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つくばから未来をつくる
つくばから未来をつくる

大学スポーツの新・地域活性化モデルとは

茨城県を中心に幅広く事業を展開している関彰商事と筑波大学アスレチックデパートメント(AD)がパートナーシップ協定を結び、スポーツを通じて、社員、アスリートの健康増進や新たな事業開発に取り組むことになった。関彰商事の関正樹社長とADの山田晋三・副アスレチックディレクター、鹿島アントラーズの前監督で、同社スポーツアドバイザーを務める大岩剛氏のお三方に、パートナーシップの狙いと今後について語り合っていただいた。

地域の生活の質の向上に貢献して112年
大学主導でスポーツを活用した人材育成

今年6月に関彰商事と筑波大学アスレチックデパートメント(AD)が結んだパートナーシップについて、締結に至った背景と各自の関わり方について、まずお聞かせください。

当社は、1908年(明治41年)の創業ということで、112年の歴史を持ち、石油製品をはじめ自動車、事務機器などの代理店事業を茨城県を中心に営業展開しています。同時に、地域と社会の生活の質の向上に貢献することを目的に、鹿島アントラーズのスポンサードをしたり、2016年に筑波大学に人工芝のグラウンドを寄贈したりしてきました。そうした流れの中で、山田さんとの個人的なご縁もあり、ごく自然な流れでパートナーシップ締結に至ったということですね。
山田
筑波大学では2018年、現在起きている課題を解決し、最高の学校スポーツを創る目的で、アスレチックデパートメント(AD)を新設しました。それまで部ごとに行っていた部活動を、人材育成といった共通の目標のもと、大学が責任をもってプログラムにするということです。いろいろお話ししている中で、関社長のスポーツ本来の価値への思いなど、互いに共感できる点が多くあり、パートナーシップを結ぶことになりました。
大岩
関彰商事がスポンサードをしている鹿島アントラーズに選手、監督として20年近く在籍したのに加え、関社長との個人的なご縁もあり、今年から関彰商事のスポーツアドバイザーに着任しました。また、私自身、筑波大学の蹴球部のOBで、このような両者のパートナーシップ事業に関わることになり、とても感慨深く思っています。
© KASHIMA ANTLERS

関彰商事は「スポーツ文化の振興を通じ、ホームタウン活性の柱になる」という鹿島アントラーズの理念に共感し、1995年よりスポンサー契約を結び、地元企業として積極的に応援しています。

筑波大学アスレチックデパートメントとは

アスレチック(アスリートの)デパートメント(部局)の意味で、米国の大学スポーツ局を長年研究して設立された。「学校でスポーツを行うことの意味と責任」を明確にし、「学校内のガバナンス」「人材育成」「安全対策」「キャリア形成」そして「貢献事業の開発」を担い、それらを教材化することを通して、全国の小学校・中学校・高校・大学を含めた日本の学校スポーツの発展に貢献することをミッションとしている。

スポーツから得られる知見を会社の課題解決に
社員にも選手にも大事なウェルビーイング

具体的には、どのような展開を計画されているのでしょうか?

鹿島アントラーズでも筑波大学の体育会でも、必ず選手の体をケアするトレーナーがいます。これからは会社において、社員の健康をケアする人材が必要となるのではないでしょうか。たとえば、トレーナーのちょっとしたストレッチ指導で、社員が健康に働ける期間が延びると、社員にも会社にも利益になります。それをまず、筑波大学の協力のもと、弊社の社員で実証し、一つのプログラムとして確立します。それを商材として、弊社の法人営業に使っていきたい。会社として地力をつけることで、さらに地域に貢献していきたいと思っています。
山田
スポーツには失敗がつきものです。それを乗り越えて成長していかなくてはなりません。そうした過程から得られた知見は、会社組織におけるリーダーシップ育成や生産性向上にも生かすことができます。まさに課題解決です。そうした課題解決の仕組みを関彰商事さんと一緒に創り上げていきたいと思っています。
また、先ほど、関社長から、社員の方の健康についてお話がありましたが、スポーツの世界のみならず、これからの社会において「身体的、精神的、社会的に充足された状態」=「ウェルビーイング(Well-Being)」がとても注目されています。学生アスリートに対して行っているウェルビーイング向上の取り組みを、社員の方にも生かしていく予定です。
弊社では2年前に、人事部人事企画課をヒューマンケア部ウェルビーイング課に改称したのですよ。人事部という名称は、社員を会社に付属した存在としてとらえているように感じたのです。そうではなくて、社員が仕事でもプライベートでも心身ともに充実して、仕事に打ち込める環境づくりをサポートしたいと思い、改称しました。
人間ですから完璧ではありません。人に言えない悩みもあります。それを乗り越えるのは個人の力なのですが、そうした力をつける、社員一人一人の意識を高めるのに、スポーツ、そしてADの知見から学べることは多いだろうと期待しています。
大岩
プライベートがしっかりしていないとか、ウェルビーイングが不足している選手はピッチの上で、大事な場面に限って消極的なプレーを選択しますね。プロの選手はただ試合をすればいいというわけではなくて、試合でベストのパフォーマンスを出すために、日々の生活を充実させています。それは会社の社員の方も同じで、ウェルビーイングの向上はとても大事なことだと思います。

ADの表彰式。学生はオシャレをして集う。人材育成の目的から競技をどれだけ頑張っても学業成績平均(GPA)3.2を超えていない学生は表彰対象にならない。そのことで新入生から学業・キャリアへの意識が高まっている。

将来はコンソーシアム設立で全国展開も
企業と大学の提携の有益なモデルケースに

改めて、このパートナーシップに懸ける抱負、意気込みについてお聞かせください。

山田
ボトムアップ式に、共に創っていく、共創作業を行っていきたいですね。われわれ筑波大学は、前身の東京教育大学以来の伝統として、教育において先進的な取り組みを行うことを使命としています。いずれは関連団体と共同事業体などを作り、全国展開として、このパートナーシップがもたらす成果を、他の大学、さらには高校から小学校までの学校現場に活用していきたいと思っています。
大岩
母校である筑波大学が新しくできたADを中心に地域に貢献していこうという時に、さらに古くから地域に貢献してきた関彰商事とパートナーシップを結んだことで、地元であるつくば市、茨城県がより豊かになっていくものと信じています。プロのアスリート、監督として経験してきたことを、私なりの言葉で伝えることによって、このパートナーシップ事業の前進に力になれればと思っています。
私がこのような事業に取り組んでいるのは、健全な次世代を作りたいと思っているからです。そのために、知見と人材を備えた、身近な存在である筑波大学と手を結んでいるのです。問題解決で悩んでいる企業には、ぜひ近くの国立大学にその悩みをぶつけてほしいですね。関彰商事と筑波大学ADのパートナーシップが、他の地域、自治体にとって有益なモデルケースとなってくれることを強く願っています。
提携事例 筑波大学スポーツイノベーション開発研究センターX関彰商事株式会社/「eFootball ウイニングイレブン」 eSportsチャリティーマッチ
提携事例 筑波大学スポーツイノベーション開発研究センターX関彰商事株式会社/「eFootball ウイニングイレブン」 eSportsチャリティーマッチ

関彰商事と筑波大学ADのパートナーシップでは、2020年から22年までの3年間を一つの区切りに、①スポーツ・「健幸」を通じた事業開発②福利厚生、社員・学生のウェルビーイングの向上③両者の価値向上④社会・地域貢献⑤ホスピタリティの場づくり―以上、5つの価値創造を共通のビジョン、ゴール地点に設定している。

そうした一連の取り組みの第1弾として、「『eFootball ウイニングイレブン』eSportsチャリティーマッチ」が、7月19日にオンラインで開催された。8人の学生によるゲーム対決の模様は、ユーチューブを通じて配信された。関彰商事をはじめとした協賛企業からの協賛金は、コロナ禍で学業の継続が困難となった学生への支援に使われる。

観戦した関彰商事の関正樹社長は、「社員の運動会を開催しているのですが、今後はオンラインによる社員交流も検討してみたい」と話していた。また、主催した筑波大学ADの山田晋三・副アスレチックディレクターは、「参加者の対戦中の心拍数などのデータを基に、スポーツと同様の変化が出ているかどうか、これから検証していきます」と話した。