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現場レポート陸前高田市・パントマイムサークル舞☆夢☆踏

活動名

東日本大震災復興支援 体育部、サークルによるボランティア

活動期間

2011年8月9日(火)~11日(木)

活動地

岩手県陸前高田市、宮城県名取市

活動内容

(1)がれき拾い、草刈り
(2)演奏・パフォーマンス活動(高寿園、高田病院)
(3)なとり鎮魂灯篭流し準備作業

参加者

学生31名(ボクシング部14名、フィルハーモニー管弦楽団10名、パントマイム舞☆夢☆踏7名)、
引率教職員5名

出来ること、続けること

パントマイム舞☆夢☆踏 所属
文化構想学部5年 兼桝 綾

 2011年3月11日、私たちパントマイム舞☆夢☆踏は、一年の活動の集大成である「卒業ライブ」を一週間後に控えて、猛練習の最中でした。 地震がおこり、私達はライブを中止にするかどうか悩みました。「こんな大変な時に、パフォーマンスなんかやっていていいのか」話し合いが何度も繰り返され、 結果的には、関係者とOBだけに公開するというかたちで、公演を行いました。その時には、サークルメンバーの意識は、「こんな時だからこそ」という風に変わっていたように思います。 そのような経緯があり、今回、陸前高田の高田病院でパフォーマンスを、とお話をいただいた時に、私は、あの時ライブ中止という判断をしなかったからこそ、 被災した地域の現況を、サークルのメンバーで、しっかりと見るべきだと思いました。そして私たちの活動を活かして何かの役に立てるのなら、こんなに嬉しいことはないと思いました。 それが参加を決めた、大きな理由です。

 現地を訪れてみて街を歩き、その土地の方々とお話したり、イベントのお手伝いをさせていただいて、テレビの映像で見るだけだった被害の状況を、 実際におこったこととして、強く感じました。海から何キロも離れているのに、あたり一面海水の匂いがしていました。一緒に遊んでいる途中、 校庭に埋まっていた泥だらけのぬいぐるみを「これ家にあったやつだ!」と嬉しそうに拾った男の子の様子、 車に乗せてくださった現地の方から聞いた、就職活動中の学生が、避難中にパソコンをとりに家に戻り、そのまま流されてしまったというお話、などが、心にずっと残っています。

 “とは言っても、私たちの活動は、何かの役に立つのだろうか?”出発前に抱いていた不安に反して、高田病院での公演は、沢山の方に喜んでいただけました。 来院した患者さんや職員さんに、その日のために練習したパントマイムのパフォーマンスを見ていただいた後、バルーンをお配りして、一緒に、バルーンアートを作り、交流しました。 パフォーマンスをする、ということは、物理的な復興には直接役立つことではありません。 が、病院の方に「パントマイム、良かったよ!」と声をかけていただいたり、参加した子供とそのお母さんが、作ったバルーンを大事に持ち帰る様子を見て、 こういったとことの需要も、確かにあると感じました。

 現地を実際に訪れてみなければ、分からないことが多くありました。また、私はこれまで、早稲田大学に所属しているという意識の弱い学生だったのですが、活動の中で、今回機会を提供してくださった高田病院の石木院長をはじめ、読売新聞記者の中根さん、宿泊所を提供してくださった藤沢町沼倉副町長、なとり鎮魂灯篭流し実行委員会の櫻井委員長、など出会った 校友の方々が、復興という同じ目的のために力を注いでいらしゃる様子を見て、つながりの大切さを感じました。この経験を一度きりで完結させず、自分に出来ることを考え、続けていくことが必要だと感じています。

(2011年8月18日)