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▼2013 錦秋号

キャリアの羅針盤 学生と進路選択

北川 淳(きたがわ・じゅん)東日本電信電話株式会社 総務人事部 人事第一部門 採用人事担当 担当課長 略歴はこちらから

理想に向かう努力を繰り返し
世の中を変える人材になってほしい

北川 淳/東日本電信電話株式会社 総務人事部 人事第一部門 採用人事担当 担当課長

企業の採用担当者やキャリアの専門家などに、最近の採用事情や学生が進路を選択するために必要なことをお聞きする「キャリアの羅針盤」。今回は東日本電信電話株式会社(NTT東日本)の北川さんにお話をうかがいました。

理想と実行力により革命を興し続ける会社

 通信サービスは皆様の生活のさまざまな場面で活用されています。当社は光ファイバーを利用した通信サービスを主軸に事業を行っており、東日本エリアの約98%にその光ファイバーを張り巡らせ、皆様の生活や事業を支えています。もし当社のサービスが1分でもストップすると日本中が大混乱に陥る…それほど社会・経済に影響のある必要不可欠なものとなっています。

 光サービスのエリア拡大により、地方に住む方々も、快適につながり豊かなコミュニケーションが取れるようになりました。当社が目指す次のステップは、さまざまな業界の企業などと手を組んで、ただつながるだけでなく、新しいライフスタイルやビジネスモデルをつくり世の中に広げていくということです。そうやってさまざまな分野で革命を興し続ける企業であろうとしています。

 社員に求められる力は、理想と実行力です。例えば、子育てで忙しい母親が家にいながら好きな仕事ができる世界をつくりたい、といった「自分が実現させたい世界」を豊かな発想力と緻密な分析力で組み立てます。次に、その世界を実現するには大きな“人”の力、つまり社内外含めた大きなチームが必要になります。そのメンバーが同じベクトルを向くように周りを巻き込んでいける人材、それが当社をはじめ多くの企業が求める人材だと考えています。

理想を実現するため知らない世界に飛び出そう

 最近グローバル人材という言葉をよく耳にします。グローバル人材とは、単に英語ができる、あるいは海外で働いているという意味ではないと考えます。国境を意識せず、世界中にアンテナを張り、理想の実現のためには思い切って知らない世界に飛び込む、そういう意識を持った人材を指していると思います。主に東日本エリアのお客様にサービスを行っている当社のような国内企業であってもグローバルな視点は必要です。新事業を行う際に海外のニュースにヒントを得たり、パートナー企業を求めて海外に飛び出すほどの気概がほしいと考えています。当社に限らずこれからの時代は、グローバルな視点を持っていなければ、事業も仕事も幅が狭くなってしまい、成長していけないのではないでしょうか。

自分も世の中も自らの手で変えられることを知ってほしい

 皆さんにアドバイスしたいのは、誰でも世の中を変えられるということです。ゼミでも、サークルでも、アルバイトでも、何でも良いと思います。変革に肩書きは必要ありません。たとえ幹部でなくても地道な行動や発言で組織を良い方向へ導ける人は大きく成長できる人だと思います。これができないと会社に入っても若手のうちに活躍できないと思います。まずは、現状が当たり前という麻痺した思考を捨て、「こういう人になりたい」「こういう組織にしたい」と理想を明確に描くこと。その上で、理想に近づくために今の自分にできることは何か、自分はどうなりたいかを考え、乗り越え、着実に成長していける、そういった成長サイクルをつくり出せる人は必ず理想に手が届きます。社会もライフスタイルも学生生活もあなた自身も、もっと良くなると信じてください。

 私のMBA留学中の例を紹介します。渡米直後は授業についていけず、クラスでも目立たず、チームの誘いも来ずと悔しい思いをしました。クラスメイトから慕われ必要とされる人材になるにはどうすれば良いかを考え、いくつもの小さな目標を設定し乗り越え、理想の自分への階段を登っていきました。授業では、自分の多様な経験を生かして周りに新しい気づきを与えられるコメントをいくつも用意して発表するようにしていました。チームプロジェクトは初回のミーティングまでに論点を整理した資料や回答案を準備していました。だいたいアメリカ人の2〜3倍くらいは勉強していたので毎日つらかったです。課外でも、自ら積極的にスポーツのチームを立ち上げたり、日本を紹介するイベントを企画し交流を深めたりすることで、最終的に、多くのクラスメイトが一緒にチームを組みたい、リーダーをやってくれと言ってくれるほど信頼を集めることができました。また、教授の指名によりMBAプログラムを改善するためのアドバイザーもやっていました。もっとよくしたいという前向きな姿勢を買ってもらえたのだと思います。

 人はそんなに強くないのも事実です。そんなときは周りからサポートや刺激を受けたりするのも一つの方法です。私も後ろ向きになりそうなときはメンターや家族に背中を押してもらいましたし、自己成長やボランティアのために勉強が忙しいのにさまざまな活動にチャレンジしていく同級生にも刺激を受けました。皆さんも現状に満足せず挑戦し続けて充実した学生生活を送ってください。

北川 淳(きたがわ・じゅん)/東日本電信電話株式会社 総務人事部 人事第一部門 採用人事担当 担当課長

慶應義塾大学経済学部卒業。1999年に当時の日本電信電話株式会社(NTT)入社、入社後は東京支店法人営業部でさまざまな業界の企業を担当する。2001年本社経営企画部でフレッツサービスの戦略策定や省庁対応を行う。2006年神奈川支店での販売企画などの業務を経て、2008年から2年間アメリカはヴァージニア州の大学院へMBA留学。帰国後の2010年より新商品企画でマーケティングを担当し2012年より現職。

東日本電信電話株式会社(NTT 東日本)
東日本エリアにおける地域の電気通信サービスおよびそれに付帯するサービスを展開。主に光ファイバーを利用したIP・ブロードバンドの普及拡大に取り組んでいる。信頼性の高いネットワークを東日本エリア全域に構築しており、それを活用した一般家庭向けのコンシューマビジネス、企業や公共機関向けの法人ビジネスなど幅広い領域で事業を展開している。

キャリアセンターより
自身の殻を破り世界を広げてほしい

 自分を理解して将来や目標を見据え、他者に働きかけながら結果を出せる人は、企業のみならず社会や人生においても有為な人材です。学生時代は「人生を豊かにする」方向性を見出す貴重な4年間。充実した学生生活の先にこそ自分らしい納得のいく進路があることを心に留め、自身の小さな殻を破り世界を広げていってほしいと思います。キャリアセンターは、父母の皆さんと共に、そんな学生たちを全力でサポートしていきます。