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▼2013 早春号

キャリアの羅針盤 学生と進路選択

酒田 篤也(さかた・あつや)株式会社野村総合研究所 上級専門スタッフ 人事部 採用課 略歴はこちらから

いま取り組んでいることに真剣に向き合い
“自分らしさ”を見つけ出してほしい

酒田 篤也/株式会社野村総合研究所 上級専門スタッフ 人事部 採用課

採用担当者に就職活動の最新事情や、普段どのような意識で採用活動に携わっているかをお聞きする「キャリアの羅針盤」。今回は野村総合研究所で採用を担当されている酒田さんにお話を伺いました。

初めてのことにも積極的に挑戦する人材

 当社が一番大切にしているのは、「どうすればお客様が成長するか」ということです。この大きな使命のために、お客様の経営課題や業務課題を見つけ、解決策を提案します。私たちはこれらを経営コンサルティングとITソリューションの両輪で実現しています。お客様の業界は多種多様であるため、それぞれに課題も解決策も異なります。仮に海外展開することが成長につながるのであればそれを支援しますし、同時に私たち自身がグローバルな視点を身につけることも必要でしょう。しかしグローバル化自体が目的ではありません。「お客様の成長のために」という当社の根底を見失わないことが肝心です。そのため、お客様の業務に深く興味を持ち、自分で積極的に踏み込んで調べ、お客様のために何ができるかを真剣に考え抜くことができる、そういう人材を求めています。お客様の業務にしろ、システム知識にしろ、覚えなければならないことがたくさんある仕事ですが、知らないことを言い訳にして挑戦しないのではなく、知らないけれどお客様のためになるから勉強するという意欲があればよいのです。その思いさえあれば、経験の有無や出身大学・学部に関わらず、当社で活躍ができると思います。

やりたいことに打ち込む中で“自分らしさ”を見つける

 最近は即戦力を求める企業が増えているため、就職に有利な経験や社会に出てから役立つ能力・技術を身につけようとする学生がいると聞きます。しかし変化の著しい今、数年後にどのような能力が役立つかなんて誰にも分かりません。さらに言えば、取り組んできた学業・研究が実際の仕事に直結するかどうかも分かりません。そうであれば、学生時代は自分が今やりたいことに打ち込み、その中で「自分らしさ」とは何かを見つけることが重要だと考えています。将来がどうであろうと挑戦していく、自分で切り拓いていく、という方が面白いと思います。

 私は学生時代にスキーサークルに所属していました。技術や意欲の高い仲間の中で、壁にぶち当たりながらも自分なりに工夫して「自分らしさ」を出す努力をしました。チームの技術を高めるために自分にできることは何かを考え、いろいろな場所をまわって条件に合うコーチを探したこともあります。これは私の経験に基づくあくまで一例ですが、早稲田大学にはさまざまな経験を積むことができる素晴らしい環境があります。研究やゼミ、サークルや部活動、アルバイトなど何でも良いでしょう。

 取り組んできた内容そのものが活かされるとは限りませんが、身につけた「努力する姿勢」や「価値観」「考え方」あるいは「問題に突き当たったときの自分なりの対処の仕方」はどこでも求められる能力です。社会に出ると自分とは異なる価値観の人と仕事をすることがあるでしょう。学生時代の経験を活かして、どうすればこのメンバーで成し遂げることができるのかを考え実践してほしいと思います。

働く上で大事にしたいと思うことを見つけてほしい

 就職活動期間が短くなり、学生さんは連日のセミナー参加などで大変だと思います。多くの企業を見るうちに違いが分からなくなり、「同業他社との違いは何ですか?」と質問する学生もいます。そこは答えを焦らず、ぜひ自分で考え抜いてください。同じように聞こえるかもしれませんが、よく聞けば各社の違いが分かるはずです。そうしてさまざまな企業を見ながら、働く上で自分が大事にしたいと思うことは何かを見つけてほしいと思います。働き方なのか、業界なのか、企業規模なのか。その時に自身の大学生活を振り返り、自分は何を大切にしてきたのかを見極めると良いでしょう。それが将来のキャリアを考える上での基礎にもなってくると思います。

 とはいえ、まだ社会に出ていない学生の皆さんは将来のキャリアを想像できないと思います。特に就職活動が始まると目先のことでいっぱいでしょう。そこで大切なのは、学生がもっと先のキャリアを想像できるような機会を与えてあげることです。例えばご父母の皆さんが、自分はどのような仕事をしてきたのか、どのようにキャリアを重ねてきたのかという話をされると良いと思います。将来を見据えて良い経験を積ませてあげること、決して就職がゴールではないこと、キャリアは積み重ねていくものであって終わりがないこと。それを意識させてあげることが、周りの大人にできることだと思います。

酒田 篤也(さかた・あつや)/株式会社野村総合研究所 上級専門スタッフ 人事部 採用課

2000年、早稲田大学理工学部建築学科卒業。アプリケーションエンジニアとして入社。食品スーパーマーケットを中心とした流通業界の顧客に対して、業務改善提案、システム企画・設計・構築・保守を担当。2009年より本部内人材育成、新人研修担当を兼務。2010年10月より現職。

株式会社野村総合研究所
日本初の民間シンクタンクとして誕生。コンサルティング、金融ITソリューション、産業ITソリューション、IT基盤サービスの4つの事業を通して、社会の仕組みづくり、お客様のビジネス、人々の快適な暮らしを支えている。「未来創発」を企業理念に掲げ、その軸となる「ナビゲーション×ソリューション」を機能させながら、社会や産業、企業の発展につながる価値を提供している。

キャリアセンターより
自分らしい生き方を見つけましょう

 大学生活は、自分と社会とのかかわり方や、自分らしい生き方を見つけるための旅でもあります「。自分がどうやって生きていくのか。これまで紡いできた『自分だけの物語(人生)』から、自分の将来を考えたい」と言った学生がいましたが、このことばと酒田さんがおっしゃる「自分らしさ」との間には、通じるものがあると感じます。