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キャリアの羅針盤 学生と進路選択

前田 かほる 略歴はこちらから

強みを育て、多様な経験を積むことがキャリアの第一歩

前田 かほる/株式会社プログレス代表取締役社長

 今号からスタートした、「キャリアの羅針盤」。卒業後の進路を選ぶため、学生に必要なことを考えるためのコーナーです。第1回目は、本学キャリアセンターのイベントなどで長年、学生の指導にあたってこられたキャリアコンサルタントの前田かほるさんに、現在の学生を取り巻くキャリアの概況についてお聞きしました。

人生の進路を決める重要な時期

――まず、大学生が考えるべき「キャリア」とはどういうものなのでしょうか。

 大学生に考えてほしいキャリアとは、「これからの人生で何をして生きていくか」ということですね。日本においては、職業選択の最初にして最大のステップは大学卒業時。近年は転職などにも多少は寛容になってきましたが、いまだに企業の採用の大部分は新卒に集中しており、20代後半で転職するにしても初めての職がキャリアの第一歩としてものを言います。だから、大学4年間は人生の進路を決める重要な時期なのです。それを意識して過ごしてほしいですね。

――職業的なキャリアのスタートは新卒時の就職ということですね。近年、企業が求める学生像に変化はあるのでしょうか。

 求める学生像は企業によって違いますが、変化が激しい時代には、「主体性と適応力」がキャリアを支える2本の柱と言われています。つまりしっかりと自分の強みを意識して、どんな国や組織でも柔軟に働くことができる人物です。この2つの能力の芽を備えた学生は多くの企業から獲得したい人材に映ると思います。

――その2つの特性を学生時代に身につけるにはどのようなことが必要ですか。

 主体性は、他人から評価された自分の強みを認識し、自分で磨きをかけることで築かれます。よく学生から「私はリーダーシップや積極性といった強みとなる個性がない」という相談を受けますが、強みは画一的なものではありません。例えば「気が利くこと」をアピールして大手文房具メーカーに就職した学生がいました。大切なのは自分の強みに気付き、育てる姿勢です。

 また適応力はサークル活動、ボランティア、アルバイトなど社会経験を積む中で磨かれるもの。多様な年齢層の人、多様な文化の人と共に活動する経験から、さまざまな人、状況の中で自分を生かす力を身に付けていきます。企業も社会経験の有無を重視しますから、大学の勉強はもちろん大事ですが、それ以外の社会経験の場を自ら求めて少し背伸びしながら経験することが重要です。

働くことに意識を向ける

――父母にとって子供の就職は大きな関心事ですが、親として何かできることはありますか。

 就職活動が本格化する前に、「働く人」の参考となるモデルを示してあげるといいですね。自分の仕事について語ったり、親類など身近な30 ~40代の大人がどのように職場を選び働いているかを子どもに話すこと。すると子どもは、働くことに対して具体的なイメージを持つことができます。逆に「好きにしなさい」といってしまうと迷っている子どもの支えにはなりません。厳しい就職活動で好きにできないから行き詰まっていたり、好きかどうかわからないから迷っているのですから。むしろ、どんな企業でも新卒就職という大きな働く機会を逃さずチャレンジするよう励ますことですね。

――最後に、大学のキャリアサポートを活用する上で留意すべき点を教えてください。

 早稲田大学はサポートが行き届いている大学の一つ。キャリアセンターには多くの企業から情報が寄せられており、就職に向けてこれほどチャンスに満ちた大学は他に思い浮かびません。また早稲田の学生はチャレンジ精神が旺盛ですね。ですから2年生になる頃から、就職に対してアンテナを張り、セミナーなどに積極的に参加することを勧めます。繰り返しになりますが、大学はキャリアを踏み出す前の大切な期間。大学のサポートをうまく利用しながら、人生のキャリアを踏み出していってほしいと思います。

前田 かほる(まえだ・かほる)/株式会社プログレス代表取締役社長

早稲田大学第一文学部日本史学専修卒業。法政大学大学院キャリアデザイン専攻経営学修士取得。幼児教育・キャリア教育・企業内教育を行う(株)プログレス代表取締役社長。企業コンサルタントとして社員研修講師を務める一方で、早稲田大学、東京大学などで、学生のキャリア教育および職業指導も行っている。