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▼新緑号

教室の窓から

「教育の早稲田」と呼ぶにふさわしい質の高い教育を実践している取り組みをご紹介します。

早稲田大学では、ファカルティ・ディベロップメント(以下FD)を推進するため、2008年にFD推進センターを設立し、教育の質の向上に努めています。今回は、Course N@viを授業に活用しているスポーツ科学学術院の吉永先生にお伺いしました。

※ファカルティ・ディベロップメント(Faculty Development)……教員が授業内容・方法を改善し向上するための組織的な取り組みの総称

吉永 武史(よしなが・たけし)早稲田大学スポーツ科学学術院准教授 略歴はこちらから

Course N@viを最大限活用し、より深いコミュニケーションを

吉永 武史/早稲田大学スポーツ科学学術院准教授

何度もリピートできるオンデマンド授業

 本学に着任した2006年以来、Course N@viを活用しています。当初は、出欠管理や課題レポートの受け取りなど、授業のマネジメントに役立てることから始めました。出欠管理を例にとると、従来は、出席票を1枚ずつ配布し、授業後に回収したものを出席簿に転記していました。これだと、時間と労力が軽視できるものではありませんが、Course N@viを使えば、出席コードが印字されたカードを配布し、授業中に伝えたキーワードなどを学生本人が入力すれば、出席情報を登録することができるので、教員の負担が劇的に減ります。こうした授業のマネジメントの効率化は、授業の準備や研究活動に必要な時間を確保する上でも重要です。

 さらに現在では、Course N@viのレビューシート機能(学生が教員に授業の感想や質問を送ることができる)や、ディスカッション機能(BBS(電子掲示板、Bulletin Board Systemの略)上で、学生・教員が意見交換を行える)を活用して、教育効果の向上を図っています。国際大会で活躍するアスリートを多く抱えるスポーツ科学学術院では、インターネットを利用した授業を早い段階から取り入れてきました。海外遠征中でもパソコンがあれば、授業に参加し、教員とのコミュニケーションを図ることもできます。現在、すべてネット上で授業を行うフルオンデマンド型は7科目、教室での講義を併用するハイブリッド型は12科目あります。

 フルオンデマンド授業に対する学生たちの反応はさまざまで、たとえ大教室であっても、直接対面で授業を受ける方が良いという声がある一方で、「スポーツ科学概論」という1年生全員必修のフルオンデマンド授業は、2年進級時のコース選択の参考になって良いという声も多く聞きます。

ハイブリッド型でリフレクション能力を向上

授業の様子

 私は主に教師教育を担当しています。保健体育の教師を目指す学生たちは、4年次に約3週間の教育実習を行います。実習では、授業を観察し、自ら授業することを通して、リフレクション(省察)能力を高めます。しかし、約3週間という限られた時間だけでは不十分です。そこで私の授業では、教室で体育授業を観察評価する方法をレクチャーした上で、各学生が行う模擬授業を撮影したビデオをCourse N@viにアップし、自宅や構内のPCで視聴できるようにしています。各自が模擬授業の分析を行い、その成果と課題を考察した上で、授業でディスカッションを行い、リフレクション能力を高めます。こうした直接的な教室での学習とオンデマンドを組み合わせたハイブリッド型の授業は、内容をより豊かにし、学生の能力を向上させる可能性があると考えています。

 また、オープン教育センターに設置した「スポーツボランティア」という科目では、ディスカッション(BBS)機能を活用しました。この授業は、受講生が新宿区内の4つの小学校を訪問して、子どもたちの放課後遊びをサポートするというものです。実習時には、現地集合・現地解散だったため、私を含め受講生全員が一堂に会して話をすることができません。そこで、BBSへのコメントで出席を確認することにして、活動の様子や課題を書き込んでもらったところ、受講生同士の活発な情報交換が行われ、充実したボランティア活動を展開することに成功しました。

Course N@vi活用の進化で学習環境のさらなる改善へ

 私が授業で心掛けていることは、学生一人ひとりの内発を促すために、問題意識を持って考えさせるということです。講義でも、その場で考える時間を提供したり、グループでディスカッションをしたりしながら、問題解決力とコミュニケーション力の向上を図っています。最近は、人とのコミュニケーションに自信を持てない学生が少なくありません。レビューシートやBBSなどの機能を活用して学生の声の受け皿を用意し、こちらからも積極的に関わっていくことが必要です。

 今後もCourse N@viの活用をさらに進化させながら、学習環境をより改善していきたいと考えています。

Course N@vi(コースナビ)

「スポーツボランティア」Course N@viのBBS画面

Course N@viは、教育効果を高める支援機能満載の早稲田オリジナルシステムで、2007年度より全学に導入されています。主な機能に、
●教員から受講生への「お知らせ」メールの送信
●授業で利用する資料のアップロード
●教員や受講生同士の意見交換(電子掲示板)
●小テストやアンケート
●レポート受付
などがあります。

吉永 武史(よしなが・たけし)/早稲田大学スポーツ科学学術院准教授

上智大学文学部社会学科卒業、筑波大学大学院体育科学研究科博士課程単位取得退学。早稲田大学スポーツ科学部助手、東京女子体育大学専任講師、早稲田大学スポーツ科学学術院専任講師を経て、2011年4月より現職。専門分野は体育科教育学。