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学生・教職員127名が宮城県名取市・気仙沼市へ
復興イベントの運営支援ボランティアを行いました

 東日本大震災から1年を迎えた11日、被災した東北地方の各地で、犠牲者の冥福を祈るとともに、復興への願いを込めた様々な行事が行われました。地震が発生した午後2時46分には黙とうが行われ、東北地方そして日本中で祈りが捧げられました。

 これまでに学生・教職員など延べ約2,000人のボランティアを現地に派遣し、復興に尽力してきた早稲田平山郁夫記念ボランティアセンター(WAVOC)では、宮城県名取市と気仙沼市に計127名の学生・教職員(うち、学生109名)を派遣。前日深夜にバスで東京を出たメンバーは、早朝に現地入りし、11日に開催された以下のイベント運営の後方支援に汗を流し、復興支援への決意を新たにしました。

 なお、両市ではこれまで名取市で88名、気仙沼市で569名の学生・教職員がボランティアを行っています。

名取市「3.11ゆりあげの集い」

 「3.11ゆりあげの集い」は第一部と第二部に分かれて実施され、85名の学生・教職員(うち学生72名)がボランティアを行いました。

 第一部は、ゆりあげ自慢の海の幸などを販売する「ゆりあげ港朝市」の開催。長いあいだ市民に親しまれてきた同朝市は、震災によって港と周辺地域が大きな被害を受けたため、震災後は場所を変えて開催していますが、同日限定で、震災前と同じ旧会場(閖上5丁目15)に市を開きました。訪れた方々は、久しぶりの会場での開催に、懐かしそうな様子で試食や買い物を楽しんでいました。熱気球体験や復興応援ライブも行われ、会場は21,000人の参加者でにぎわっていました。交通整備を担当した学生は、大きな声を出して参加した方たちの誘導を行っていました。

 一方、それ以外の学生は第二部の追悼イベントで使用される灯篭の組み立てや護摩焚きの準備、会場設営などに従事。グラウンドのぬかるみに足をとられるなどして苦戦していましたが、初めて顔を合わす学生が多い中、お互いに声を掛け合って教え合いながらそれぞれの作業を行っていました。今回、学生リーダーとして参加したアジア太平洋研究科博士課程3年の嶋内佐絵さんは、「現地のスタッフの方が『さすが早稲田』と褒めてくださり、期待を裏切らずに活動でき嬉しかった。今回のイベントのお手伝いがもたらした来場者数や運営スタッフの方・来場者の方の反応といった具体的な結果よりも、過程の部分が復興支援において何か意味があるのかなと思った」と語っていました。

 4,000人が訪れた第二部では、閖上中学校でキャンドルナイトや追悼ライブ、護摩焚き、手作り絵灯篭への点火が行われました。キャンドルナイトin閖上に訪れた方々は、校舎の上から竹灯篭や絵ろうそくで書かれた「絆」や「3.11」などのメッセージを見つめていました。また、朝市終了後の会場では、震災で亡くなられた方への追悼の想いをこめて、弥生灯火会(やよいとうかえ)を開催。それぞれの想いがこめられた熱紙風船が空にあがりました。今回が震災ボランティア初参加だった文化構想学部1年の田中拓真さんは、「自分の目で見た被災地は、これまでメディアを通して見てきたものとは全く違った。現場では求められる役割がどんどん変わり、臨機応変に対応する難しさを知った。今後も活動を続けたい」と話していました。

気仙沼市「3月11日からのヒカリ」

 「3月11日からのヒカリ」には学生・教職員42名(うち学生37名)が参加し、イベントの運営支援を行いました。

 同イベントは、犠牲者を弔おうとする人々が集う場所や、手を合わせる慰霊碑のない被災地に、“悼みと希望のひかり”として人工の光を灯すというプロジェクトです。「世界中の人々の気持ちを寄せ合い、震災の記憶を刻む碑となり、私たちの未来を照らす灯となること」を願って、大きな被害を受けた気仙沼の内湾(鼎が浦)で、日の入り後のほのかな暗闇の空に、投影機材による光の柱が約6時間にわたり立ち上りました。気仙沼の夜は寒く雪も降りましたが、澄み渡る夜空に3本の光の筋がまっすぐのびていました。

 ボランティアに参加した法学部2年の金子果穂さんは、「イベントの警備をしている中で、現地の方々やメンバーと『お疲れさま』『ありがとう』等の言葉を掛け合い、人の温かさを感じられる場面が多くあった。現地の女性が1人、ヒカリをじっと見つめて拝んでいらっしゃった姿が印象に残っている。震災の記憶を深く心に刻み、これからも決して忘れてはならない、と強く感じた。今後も当事者としての意識を持ち、継続的に支援をして行きたいと思う」と語りました。

 『WAVOCは、東日本大震災後、被災地に2000名を超える学生・教職員を派遣し、泥かき・がれき撤去などの復興支援活動やスポーツ、音楽、学習指導など現地のニーズに合わせて様々な活動を行ってきました。被災地は今も多くの人手を必要としています。わたしたちは、今後も各種支援やボランティアを通じ、震災復興に貢献していきます』(WAVOC、ボランティアメンバー一同)

リンク

平山郁夫記念ボランティアセンター 東日本大震災復興支援プロジェクト

名取市「3.11ゆりあげの集い」

気仙沼市「3月11日からのヒカリ」