサポートするためにGECがあるのです。学部はもちろん、GECの「WASEDA式アカデミックリテラシー」や「全学共通副専攻」など早稲田大学が提供するさまざまなサービスを活用し、学びながら自らをブラッシュアップしていただきたいと思います。

グローバルエデュケーションセンターWebサイト
http://www.waseda.jp/gec/

GEC紹介ムービーもあります!

瀧澤 武信(たきざわ・たけのぶ)/グローバルエデュケーションセンター所長、政治経済学術院教授

1974年早稲田大学理工学部卒業、同大学院理工学研究科数学専攻博士課程単位取得退学。玉川大学工学部専任講師を経て1985年本学政治経済学部専任講師、1987年助教授、1992年教授。2012年オープン教育センター所長、2013年グローバルエデュケーションセンター所長。著書に『ファジィ理論』(2010年共立出版・共著)、『人間に勝つコンピュータ将棋の作り方』(2012年技術評論社・共著)など。

WASEDA式アカデミックリテラシー
  1. アカデミックライティング
    学術的文章の慣習、語句の適切な使い方、分かりやすい構成の方法、引用と出典の明記の仕方など、論文やレポート提出に求められる技能を学びます。文章作成力の向上と同時に思考そのものも鍛えます。
  2. 数学
    金利計算など、身近なテーマを通して数学の基礎知識を身につけると同時に数学的な論理的思考力を養います。数学の基礎が十分でない文系の学生や、数学は得意でも金利計算を知らない理系の学生、あるいは文系・理系を問わず金融機関に就職する学生などが履修しています。
  3. 統計
    統計的な解析能力は文系・理系にかかわらずすべての学問分野で求められますし、現代社会を生きる上でも必要な基礎知識です。商学部では学びの基礎としてGECの統計リテラシー科目を新入生の必修科目に設定しています。
  4. 情報
    情報化社会において求められるコンピュータスキルやネットワーク上の情報活用能力といった基礎知識に加え、電子メールやSNSの利用上の注意やマナーといった情報リテラシー教育にも力を入れています。
  5. 英語
    グローバル時代において英語力は不可欠です。学生4人にチューター1人という少人数制の「Tutorial English」は学生からの人気が高く効果も現れており、必修にしている学部が増えています。「Critical Reading and Writing」はクリティカル(批判的)な思考力の訓練になり、社会に出てもすぐに生かせるスキルです。
リベラルアーツ科目

現在約3,500科目あり、総合大学ならではの多様な分野をカバーしています。平山郁夫記念ボランティアセンター(WAVOC)が提供するボランティア科目や、企業・自治体・団体と学生が課題解決に取り組む「プロフェッショナルズ・ワークショップ科目」、企業や公的機関、NPOなどによる寄附講座・提携講座など、実社会との接点を持ちながら、各界の最新トピックを体験できる科目も多数提供しています。

My Vision Program

ロジカルシンキングやマーケティング&ブランディング、教養と人格を磨くことを目標とするプログラムなど、社会で求められる基礎的な知識やスキルを磨くための単位を付与しない教育プログラムです。

他大学との単位互換協定

学習院大・学習院女子大・日本女子大・立教大との「f-Campus」をはじめ、東京女子医科大や東京家政大、武蔵野美術大など早稲田にはない科目を履修することで学びの幅を広げることが可能です。同志社大への国内留学では、長期間滞在することで旅行では味わえない文化・生活をよりリアルに体験することができ、グローバルな視点の涵養につながっています。

多彩な言語科目

英語やドイツ語、フランス語、中国語などメジャーな言語以外に、バスク語やアラビア語、アイヌ語など学外では学ぶ機会の少ない多彩な言語を多く取りそろえています。自らの興味にあわせて、あるいは専門を学ぶなかで現地の言語を学びたいという欲求にあわせて履修することができます。