2021年の立ち上げ以降、急成長を遂げるTikTokのライブ配信機能「TikTok LIVE」。リアルタイムで双方向のコミュニケーションが行えることから人気は高く、その活用にはさまざまな可能性が期待されています。そこで、国内で業界最大手の「TikTok LIVE」では、この新しい文化を健全に育んでいくために、未成年者の保護のための安心安全対策や社会貢献活動も積極的に行っています。ここで、その具体的な取り組みをご紹介しましょう。
2021年の立ち上げ以降、急成長を遂げるTikTokのライブ配信機能「TikTok LIVE」。リアルタイムで双方向のコミュニケーションが行えることから人気は高く、その活用にはさまざまな可能性が期待されています。そこで、国内で業界最大手の「TikTok LIVE」では、この新しい文化を健全に育んでいくために、未成年者の保護のための安心安全対策や社会貢献活動も積極的に行っています。ここで、その具体的な取り組みをご紹介しましょう。
日頃から未成年保護のための安心安全対策に取り組んでいるTikTokでは、「TikTok LIVE」でも未成年者保護のため、業界最高水準の安心安全対策を講じています。未成年者のライブ配信の利用に、プラットフォームや保護者はどう向き合うべきなのでしょうか。ネット教育アナリストの尾花紀子さんとともに語り合います。
JustinTikTok LIVEをスタートさせて3年半、おかげさまで多くのユーザーの皆さんに利用していただいています。国内のライブ配信業界におけるアプリ内市場シェアは50%を超え(出典:data.ai)、TikTok LIVEクリエイター数も前年比で43%増加するなど、TikTok LIVEは現在も大きく成長し続けています。
尾花リアルタイムで楽しめて双方向コミュニケーションも可能なライブ配信は、とても魅力的ですね。
Justinそうですね。TikTok LIVEの場合は特に、各ユーザーそれぞれの興味に合ったコンテンツを「おすすめ」フィードで提案する「レコメンドシステム」があるので、クリエイターの皆さんがファンを獲得しやすく、収益化しやすいという特徴があります。また、TikTok LIVEは、雑談系のトーク配信からお笑いなどのエンタメ系の配信、最近では困難を抱える方々を支援するNPOや、新卒採用における活用など、かなりコンテンツが多様なことも特徴的です。
尾花ネットの変遷はめまぐるしすぎて、追い付けない、よくわからない、という声も多いですね。私は、1984年に入社したIT系企業でデジタル機器の発展とともに仕事をしてきたことと、91年と93年生まれの子どもの成長がインターネットの発展と重なったことが幸いして、自分が教わった経験のないデジタル文化にどう向き合い、どう学び、どう教え育てていくか、リアルタイムで体験しながら模索し続けることができました。それが、今のネット教育アナリストという仕事につながっています。
Justin私の周りも小さな子どもをもつ保護者が増えており、子どもたちがすでにスマホなどに興味津々で、「ネットへの接し方をどのように教えるべきか悩んでいる」という声をよく耳にします。
尾花今、Justinさんの世代が保護者の中心になりつつあるんですよね。成長とともにネットを自然に学べたミレニアル世代(保護者)と、これだけ成熟したネット社会にポンと生まれてきたZ世代(子どもたち)とでは、学び方も教え方も変わってきます。私は、ネットと青少年、ネットと教育といったテーマで、コンサルティングやアドバイスを行っていますが、地域性や育った環境だけでなく、保護者の世代や子どもの年齢によっても、伝えるべきことや解決策は異なるんですよ。
(おばな・のりこ)21年間、日本IBMに勤務した後、2005年よりフリーに。コンサルティングのほか、情報リテラシーに関する現状を分析する ネット教育アナリストとして、青少年のインターネット環境整備に努める。講演や執筆、メディア出演も多数。
JustinTikTokは、早くから未成年者を守るための安心安全対策に積極的に取り組んできました。たとえば、プライバシー設定の強化です。TikTokをご利用いただける13歳以上の方で16歳未満のユーザーの方は、デフォルトでアカウントが非公開に設定されます。また、16歳以上のユーザーのみがダイレクトメッセージ(DM)を使用することができ、16歳~17歳のユーザーに関しては、デフォルトの設定でDM送信がオフになっています。また、ペアレンタルコントロールといって、保護者と子どものアカウントをリンクさせ、保護者が子どもの視聴時間やコンテンツを閲覧できる範囲、DM機能の使用の可否などを細かく設定できる機能もあります。当社のサイトで、保護者向けに詳しい説明も紹介しています。
尾花そうした安全のための設定を、面倒がって使わない方が少なくないのは残念ですね。ほんのひと手間かけるだけで、良い利用習慣を育むことができ、安全に利用できることで保護者の懸念材料も減り、後々ラクになるんですけれど。
Justinそうですね。設定する過程で、親子ゲンカが起きることもありますが…(笑)
尾花そんなときは、親子の関わり方を見直すチャンスだと思うんです。私は、よく「親子関係を考えるきっかけにネットを利用しよう」とお話ししています。ネットのせいにしてやり過ごさず、保護者向けの説明や記事を読んでみる、子どもとじっくり話してみる、親子でルールを考えたり見直したりしてみる、決まりを守って使う習慣が身につくよう工夫してみるなど、きっかけさえあればできそうなことはいろいろ。たとえ短時間でも、繰り返すことによって親子のコミュニケーションが円滑になったり、親子それぞれの成長につながったりするはずです。こうしたことができる力を、私は「ネット親力」と呼んでいます。
Justin「ネット親力」、いいですね。ちなみに、当社のサイトでも、ペアレンタルコントロールを設定する際のコミュニケーション実例を紹介しています。ぜひ参考にしていただけたらと思います。
尾花どんな話をすればいいのか、具体例があるとわかりやすいですね。
総合商社およびスタートアップの立上げを経て現職。2021年より、TikTok LIVEの日本事業責任者を務める。
尾花ライブ配信に関して、保護者が心配なのはギフティング(投げ銭)でしょうね。
JustinTikTok LIVEでは、先ほどの未成年保護の安全対策に加え、ライブ配信ならではの対策もいろいろと行っています。まず、TikTok LIVEは、未成年(18歳未満)のユーザーの皆さんは配信することができません。また、ギフティングについても未成年者の方は購入することも送ることもできません。万が一保護者等の成人のアカウントで同意なしに未成年者の方がギフトを購入してしまった場合、後ほど保護者からの申立てによって返金も可能な仕組みを設けています。加えて、クリエイターがライブ配信コンテンツを18歳以上に設定した場合や、コンテンツ内容に応じたモデレーションの判断によって、未成年者の視聴が限定される場合もあります。
尾花それをお聞きして安心しました。本来、未成年者は保護者の監護が必要とされている立場、どうしても見たいコンテンツの視聴やギフティングには、保護者と一緒、もしくは保護者に同意を得ることが前提なのですから。
Justinそうですね。また、当社の優れた自動モデレーション技術と専門スタッフによる審査によって未成年であることが疑われるアカウントによるライブ配信が確認された場合は、配信を停止するなど、然るべき対応をしています。また、未成年者のみでライブ配信に映り込むことも禁止しています。
尾花誰かのアカウントで配信しようとしても、子どもの顔が映っていたら弾かれる、ということですね。でも、自治体や学校・園などがイベントの際に行ったライブ配信で、子どもの顔が映り込んだ場合はどうなるんでしょう。
Justin保護者や保護者に準ずる成人が同席し、管理していれば大丈夫です。コンテンツ内容もふまえて、判断しています。
尾花なるほど。いずれにしても、まずは大人が正しい認識を持つ必要がありそうですね。編集動画とは異なり、ライブ配信は「生」ですから、テレビでいう放送事故のようなことが起こり得ます。子どもが何気なく発したことがトラブルや危険を招いたり、不用意に映り込んだものからプライバシーが侵害されたりすることを避けるためには、年齢にかかわらず、そうした学びは必要ですね。
Justin確かにおっしゃる通りですね。
尾花私はTikTokさんにも、さらに努力してほしいところがあるんです(笑)。
Justinなんでしょう。ぜひ聞かせてください。
尾花年齢認証プロセスにしても、ライブ配信者に向けた注意にしても、「誤った使いかたをすると、こんな困ったことが起きるよ」といった啓発を、TikTokさんらしいショートムービーにして流してほしいんです。アニメでもいいですし、わかりやすくて楽しくて、子どもたちの心にグサッと刺さるような。
Justinそれは、ユーザー目線に立った良いアイデアですね。
尾花子どもが後先考えず、ほんの出来心で年齢を詐称することはあるかもしれませんが、一度登録した生年月日の修正は容易にできません。登録年齢が18歳を超えると、18歳未満の同級生や同世代の友達とスムーズなやり取りができなくなってしまいますし、慌てて正しい生年月日でアカウントを作り直したとしても、それまでの履歴を引き継げないことに気づいてほしいんです。
Justin詐称をしたら警告が出る機能や、詐称を思いとどまってもらえるような啓発や仕組みが必要だという点には強く同意します。TikTokでは、ショート動画にコメントを投稿する前に、再検討を促す「rethink機能」を導入していますが、そのライブ配信版のようなイメージですね。
尾花はい。ライブ配信って、使い方や工夫次第でいろいろなことができる可能性があると思うんです。ですから、ちょっとした懸念を必要以上に怖がって、遠ざけてしまうのはあまりにもったいない。正しく知り、正しくリスクを回避しながら、うまく活用してほしいです。
Justinそうですね。ライブ配信は、リアルタイムにコミュニケーションできるので、より立体的で多面的な情報のやり取りができます。今、当社のCSR(企業の社会的責任)活動の一つとしてTikTok「Local Love」シリーズといって、自治体と連携し、地方の魅力を発信する地域活性化プロジェクトも行っています。今後は、コンテンツの多様化をもっと推し進め、さまざまなビジネスモデルも考えていきたいですし、ライブ配信そのものを一つの文化として育てていきたいと思っています。
尾花将来に向け、その文化を1歩も2歩も発展させるために、プラットフォーマーさんもユーザーさんも、私のようなアドバイスをする側も、みんなで創意工夫しながら、正しい理解と利用の仕方を学んでいけたらいいですね。
ByteDance株式会社