日本福祉大学大学院通信教育課程は、現職社会人を主対象に、従来の添削型の通信教育ではなく、インターネットを活用する教育システムを導入して、インタラクティブな講義・研究指導・論文指導を行っています。また、集中的に行われる対面授業(スクーリング)についても、各研究科・専攻の研究領域の特性を踏まえ、フィールドワーク、ワークショップ、相互討議など多様な教育研究手法を取り入れたものとなっています。
スクーリングによる対面授業・指導は、4月・7月・9月・12月・2月・3月(各2日間)、週末を利用して行われます。また、修士論文報告会など修士論文関連プログラムを、1年生は2月、2年生は7月・12月に開催します。スクーリングでは、特講科目「社会福祉研究法論特講」の授業を通じ、大学院における基本的かつ専門的な社会福祉研究方法について集中的に学習するほか、領域演習科目における集中講義や研究発表会・相互討議、個別の修論指導などを行います。
また、教員の研究分野を紹介するとともに院生相互および教員との間の親睦を図るための交流会を設けているほか、必要に応じて、担当教員による個別相談(オフィスアワー)を行い、院生の研究・学習・学生生活上の支援を行っています。
国際社会開発研究科では、スクーリング科目として「地域開発研究科目」を位置づけ、世界3カ国(日本及び東アジア、フィリピン、インド)のそれぞれの開発現場において、歴史・文化・経済構造の異なる社会での実態把握能力、国際社会での必要な発表力と説得力の強化など、開発における総合能力の養成を行うため、現場経験(フィールドワーク)と、事例研究(ケーススタディ)、ディスカッションを重視した教育を行います。
フィリピンおよびインドのスクーリングにおいては、実際に大学・研究機関が指定するスクーリング会場まで大学院生が各自で渡航し、各国の教員・研究者らの指導のもと、5日間にわたる現地の開発現場でのフィールドワークと英語による講義を合宿形式で実施します。最終日には同行教員による論文指導も実施します。日本及び東アジアのスクーリングでは、注目すべき地域福祉やまちづくりの現場を訪れてフィールドワークを実施するとともに、講義・ワークショップや、指導教員ごとの研究指導を実施します。
社会福祉学研究科 社会福祉学専攻 修士課程
保健・医療・福祉・教育等の幅広い領域における現代の諸課題に対応するため、日本福祉大学がこれまで培ってきた社会福祉学研究を基礎としながら、問題解決型・実用型の援助技術と政策・制度の開発を目指した教育と研究を行い、高度な専門的知識の教授と研究指導を通じて、複雑化する現代社会の環境変化に対応できる鋭敏な視点を養います。問題解決志向の研究能力および実践力を備え、実践現場における指導的・中核的役割を担うことのできる優れた高度専門職業人を養成します。
新たな社会福祉を取り巻く環境変化に対応した問題解決と研究開発のために、21世紀型の社会福祉研究方法(実践研究と理論研究の統合、現場と研究機関との双方向研究、ニーズと政策との問題解決型研究など)の創造を目指し、総合的・実証的研究および教育を進めます。
●福祉政策領域=社会福祉の理論と政策
●地域福祉領域=地域福祉の計画とマネジメント
●福祉臨床領域=福祉実践の理論と方法
学習・研究は、テキスト講読、文書添削を中心としたこれまでの通信教育と異なり、インターネットを利用し、インタラクティブ(双方向・対話形式)に行われます。テキスト教材による知識修得を行いながら、インターネット上に用意された「講義室」で定期的に教員の指導や助言を受け、院生間でリアルタイムに近い形で討論・意見交換を行いながら、学習・研究を進めていきます。教員・院生間のインターフェイスを密にすることによって、通学課程と同様の学習効果を追求します。
スクーリングは、社会人が学びやすいよう土日に開催し、修士論文対面指導、論文発表会等、多彩な内容のプログラムを編成しています。
修士論文指導は、質の高い修士論文執筆に向けて、遠隔地に住む院生も不利益なく計画的に研究が進められるよう対面指導とITシステムを併用し、一人ひとりに合わせたきめ細かな指導体制を整備しています。
国際社会開発研究科 国際社会開発専攻 修士課程
本研究科の教育課程は、開発に関連する諸分野を、仕掛け(制度論)と行為(方法論)を中心に、いくつかの分野及び研究領域に区分けして「開発学」として体系化されています。具体的には、マクロ経済からミクロ社会、現状分析から政策論にわたる開発関連分野について総合的に学びます。社会人のために、長期履修制度も設けています。
本研究科は、海外の開発経験をお持ちの方を積極的に受け入れ、2018年度より、海外開発実践に対する単位認定制度を設けます。青年海外協力隊等を含む海外での開発協力実践において、1年以上の経験を有する場合、入学後、指導教員のもとで活動をレビューするレポートを作成し提出のうえ、所定の水準を満たすと認められた場合は、海外開発実践4単位として認定します。
インターネットを活用し、いつでも世界中のどこからでも大学院の学びに参加することができます。各国の開発現場で働く社会人にとって学びやすい大学院です。オンライン上でのやりとりやスクーリングを通じて、あるいは対面の場や会合において、院生同士、そして教員や修了生ともつながりを持つことになります。相互の活動交流・情報交流が良い刺激となるばかりでなく、研究の発展やキャリア開発に結びつくことも少なくありません。