ビジョンカート/ペイシェントカートから送られてくる画像からハイビジョン3D画像を作成。 サージョンコンソール/術者が操作する機器。ハイビジョン3D画像を見ながら、自分でカメラや鉗子を操作する。鉗子は人の手では不可能な360度以上回転し、手振れも補正されるため、繊細な動きが可能となる。 ペイシェントカート/患者に接続する機器。4本のアームには、高画質な3次元カメラ、術者が操作するロボット専用の鉗子を接続する。 |
||||
ビジョンカート | サージョンコンソール | ペイシェントカート |
ビジョンカート | サージョンコンソール | ペイシェントカート |
ビジョンカート/ペイシェントカートから送られてくる画像からハイビジョン3D画像を作成。 サージョンコンソール/術者が操作する機器。ハイビジョン3D画像を見ながら、自分でカメラや鉗子を操作する。鉗子は人の手では不可能な360度以上回転し、手振れも補正されるため、繊細な動きが可能となる。 ペイシェントカート/患者に接続する機器。4本のアームには、高画質な3次元カメラ、術者が操作するロボット専用の鉗子を接続する。 |
地域医療と先進医療が調和する大学病院
病院長
椎名 浩昭
当院は、これまで特定機能病院として高度急性期医療、がん診療の推進、再生医療の充実を図って参りました。特にがん診療においては、都道府県がん診療連携拠点病院として先端がん治療センターを設置し、手術、化学療法を含めた薬物療法、放射線治療の質を向上させ、緩和ケアにも丁寧に取り組んでいます。
2018年に厚生労働省より「がんゲノム医療連携病院」に指定され、「がんゲノム医療センター」を設置してゲノム医療にも取り組んでいます。また、希少がん、小児がん対策、がん患者さんの就労支援を含む包括的ながん診療を推進しています。
がん診療の中核をなす手術療法においては、2012年に泌尿器科でロボット支援手術を導入しました。2018年にはロボット支援手術推進センターを立ち上げ、泌尿器科に加え呼吸器外科、消化器外科、婦人科もロボット支援手術を導入しています。本センターの設置により、各診療科のノウハウを共有し、相互のチェック体制や協力体制が強化されました。
これからも、より安全で確実な手術を目指し、地域の患者さんに安心してロボット支援手術を受けて頂けるよう、病院として取り組んで参ります。
「ロボット支援手術推進センター」を中心とした円滑な運用ロボット支援手術は、手術用ロボットを術者が操縦し、狭い空間でも細かい操作を的確かつより安全に行うことができる先進の技術です。島根大学医学部附属病院では、患者さんへの負担が少ない低侵襲手術として2012年にダビンチSを導入し、2017年にダビンチXiに更新しました。2020年度には年間約130件を実施し、2021年度は更に増加する見通しです。当院に設置しているロボット支援手術推進センターでは、呼吸器外科、消化器外科、婦人科、泌尿器科、麻酔科、看護部、MEセンターが協力してロボット支援手術の運用にあたり、主に悪性腫瘍(がん)に対する手術を積極的に実施しています。 呼吸器外科は2021年8月に循環器・呼吸器外科のユニットから独立・新設されました。既に導入されていたロボット支援手術を、9月より新しいメンバーで再開致しました。肺がんや縦隔腫瘍の患者さんを対象として、標準的治療の一環としてロボット支援手術を実施して参ります。 消化器外科では食道がん、胃がん、直腸がん手術をロボットを用いて実施しています。手術適応は切除可能な症例全例です。ロボットを用いることで術後合併症の発生率の低下、予後の改善が期待されます。 消化器外科大腸領域では、直腸がんに対するロボット支援手術を行っています。直腸がんの手術は骨盤内という非常に狭いところの手術なので、より繊細な操作が要求されます。これまでに約30件の手術を実施しており、今後も直腸がん手術の主役として実施していく予定です。 婦人科では、子宮筋腫などの良性疾患に対する子宮全摘と、子宮がん(子宮体がん)に対する根治手術を、ロボットを用いて実施しています。これまでに約80件の手術を実施致しました。従来の腹腔鏡手術に比べて明らかに出血量が少なく、術後の回復も早いため、今後さらに積極的に実施していく予定です。 泌尿器科では泌尿器科領域のがんに対して前立腺全摘除術、膀胱全摘除術、腎部分切除術をロボットで実施しています。これまでに約600件以上の手術を実施し、患者さんへの負担も軽く、手術成績も良好です。ロボットを使用した腎盂形成術や仙骨膣固定術も順次開始していく予定です。 高度な医療であるロボット支援手術を患者さんに安心して受けて頂けるよう、各科の全てのロボット手術において、術前・術中・術後まで、熟練した麻酔科医による安全な麻酔と全身管理を実施しています。 手術部看護師は手術中だけではなく、術前外来や術前後訪問を通じて、患者さんの気持ちに寄り添う看護を目指しております。また、各科の医師と協力し、手術体位に応じた皮膚トラブルや神経障害の予防の取り組みを積極的に行っております。医師だけでなく、臨床工学技士や中央材料部など多くの方々と協力しながら安全な手術医療に貢献できるよう努力を続けてまいります。 臨床工学技士(ME)が所属するMEセンターでは、ロボットや周辺機器の設定、準備、修理やメンテナンスなど、手術が安全に行われるための業務を行っております。 当院ではMEが清潔区域にも入り、ロボット手術をトータルとしてバックアップする体制を整えています。今後もロボット手術の増加が見込まれる中で、安全に医療機器を使用できるよう更に努力して参ります。 常に安全な手術の提供を目標に業務を行っています |
島根大学医学部附属病院
〒693-8501 島根県出雲市塩冶町89-1 TEL.0853-23-2111(代)
https://www.med.shimane-u.ac.jp/hospital/