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WEB併載企画 受けたい医療2020 本態性振戦の先進医療
集束超音波治療機器エクサブレート

 本態性振戦の先進手術である、MRガイド下集束超音波療法とは従来の開頭手術や脳深部刺激療法とは違い、頭蓋骨外部から超音波を照射し、治療部位に集束させ、身体の不随意運動を起こす病変の部分を熱凝固し、変調をおこす原因となる神経信号を遮断する療法です。今後は他の病気などにも対象が広がることが期待されています。



集束超音波治療(FUS)の特徴
集束超音波治療(FUS)の特徴

 MRガイド下集束超音波治療は、画期的な非侵襲的(メスを使わない)治療です。頭を切開することなくMRIで頭蓋の中の画像を確認しながら、脳の神経が異常な部分を特定し、超音波を一点に誘導させ照射します。治療の状態を常にモニタリングしながら治療を進め、患者の症状と改善の具合を確認しながら治療が可能です。入院が他の外科治療に比べて短く、早期の社会復帰が期待できます。



中高年に多い手や頭が振える 本態性振戦とは
症状

 本態性振戦は「ふるえ」のみを症状とする病気で、ふるえてペンや箸を上手く使えなかったり、コップなどの飲み物をこぼしたり、声がふるえるなどの症状が出ます。場合によっては日常生活にも支障をきたすようになり、そのことからくる孤立感も患者にとっての大きな苦痛となる例も報告されています。発症原因としては、神経の信号を調節する脳の視床の一部に変調が生じることが考えられています。本態性振戦は高齢者に多くみられ、若い世代でも発症することもあり、その場合は、長期的にふるえが悪化する可能性があります。遺伝が原因で生じるケースもあれば、本態性振戦の家族歴が無い人でも発症する場合もあります。

治療法

 治療は、症状の程度によって異なります。ふるえが軽度の患者が日常生活に不自由をきたすようになると、抗てんかん剤やベータ遮断薬が処方され治療が必要になります。薬による治療で十分な効果が得られない場合には外科的治療が検討されることになります。脳の手術を必要とする場合には、脳の病変部を電極で凝固する高周波凝固術と胸のペースメーカーに似た装置を植え込み、病変部に電極を挿入し電気で刺激を与え調整する脳深部刺激療法があります。こちらの手術を行うには、頭蓋骨に穴をあける必要があります。また、ガンマナイフや集束超音波治療機器(エクサブレート)を用いて切らずに脳の病変部を破壊する方法も近年では取られています。


MR ガイド下集束超音波治療(FUS)とは
集束超音波治療(FUS)の特徴

 厚生労働省より2019年6月に保険診療になった、MRガイド下集束超音波治療による本態性振戦の治療は、非侵襲的な(メスを使わない)外科的治療として臨床件数が増えています。この治療の特徴としては、MRIで頭蓋の中の画像を確認しながら治療部位を特定し、超音波を一点に誘導させて照射した後に、治療の状態を常にモリタリングしながら病変部分を熱凝固し、治療を行うことがあげられます。頭を切らずに治療ができるため体への負担が少なく、手術も個人差はありますが2~4時間ほどで済み、翌日には退院することも可能です。さらに通常の手術治療に見られる、感染症などのリスクを抑えることが可能です。



掲載病院一覧(順不同)
北斗病院 北海道大野記念病院 熊谷総合病院 新百合ヶ丘総合病院
名古屋共立病院 彩都友紘会病院 大西脳神経外科病院 貞本病院



副院長 脳神経内科(臨床研究支援センター)金藤 公人

社会医療法人北斗 北斗病院

社会医療法人北斗 北斗病院

〒080-0833
北海道帯広市稲田町基線7-5
TEL.0155-48-8000
https://www.hokuto7.or.jp

地方から発信する先進医療!FUS治療が救う難治性疾患

 当法人は急性期病院(267床)に加え、リハビリセンター(199床)や「福祉村」関連施設を有し、北海道・十勝の地域医療に貢献しています。社会医療法人としてロシア・ウラジオストクで検診やリハビリ事業を展開するなど海外でも新たな挑戦を行ったり、海外から医療スタッフを受け入れたり、日本国際病院認定の国際色豊かな病院です。また次世代シーケンサーを活用したがん遺伝子検索の臨床応用や脳磁図(MEG)データの公開など、地方にあっても最新器機を取りそろえ、先進医療や研究を行う革新に満ちた法人です。
 集束超音波治療(FUS)機器の導入も早く、本態性振戦の臨床試験後5年目を迎えた患者さんも再発なく経過も良好です。グループ病院である熊谷総合病院にも同機が導入され、相互に協力し治療を行っています。
 当院では脳機能外科医と神経内科医との連携が密な利点を活かして、日本初のパーキンソン病に対するFUS臨床試験も進行中です。保険収載でさらに多くの患者さんにFUSが寄与するために治療ニーズに応えていきます。




脳神経外科主任医長 FUS治療責任医師 寺川 雄三

社会医療法人孝仁会 北海道大野記念病院

社会医療法人孝仁会
北海道大野記念病院

〒063-0052
札幌市西区宮の沢2条1丁目16-1
TEL.011-665-0020
https://ohno-kinen.jp

患者さんから喜びの声も多く 治療後の経過も良好

 当院は2016年に新築移転し、三大疾病と運動器疾患を中心とした高度急性期医療を提供する病院として、再スタートしました。同時に先進医療機器の導入も積極的に推進中です。
 これまでに当院でFUS治療を受けた患者さんの1人は、細かい手作業の仕事をされる方で仕事道具が持てないほどの振えでしたが、振えがなくなり現在は仕事に復帰されています。
 治療は、まず薬物療法で振えが止まらない方が前提となり、本態性振戦の確定診断が出た方に対して、頭蓋骨密度比が低いなどを判断し、治療を行います。医師だけでなく、リハビリ・看護師・診療放射線技師などの専門チームで、一人ひとりの患者さんへベストな治療を目指しています。
 集束超音波治療は治療中、医師と状況を対話確認しながら超音波照射できる優れた治療法ですがまだ認知度が低いため、地元の神経内科を持つ病院には講演会・手術見学などを通して治療法の周知に努め、患者さんの紹介をお願いしています。
 当院では将来的には、脳腫瘍治療にも応用できる治療方法と考えています。




脳神経外科 医長 掛川 徹

医療法人 熊谷総合病院

医療法人 熊谷総合病院

〒360-8567
埼玉県熊谷市中西4-5-1
TEL.048-521-0065
https://www.kumasou.or.jp/

多様な本態性振戦の患者を治療 保険収載後も順調に10例実施

 2020年竣工予定の新病院棟・玄関棟をはじめ、先進医療機器の導入など、当院は積極的に病院機能の拡充を図っています。
 本態性振戦に対する集束超音波治療も当院では2017年5月に開始しており、これまでに26例の治療を終えています。治療患者は年齢で30代から80代まで、日本人23名、外国人3名、女性は5名でした。
 治療には、手術ドクター、ガイドのドクター2人、MR技師2名、看護師1名、医療機器メーカーから技術者などテクニカルサポートが入ります。
 集束超音波による手術は1時間半~3時間半ほどですが、多くの時間は治療部位を特定するための仮照射と、照射ごとに発生する熱を冷ますための時間です。準備段階も含め治療には約半日の時間が必要で、患者さんには2泊3日の入院をお願いしています。
 治療部位の周辺には一時的なむくみが生じて、ふらつき、脱力感、知覚障害が出現することが多いですが、1~3ヵ月の間に回復します。
 今後も地域の医療機関と連携し、低侵襲の治療法を広めていきたいと考えています。




脳神経外科(機能外科部門)部長 仲野 雅幸

南東北グループ 医療法人社団三成会 新百合ヶ丘総合病院

南東北グループ 医療法人社団三成会
新百合ヶ丘総合病院

〒215-0026
神奈川県川崎市麻生区古沢都古255
TEL.0800-800-6456
(月~土 9:00~17:00 ※日・祝除く)
http://www.shinyuri-hospital.com

日本で最初に導入 4科のチーム体制で安全性に努める

 当院は、川崎市北部の不足病床を補い、産婦人科・小児科を含む地域医療の充実と救急医療体制作りをめざして2012年に開院。常に地域住民へ先進的な医療を提供してきました。
 集束超音波治療(FUS)を行う機器を2012年に日本で最初に導入、翌年には臨床試験を開始、2019年6月にFUSが保険適用となってから本格稼働しています。
 当院のFUSは脳神経外科、神経内科、麻酔科、放射線科の4科の医師が同時に関わる、チーム医療で行うのが特徴です。患者さんには安全面に加え、治療効果を詳細に確認できるのもメリットでしょう。頭を切らずに治療ができるため、従来は、穿頭を要する手術のリスクが高いと判断され、手術を受けられなかった、高齢の患者さんの福音ともなっています。
 2020年度には新棟オープンとともに、MRIを追加導入する予定で、パワーアップが期待されます。近隣の医療機関とも連携して啓発に力を入れています。また、南東北グループの総合南東北病院(郡山市)や総合東京病院(中野区)の外来で相談を受けることも可能です。




集束超音波治療 センター長 津川 隆彦

医療法人偕行会 名古屋共立病院

医療法人偕行会 名古屋共立病院

〒454-0933
名古屋市中川区法華一丁目172
TEL.052-362-5151
https://www.kaikou.or.jp/kyouritsu

術中から振るえが止まり 効果が目に見える治療

 地域で高度な医療を提供する専門性に特化した高機能病院を目指し1979年に開業した当院は、「最新の医療を、苦痛は少なく、そしてなるべく早く」という医療方針の下に、低侵襲の先進医療機器を積極的に導入してきました。
 なかでも集束超音波治療機器は2017年7月に中部エリアで初めて導入し、本態性振戦に対する診療を行ってきましたが今般、健康保険が適用されたことで患者様の経済的負担が大幅に軽減されます。
 当院では本態性振戦の振るえを治したいという患者様やご家族からの問い合わせが絶えず、これまでに36名(うち保険適用後7名)の患者様に対し治療を行っています。
 超音波を用い開頭しない低侵襲なことが特徴の治療法で、術中から効果が表れ、振るえが止まるので、患者様はもちろん、この治療法を見学に訪れた医師の方々も驚くほどです。
 治療体制としては名古屋大学医学部脳神経外科の機能外科グループと連携して診断及び治療を行っています。当院を受診された患者様には状態に応じ薬物治療や手術、そして集束超音波治療機器を用いた治療などを提案させていただいています。




脳神経外科 大阪大学 准教授 押野 悟・病院長 大阪大学 名誉教授 中村 仁信

医療法人友紘会 彩都友紘会病院

医療法人友紘会 彩都友紘会病院

〒567-0085
大阪府茨木市彩都あさぎ7-2-18
TEL.072-641-6898
http://www.saito-yukoukai-hp.jp/

阪大医学部附属病院と緊密に連携し 集束超音波治療で実績を積む

 当院は「切らずにがんを治療する」ことを目指し、2007年に開設されました。そうした治療方針の中で先進の治療機器を導入してきましたが、集束超音波治療機器も2014年に導入し、2019年8月から本態性振戦に対する保険診療を開始しております。
 本治療は、大阪大学医学部附属病院の脳神経外科(貴島晴彦教授)、同神経内科(望月秀樹教授)と、当院の鐘本学医師(脳神経外科医)を中心とするメディカルスタッフが緊密に連携し、実施しています。既に19件のFUSによる治療を終え、骨密度の問題で治療を断念したケースを除き、極めて良好な結果を得ています。
 この治療に関しては、既に20年前に子宮筋腫の治療、肝臓の腫瘍治療などで活用しており、本態性振戦の治療にその経験が活かされています。また、パーキンソン病の臨床試験計画も進行中です。今後、パーキンソン病、そして当病院の専門分野である脳腫瘍など、がん治療に活用できることを望んでいます。




理事長 大西  之

医療法人社団英明会 大西脳神経外科病院

医療法人社団英明会
大西脳神経外科病院

〒674-0064
兵庫県明石市大久保町江井島1661-1
TEL.078-938-1238
http://www.onc.akashi.hyogo.jp/

脳疾患全般に強い病院 機能的脳神経外科医の指導のもとFUS治療を実施

 当院は2000年に、兵庫県播磨地域で先進医療機器を備え救急に対応した本格的な脳神経外科病院として設立されました。以来、人々の健康と社会福祉に貢献し続けてことが認められ、米ベストドクターズ社が選定するベストドクターに6回選出されています。
 24時間365日体制で脳疾患と向き合っており、手術総数867件、脳卒中治療総数1472件、血管内治療手術355件(2018年1月~12月)と実績を伸ばしています。
 本態性振戦のFUS治療は2016年5月に開始。2019年9月15日現在、38例(臨床試験10例、自費治療18例、保険治療10例)と、全国有数の症例数で、いずれも良好な結果を得ています。
 薬物療法が効かない患者さんにとって、開頭、穿孔手術のないFUS治療は低侵襲で有効な治療法であると考えます。
 なかでも当院の特長は、定位脳手術の専門家である機能的脳神経外科医の指導を得ながら治療していることです。また、大学病院をはじめ地域の医療機関と連携し、患者さんの早期社会復帰を支援しています。
 公的医療保険の導入を受け、さらにこの治療を推進していきたいと考えています。




脳疾患先端医療センター部長 伊賀瀬 圭二

医療法人和昌会 貞本病院

医療法人和昌会 貞本病院

〒790-0052
愛媛県松山市竹原町1-6-1
TEL.089-945-1471
http://sadamoto-hsp.jp/

創設48周年の脳神経外科専門病院 先進医療を提供し地域に貢献

 当院は1971年に、中四国地方で脳神経外科専門病院のさきがけとして開設されました。まだ脳梗塞の診断すら難しい時代でした。貞本和彦病院長は1973年から日立メディコと共同で国産CTスキャナの開発研究に従事し、1976年に同スキャナを導入、高度な脳神経外科診療を開始しました。2005年には3TNRIも早期導入し、未破裂脳動脈瘤などの非侵襲的診断の精度を上げ、適切な外科治療も行い、地域医療に貢献してきました。また先進医療機器の早期導入による研究と実績は国内外で高く評価されています。
 2013年には日本で2台目となる、集束超音波治療器・エクサブレートニューロを導入して、本態性振戦の非侵襲的治療〝切らない治療〞を開始。治療には精密な画像診断技術が不可欠で、画像診断部と協力して照射部位の決定を行うことで、安全性の高い治療に努めています。
 現在までに16例の本態性振戦の治療を行い、良好な結果を得ています。治療時間や治療効果の面では解決すべき問題点もあり、愛媛大学の脳神経外科講座や脳神経先端医学講座などと共同して、一日も早くこの治療法が確立できるよう努力しています。




「病院の実力」特別版 受けたい医療 2020

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