年末年始、久しぶりに親戚や友人とついつい食べ過ぎたり飲み過ぎたり、睡眠不足が続いて生活習慣が乱れてしまった……そんな影響を感じていたり、体脂肪が気になったりしていませんか?また、この時期は寒さで活動量が落ち、体脂肪が蓄積されやすいといわれています。そこで、体脂肪対策として注目したい成分が「ケルセチン」。いち早く「ケルセチン」の健康機能に着目し、ケルセチンの含有量が多い玉ねぎを開発した農学博士の岡本大作さんにお話を伺いました。
「ケルセチン」ってどんな成分?
近年、健康にいい成分として注目を集めている「ケルセチン」をご存じですか?これは、ポリフェノールの一種、フラボノイドに属する成分で、玉ねぎやリンゴ、緑茶などに多く含まれています。
ケルセチンは、植物が遺伝子を傷つけてしまう紫外線や様々な外的環境から身を守るために、自ら作り出している防御物質です。人間は植物のようにそれを作り出すことができないため、野菜などを食べてケルセチンを取り入れています。

「ケルセチン」の研究と玉ねぎの品種開発
私は研究者として、2000年ごろからこうしたケルセチンの健康機能に着目し、玉ねぎの品種開発に取り組んできました。商品化にいたるまで非常に長い時間がかかりましたが、健康意識が高まっている今、ケルセチンの含有量が多い玉ねぎを新しく作ることができたのは大変うれしく思っています。

国内外で研究が進む「ケルセチン」
同時に、私は農研機構※1で、玉ねぎに含まれるケルセチンに関する研究プロジェクトにも携わっています。農研機構は、食料や農業に関する研究開発を行う農林水産省所管の機関です。このようにケルセチンには国内外で関心が寄せられ、様々な研究によって科学的根拠とともに健康に役立つ機能が明らかになっています。
※1 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
そのままでは水に溶けにくい「ケルセチン」
そんな注目成分「ケルセチン」ですが、実は水に溶けにくく、体内に吸収されにくいという性質があります。しかし、研究が進んでいく中で、糖と結びつくことでヒトの体内に吸収されやすくなるということが明らかになりました。
「ケルセチン」を食生活に取り入れよう
また、ケルセチンは熱に強いため加熱調理をしても壊れにくく、玉ねぎを炒めたり揚げたりすると効率よく摂取できるかと思います。私自身、健康が気になる世代です。健康であるためには情報に触れた際に、まず“自分事”として捉えること、そして、やはり「おいしく食べて健康に」が一番望ましいと考えています。今回はじめてケルセチンを知ったという方も、ぜひケルセチンに注目して、日々の食生活に取り入れていただけたらと思います。
1991年北海道大学農学部卒業後、デンマーク国立植物土壌科学研究所に留学。92年大手種苗メーカーに入社し、様々な育種開発に携わる。2003年植物育種研究所を設立。独自目線で品種開発を行い、機能性に優れた玉ねぎなどを上市。「玉ねぎ博士」との異名を持つ。
