累計10億本突破 累計10億本突破 「こだわり酒場のレモンサワー」 家飲みの新定番

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自宅での晩酌風景に、変化の波が訪れている。居酒屋で飲むものと思われていたレモンサワーが急拡大しているのだ。中でも、火付け役となったサントリースピリッツの「こだわり酒場のレモンサワー」は、店の味を感じさせるレモンと酒の絶妙なバランスで、男性だけでなく、女性や若者にもファンを広げて、食卓の新たな定番になった。

「家でレモンサワー」8割

自宅で飲む酒と言えば、一昔前までは、ビールやハイボール、焼酎を連想するのがごく普通だった。しかし、読売新聞の読者アンケートによると、レモンサワーについて自宅で飲む人は81%に上り、しかも、この1年間では自宅で飲む機会が増えたという人が59%に達するなど、存在感が高まっている。

レモンサワーは長らく、庶民的な居酒屋で気軽に安く飲める酒という存在だった。2010年代以降、レトロな雰囲気を売りにした居酒屋の流行で、それまで接する機会の少なかった層に、すっきりとした飲み口やさまざまな料理との相性の良さなど、親しみやすい味が改めて評価された。また、多彩なアレンジを加えたレモンサワーが次々と登場。SNS映えするなどと話題となり、認知度を高めた。

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※2022年2月「よみぽランド」で実施したアンケート集計結果(n=19,708人)

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※2022年2月「よみぽランド」で実施したアンケート集計結果(n=19,708人)

店の味を徹底研究

家庭へのレモンサワーの普及をリードしたのが、「こだわり酒場」だ。2018年2月の発売以来、急速に支持を集めて、21年12月には出荷本数が累計約10億本(缶は350㎖、それ以外は500㎖換算で合計)を突破し、サントリー商品でも異例の急成長となった。

レモンサワーに関しては「店で飲む方がおいしい」というイメージは根強い。「自宅で飲める店の味のレモンサワーがあったらよい」との考えは86%もの賛成を集めていた。

「こだわり酒場」は、居酒屋のレモンサワーの味を徹底的に研究して作られた。実際に飲んだ感想では、「レモンと酒のバランスが良い」「おいしい」などが上位を占めた。自宅の晩酌で本当においしいと思えるレモンサワーを飲みたいというニーズに見事にはまった形だ。

レモンサワーを巡っては、各社の開発競争が加速し、小売店の酒売り場でも大きな一角を占めるようになった。チューハイの中のレモン味という位置から、「レモンサワー」という新たなカテゴリーとして認められたことで、注目度がますます高まっている。

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「食事に合う」と圧倒的支持 飲食店の現場から

会社勤めの人だけでなく、週末は家族連れもにぎわう居酒屋「四谷もつ焼のんき」は、「こだわり酒場のレモンサワー」の発売直後から取り扱いを始めた。サワーの中でも圧倒的な人気となり、店全体でもビールに次ぐ売れ行きという。

店の看板メニューは、東京・下町の味を引き継ぐもつ焼き「しろたれ」。来店客たちは、豚の内臓に秘伝のタレをからめた濃厚なうま味を十分に堪能しながら、「こだわり酒場」のすっきりとしたレモンの味わいを楽しんでいる。「こだわり酒場」は甘さが控え目で、心地よく食事を続けられる。

「もつ焼のんき」を展開する「ネクストグローバルフーズ」で店舗統括を務める永瀬隆紘さんは「『こだわり酒場』は飲みやすくて、どんな料理との相性も抜群なので、おかわりしていただけることが増えたことが、数字にも表れています」と語る。

永瀬隆紘さん

「四谷もつ焼のんき」での「こだわり酒場」の
人気ぶりを語る永瀬隆紘さん

レモンと酒 絶妙の一体感 開発担当者インタビュー

200店巡り到達 ど真ん中の味

お店で飲むようにおいしく、自宅での晩酌にぴったりとくるレモンサワーにしようと考えて、「こだわり酒場のレモンサワー」を開発しました。

レモンサワーをお店で楽しんでいるお客様に話を聞いたところ、ビールとは違い、レモンサワーではどういう味が一番おいしいのかというイメージがバラバラでした。それならば、自分たちでレモンサワーの「定番ど真ん中」の味を確立しようと決めました。

レモンサワーは気軽に飲みたいですし、飲み飽きない点も重要です。レモン感をしっかり出しながら、レモンとお酒がなじんで一体に感じられることを定番の条件に位置づけました。

開発チームでレモンサワーを提供する約200店を訪ね歩くうちに、分かりました。生搾りはフレッシュな香りが魅力的ですが、レモンとお酒がなじんでおらず、分離しているようにも感じます。レモンシロップを使うと、甘さが強く、食事と合いにくくなるのです。

そこで、レモンをきちんと感じさせるために思いついたのが、レモンをまるごと使ったレモン浸漬酒の活用です。ブレンドするお酒には、焼酎などに加え、レモンの皮を使ったレモンピール蒸溜酒も取り入れたところ、レモンとお酒のなじみが格段に良くなりました。数百種類の試作を重ね、「これだ」と思えるブレンドの黄金比率にたどり着いたのです。

コロナ禍ではお店で飲む機会が減りました。そんな中でも、「お店の味を家でも飲めるのは助かる」という声をいただけて、本当にうれしかったです。

これからもおいしさはもっと高めていきます。従来の商品を改良したほか、レモンの味を濃厚にした「こだわり酒場のレモンサワー〈濃い旨〉」をこの3月に発売します。国民的レモンサワーになることが目標です。

黒川 郷さん

黒川 郷さんサントリースピリッツ
こだわり酒場ブランドマネジャー

サントリーの技術 結集 まるごと漬け込み/蒸溜酒の伝統

「こだわり酒場のレモンサワー」の味を支えているのが、サントリーが長年培ってきた技術の蓄積だ。レモン味のベースを作るレモン浸漬酒は、レモンをまるごとマイナス196度で瞬間凍結してから、皮や種も含めてパウダー状に粉砕して、酒に漬け込む独自製法を採用している。こうすることで、レモンの持つ酸味や苦み、香りなどが余すところなく伝わるという。

ブレンドに用いた複数の原料酒は、日本の蒸溜酒の伝統をリードしてきたサントリーが匠の技を用いて作り込んでいる。レモンピール蒸溜酒は、レモンの立体的な味わいを引き出しつつ、焼酎など複数の酒とのブレンドにより、酒としての味わいを深めている。

酒のブレンドでは、ほんのわずかな比率の変更でも、味はがらりと変わる。熟練の職人たちの専門知識が力を発揮した。

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