[広告]企画・制作/読売新聞社広告局
SPECIAL TALK SESSION
帝人フロンティア平井社長×トライデン直美さん

2023月3月27日 
Sponsored by 帝人フロンティア株式会社

サステナブル
ファッション
から考える
地球の未来

大量生産や大量廃棄の流れを止めようと、環境への負荷が少ない装いを楽しむ「サステナブル(持続可能な)ファッション」が注目を集めています。エコ素材の開発を他社に先駆けて取り組んできた「帝人フロンティア」の平田恭成社長と、モデルのトラウデン直美さんが語り合いました。

暮らしは、
せんいで進化する

  • 着ることができる服が大量に捨てられる問題を知ってからは、流行のファッションを紹介する仕事に葛藤を抱えてきました。でも、モデルって何と考えた時、私たちはハンガーじゃない、着ることで伝わることがあると気づきました。「つくられた背景を知り、共感できれば、自分の中でストーリーを描いて着ることができる。選んだ理由や服のもつメッセージも発信できる」と。
  • 私たちの企業メッセージは「暮らしは、せんいで進化する。」です。繊維は衣服だけでなく、カーテンや寝装品、建築資材、農業用ネットなど幅広い用途に使われています。繊維の可能性を拓くことは、生活をより便利に、快適に、安全にすることにつながり、社会に貢献できるという思いを込めています。
  • 繊維って生活とは切り離せないものですね。
  • 当社は、繊維を原料に製品を「つくる」メーカーの機能と、顧客と市場を「つなぐ」商社の機能、両方を併せ持っているのが最大の強みです。仕入れから製造、販売まで一貫して手掛けられるので、市場ニーズをいち早くつかみとり、これまでにない製品を生み出すことができます。
  • ファッション業界では、服がつくられてから私たちのもとにやってくるまでの過程を「見える化」すること、透明性が求められています。一貫して手掛けることで実現できそうですね。さらにいえば、手放した後の服の行方も見えるようになってほしい。
  • 確かに、その先も大切ですね。どのようにリサイクルされ、資源化されているのか、トレーサビリティー(履歴管理)の仕組みづくりにも取り組む必要があります。私たちは、素材から製品までの線のつながりをサークルにして循環させていくため、早い時期からリサイクル技術の研究に力を注ぎ、1995年にはペットボトルを原料にしたポリエステル繊維「エコペット」を開発しました。当時はまだ環境への関心も低く、なかなか採用されませんでしたが、品質の向上や素材のバリエーションの幅を広げ、機能性にもこだわってきました。ようやく最近、環境意識の高まりも追い風となってか、世の中から求められていると実感できるようになりました。
  • 消費者の意識も変わってきました。その表れがサステナブルファッションだと思います。私もデザインを直して長く着たり、古着を楽しんだりしていますが、服を買う時がポイントですね。10年は想像できないけど、せめて3年は愛用できるか真剣に考えたり、安易に何着もではなく、少し高くてもご褒美として環境にいい服を1着選んだり。考え方自体をシフトしないと、すぐに新しいものを求めてしまうと思います。
写真:サスティナブルファッションについて考える01
写真:サスティナブルファッションについて考える02

帝人フロンティアの繊維素材は、衣類をはじめ身の回りのさまざまな製品に使われている

素材からエコに
こだわろう

  • 2020年に環境戦略「THINK ECO」をつくり、三つの重点目標を定めました。一つ目にあげたのが「素材からエコにこだわろう」です。長年リサイクル素材を扱ってきましたが、ここ数年、使用済みペットボトルをまたペットボトルに再生する「水平リサイクル」が進み、原料にしていたペットボトルの入手が難しくなりました。そこで、繊維メーカーとして、繊維の水平リサイクルに挑戦するようになりました。廃棄されている繊維くずを化学的に分解して繊維の原料に戻す「繊維to繊維(繊維から繊維へ)」の取り組みです。さらに、環境負荷が少ないリサイクル技術も開発しました。
  • ゴミが資源になるなんてすごい。繊維くずはマイクロプラスチックによる海洋汚染の一因とも言われていますね。フリースを洗濯する時の抜け落ちが気になり、専用の洗濯ネットに買い替えました。
  • フリース素材の多くは暖かさを出すために起毛加工しており、製造時や洗濯の際に繊維くずが抜け落ちやすくなっています。そこで、保温性は維持したうえで繊維くずの脱落を軽減するテキスタイルの開発を進めてきました。代表的な素材が、タオルに類似した構造をもつ「デルタTL」です。抜群の吸水性に加え、起毛しなくても暖かく、ふわふわの心地よい触感が特徴です。他にも、水鳥のダウンの代替素材として誕生した「オクタ」は、中空で歯車のような断面を持つ繊維を使い、ふわっとふくらんだ立毛構造にしたことで、中綿なしでも暖かくて軽いと評判です。

業界全体で
サステナブルファッションを
広げる

  • そのモノの成り立ちや開発した人の思いなど、そういう知識を得ると、選ぶ時の視点が変わります。納得と共感、そしてワクワクしながら、これからもサステナブルファッションを楽しみ、発信していきたいと思います。
  • 価値あるものを適量つくり、愛着をもって一定期間着用いただく。その先にはリメイクやリユースということもあるといいですね。そして、最終的に廃棄するしかなくなった時、もう一度、繊維の原料にリサイクルする。そのようなサステナブルファッション、循環型社会を業界全体で創り出していきたいですね。
PROFILE
写真:トラウデン直美さん

モデル・コメンテーター トラウデン直美さん

(とらうでん・なおみ)13歳で女性ファッション誌『CanCam』の最年少専属モデルとしてデビュー。高校時代のフードバンクの体験などを原点に、SDGsなど社会課題への関心を深める。大学在学中からキャスター、コメンテーターとしても活躍。環境省サステナビリティ広報大使も務める。

写真:平田恭成

帝人フロンティア株式会社 代表取締役社長執行役員 平田 恭成

(ひらた・やすなり)広島県出身。神戸大学農学部卒業後、日商岩井に入社。合併や統合を経て、2012年に発足した帝人フロンティアで繊維資材本部長などを務めた後、20年に取締役常務執行役員産業資材部門長、21年4月から現職。座右の銘は後漢書が由来の「疾風に勁草(けいそう)を知る」。

COLUMN

驚きの撥水性や保温性
開発のヒントは自然の中に

対談では、素材開発のヒントが、身近な動植物の構造にあったという秘話が披露され、
トラウデン直美さんが熱心に耳を傾けました。

写真:化学繊維を手に取るトラウデン直美さん

アウトドアウェア素材にも定評がある帝人フロンティア。アウトドアでは、外気や急な天候の変化から身を守るため、高い防水・撥水性や保温性などの機能性が求められます。その一方で、撥水加工にはフッ素化合物が長年使用されてきましたが、近年、人体や環境に悪影響を及ぼすことがわかり、フッ素フリーの素材開発が重要視されるようになりました。

開発チームは生地の織り方を工夫するなどして、この課題に挑戦。稲の葉からできた雨具の蓑(ミノ)をヒントに、「水を滑らせ、雨をよける」という仕組みを取り入れた「ミノテック」を開発しました。平織りの横方向だけを凸構造にし、水滴が溝を転がり落ちるように工夫されています。また、「レクタス」という素材は、表面の細かな凹凸で空気層をつくるハスの葉に着想を得て、凹凸をつけた表面で水を弾くことに成功しました。

アウトドア業界で今、薄いのに暖かいと話題になっている「オクタ」についても、寒冷地でも生息できる熊の毛がストローのような穴が開いた構造になっていることがひらめきとなり、高い保温性、断熱効果を実現したといいます。

自然派だった父親の影響で、幼いときからハイキングやキャンプなどのアウトドアに親しみ、高校時代は環境問題をテーマにした授業を毎週受講していたというトラウデンさん。「地球にやさしい素材のヒントが、自然環境の中にあったなんて。つながっている感じがすごく嬉しくなりました」と共感を覚えたようでした。

また、実際に手にして、触り心地や機能性を体感。「オクタ」のジャケットは、その薄さと軽さに目を見張り、「中綿がなくてペラペラなのに、ダウンに劣らない保温力とは驚きです。かさばらないから持ち歩きしやすいし、家で洗濯できるところも実用的」と感心した様子。さらに、成分の約37%が植物由来の「ソロテックス」が使われた女性用のコートを手に取り、軽やかなストレッチ感とシワにならない形態回復性を実感。「うわー、手でぎゅっとしてもシワにならない。ストレッチ性も抜群ですね。使いやすさとスタイリッシュさで選んでも、実は環境にも配慮されていたというのが、何より理想です」と話していました。