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▼2014 新年号

キャリアの羅針盤 学生と進路選択

金子 豊(かねこ・ゆたか)日本放送協会(NHK) 人事局 主管 略歴はこちらから

遠慮せず、一歩前に踏み出そう

金子 豊/日本放送協会(NHK) 人事局 主管

企業の採用担当者やキャリアの専門家などに、最近の採用事情や学生が進路を選択するために必要なことをお聞きする「キャリアの羅針盤」。今回は日本放送協会(NHK)の金子さんにお話をうかがいました。

「世のため」「人のため」、そして「君だけの」仕事

 日本で唯一の公共放送であるNHKは、放送の自主・自律を担保する視聴者の皆さまからの受信料で成り立ち、災害報道や福祉関係の番組など、公共の福祉のために質の高い放送番組を全国にお届けしています。また、地域に密着したニュース・情報番組、国際放送の他、技術研究・開発など、多様な業務を行っていることに特色があります。

 このようなNHKが求める人材を一言で表すと「多様な人材」です。放送は文化でもありますので、画一的な人材ではなく、真面目な人やエンタメ系の人、体育会系の人、研究肌の人など、個性あふれる多様な人材が輻輳(ふくそう)的に関わることで、多様で創造性の高い放送事業を実現することができます。また、放送という仕事、ジャーナリストという職業は厳しい部分もありますので、ジャーナリストとしての「情熱」や公共の福祉と文化の向上に対する「高い志」がなければ務まりません。NHKの採用Webサイトでも、冒頭に“「世のため」「人のため」「君だけの」仕事がある”と大上段に掲げていますが、自分の仕事が世の中で役立っていることに「やりがい」を見出せる人に向いている仕事です。

ドメスティックだけではなくグローバルな視点で考え、伝える能力

 放送・ジャーナリズムは、大都市圏の情報だけでなく、地域情報の重要性を理解しローカル色の強い話題を掘り起こして全国に発信することや、日本の情報を世界に伝えていくといった役割も求められます。そのため、地域放送局にあっても決してドメスティックな視点だけではなく、広い視野を持ち、グローバルな視点で考え、伝える能力が必要です。「いま海外で何が起きているのか」「それは国内の事象とどう繋がっているのか」など、日本を基軸に海外にも視野を向けるということですね。これはNHKだけでなく、これからの社会で活躍する人材として不可欠な要素だと思います。早稲田の考えるグローバル人材、つまり、どの地域にあってもグローバルな視点で考えられる人材に通じるのではないでしょうか。

焦らずに自分の言葉で個性をアピール

 採用活動では、エントリーシートの文面や面接の受け答えの言葉から個性を感じにくい学生が少なからず見受けられます。面接時間の短い企業が多いからか、短時間で自分をアピールできるよう話の終着点を先に決めてしまい、話を小さくまとめすぎているのかもしれません。NHKのエントリーシートは志望動機なども手書きで、面接も長い時間をかけて人物を見極めていきます。それはNHKの番組をつくるのは「人」だからです。

 私の学生時代と比べ、最近はインターネットでさまざまな情報を得て簡単に応募できて便利ですが、逆にタイトなスケジュール、溢れる情報の中で希望する業界や職種などを絞り込まなければなりません。一社一社じっくり考える余裕がないのでしょう。しかし自分が何十年も勤めるかもしれない場所だと考えると、ただ数をこなせば良いわけではありません。焦らずに自分の言葉で話すことで個性をアピールすることが大切です。

「やりがい」があればどんな試練も乗り越えられる

 学生の皆さん、ぜひ「やりがい」を重視して就職活動をしてください。私は組織のマネジメント業務を志向していましたが、受信料制度という他に例の無い財源を持つ「NHKのマネジメントの難しさ」にやりがいを感じ、NHKを選びました。経営環境が厳しい時期でも、自分の携わっている仕事が「NHKを守り、成長させている」というやりがいを感じ続けてくることができました。

 就職活動を始める皆さんに、「学生時代にこれをしておきなさい」とは言えませんが、ひとつアドバイスをするならば、それは「遠慮しないこと」。人生で一番自由な学生時代、遠慮せず自分のやりたいことにとことん打ち込んでください。その経験により、社会人になってから直面する試練を乗り越えることができる「責任感」や「知見」が身につきます。

 遠慮して小さくまとまった人生はつまらないですし、もったいない。少し勇気を出して、一歩前へ踏み出してみてください。

金子 豊(かねこ・ゆたか)/日本放送協会(NHK) 人事局 主管

1992年早稲田大学政治経済学部卒業。NHKに入局後、広島放送局に配属。1995年に経理局に異動し、予算・コンプライアンスなどの「放送事業のマネジメント業務」に従事。2012年より現職。主に採用・異動などを担当。

日本放送協会(NHK)
1950年、放送法に基づきNHK設立。国内放送、国際放送、放送文化・技術の調査研究等の業務を行っている。国内計54局の放送局、海外計28の取材拠点。

キャリアセンターより
自分の言葉で個性をアピール

 マスコミは一般的に狭き門と言われますが、早稲田にはその世界に憧れて入学した学生が多数います。例えば今春NHKには45名の早大生が就職。金子さんによれば、NHKが求める人材は「多様な人材」とのこと。これはどんな組織にも少なからず共通して言えることです。

 さて今年度も12月1日の就職活動本格化以降、キャンパスにはスーツ姿の学生が目立つようになりました。キャリアセンターでは、エントリーシートや面接では自分の言葉で自分らしさを見せるよう学生に伝えています。まずは自分の言葉で語れる体験を在学中に作ること、そして堂々と個性をアピールしてほしいと思います。