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キャリアの羅針盤 学生と進路選択

柳原 美穂(やなぎはら・みほ)ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社 ヒューマンリソース HRマネージャー(リーダーシップ開発) 略歴はこちらから

仕事のキャリアは持久走 だからこそパッションが必要

柳原 美穂(やなぎはら・みほ)/
ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社
ヒューマンリソース
HRマネージャー(リーダーシップ開発)

採用担当者に就職活動の最新事情や、普段どのような意識で採用活動に携わっているかをお聞きする「キャリアの羅針盤」。今回はユニリーバ・ジャパンの柳原美穂さんにお話を伺いました。

毎日の積み重ねが世の中への大きなインパクトに

 当社は、世界中で約180カ国で事業を展開するグローバル消費材メーカー、ユニリーバの日本法人です。日本でも1964年の設立以来、ローカルに根ざし、日本人の文化やニーズに合わせた製品を国内で開発、製造し、市場に提供してきました。当社は日本にも工場があります。そうした背景からか、中途入社社員からは、グローバル企業と日本企業の両方の良さを感じると言われます。私自身も、カジュアルでオープンな雰囲気と仕事に対する誠実さが当社の特長だと感じています。

 私たちが求めている人材は、第一に、成長意欲のある人材です。ビジネスですから、自分の成長だけでなく、ビジネスの成長にも関心がある人を求めています。また、一つの製品が世の中に出て行くまでには、複数の部門のさまざまな人との協力が欠かせません。ですので、チームの中で働くことができることも重要です。採用は職種別ですが、入社後も、例えば営業職でもマーケティングを経験するなど、できるだけ別の職種を経験することを通じて視野を広げ、店頭に並ぶ商品の一つひとつが、自分の部署だけの努力ではない、すべての部署が苦労し、協力をしあった結果であることを理解できるように育成しています。

 第二に、消費財メーカーですから、商品を通じて人々の生活に喜びを与えたいと考えられることです。私たちの商品の一つひとつは、日常生活の中の小さなものですが、大変多くの人々に日々、当社のブランドを使ってもらっています。その数は、毎日、全世界で20億人です。私たちの仕事が、世の中に大きなインパクトを与えているということを想像し、そこにやりがいを感じられる人を求めています。

男女を問わず実力を発揮しやりがいを持てる職場

 ユニリーバはダイバーシティが進んでいる会社で、日本法人の社員に占める女性の割合は、全体で約35%、35歳以下ではほぼ半々です。課長職では28%が女性で、日本の課長職の女性比率の平均が約7%であることを考えると非常に高い数字です。これはユニリーバ・ジャパンが「女性にやさしい会社」だからではなく、性別・年齢・国籍・人種に関わらず、実力で採用・昇進することが徹底しているからであり、女性、男性に関わらず仕事にやりがいを持っているということの結果だと思っています。ですから、女性・男性に関わらず、厳しいですよ。ですが、「実力主義」ではあるものの、お互いに助け合う文化があり、「ぎすぎすしていないですね」とよく言われます。社員の国籍もさまざまで、全社的には14カ国にのぼります(2011年4月現在)。社内のコミュニケーションは、例えば会議で日本語ができない人がいる場合には、英語になります。英語は必須ですが、本社が英国だからクイーンズイングリッシュでなければならないとか、流暢である必要はありません。ダイバーシティを尊重しているため、その国のアクセントのある英語で話しても誰も気にしないのです。また、その人の能力開発の必要に応じて、世界のさまざまな支社に赴任の機会があります。個性を生かし、グローバル規模で社員を育てる環境が、やりがいを生み出していると思います。

すべての仕事の土台となるのは論理的に物事を考える力

 学生さんの中には、社会人になる前にプレゼンの練習をしたりしなければと考える人も多いようですが、ビジネスに必要なスキルは、入社後にトレーニングすれば心配ありません。それよりも、学生時代にはすべてのスキルの土台となる論理的に物事を考える力とコミュニケーション力を磨いてください。これらの力は簡単に培えるものではありません。時間のある大学生のときに、大学生にしかできないことをしてほしい。人と出会って、本を読んで、さまざまな経験をして、そうした力を身に付けていってほしいと思います。

 そして、やりたいことを探しましょう。でも、自分のセンスを信じて、自己分析をしすぎないことも大切。迷っている学生に、私はよく「自分のガッツフィーリングを信じろ」と言います。仕事のキャリアは何十年も続くマラソンです。パッションがなければ長続きしません。仕事ですから時にはつらいこともあります。でもパッションがあれば乗り越えられます。もし具体的にやりたい仕事が見つからなかったとしても、仕事を探す上で「これだけは譲れない」というものは、誰にでもあると思います。私の就職は、当時はまだ女性の新卒採用が限られていた時代だったので、「自分らしく働ける」ことが、譲れないポイントでした。

 自分を幸せにできるのは自分だけです。ぜひ、幸せになれるキャリアをみつけてください。

キャリアセンターより
正解を探すのではなく、自分の解答を創る

 就職活動を始めるとさまざまな情報が一気に押し寄せてきます。その情報の中から、自分に必要な情報、自分に有用な情報を選り分けることが、非常に重要になります。その選り分けの基準になるのは、学生自身がこれまでに培ってきた能力や経験です。これまでの20年余を振り返りながら、自分の情熱の向く先を見極めた上で、就職活動に臨んでほしいと思います。

柳原 美穂(やなぎはら・みほ)/ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社 ヒューマンリソース HRマネージャー(リーダーシップ開発)

1990年一橋大学卒。日本リーバ(株)(現ユニリーバ・ジャパン(株))に入社後、マーケティング部門に配属。ラックスパーソナルウォッシュ、ポンズ、リプトンなどのブランドを担当。2003年に人事に異動し、現在は採用・教育を担当。自分の子育てと仕事の両立の経験を生かし、ワークライフバランスを実現できる制度づくりにも継続して取り組む。

ユニリーバ・ジャパン
1964年、世界最大級の消費財メーカー、ユニリーバの日本法人として設立。食品とホームケア・パーソナルケアの2つの市場で、ラックス、ダヴ、ポンズ、アックス、リプトンなどのトップブランドを展開。