太陽が照らす悠久の物語
スペインは史跡もロマンチック
エクストレマドゥーラ州、ラ・リオハ州、カスティージャ・イ・レオン州、カスティージャーラ・マンチャ州、ガリシア州

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Good plan 01史跡
自然や資源に恵まれたスペインには、旧石器時代のアルタミラ洞窟壁画をはじめ先史時代から人類文化の痕跡が残っています。古代・中世には古代ローマ帝国の一部として、多くの民族が行きかう地中海世界の重要拠点として。近世には「日が沈まぬ」スペイン帝国の中心として、めくるめく歴史を描いてきました。サグラダ・ファミリア、アルハンブラ宮殿といった著名な観光名所以外にも、この国でしか見られないような建物や景観が街々に現存します。王家の栄華、壮大な街、人々が祈った聖地、芸術や文化の香り……。史跡から史跡へとロマンをたどる、スペインの歴史探検の旅へと出かけてみませんか。
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古来より人々が神に祈りをささげた信仰の地へ



スペインは世界遺産が2023年時点で50を数え、世界遺産の宝庫ともいわれます。さまざまな民族、文化、言語が古くから行き交っていたこの国で、より深く歴史を感じたいなら、今も人々が集う祈りの場を訪れてみましょう。
「サンティアゴ巡礼の道」は、世界遺産となっている巡礼路。巡礼路とは、日本における熊野古道や四国八十八ヶ所の参詣路などにあたります。中世にカトリックの三大聖地となったサンティアゴ・デ・コンポステーラを目指し、ヨーロッパ各地の信者が祈りを込めて歩みを進めました。
各地から続くルートのうち、フランスからピレネー山脈を越え、スペイン北西へと向かう「フランスの道」は、800kmにも及ぶ道程。今日では宗教を問わず巡礼者が受け入れられており、毎年30万人以上が訪れています。
道中で出会う自然豊かな景色も、魅力の一つ。ラ・リオハ州の丘陵地帯で、広大なぶどう畑のなかを一本の巡礼路が通る光景は圧巻。カスティージャ・イ・レオン州では、木々や建物が遮ることなく、どこまでも見通せるような牧歌的な風景が見られます。山脈、丘陵地帯、高原と、変化に富んだ地形が生み出すダイナミックな景色を見ているだけでも、心の霧が晴れていくようです。
マドリードから南に約70km、古都・トレドにそびえるトレド大聖堂は、カスティージャ王フェルナンド3世の命で、13~15世紀に建設されたキリスト教の教会です。4つの側廊と22の礼拝堂からなり、スペインゴシック様式の最高傑作ともいわれる荘厳さをみせてくれます。内部も約750枚のステンドグラス、総大理石の床、聖書を再現した壮大な祭壇画など、スケール感たっぷり。歴史のなかで、西ゴート人、イスラム教徒、キリスト教徒など、さまざまな勢力が拠点を置いた古都だけに、礼拝堂の装飾や構造にもさまざまな美術様式をみることができます。たくさんのドラマと祈りが交差するトレドは、旧市街全体が世界遺産。ぜひ肌で感じてみては。
2000年の時を超えて光るローマ帝国の英知


紀元前3世紀ごろから、ローマ帝国の属州として繁栄した歴史を持つスペイン。当時の高度な生活を伝える史跡が現存しています。
ローマ帝国が進めた都市整備の様子がうかがえるのが、カスティージャ・イ・レオン州の街セゴビアの水道橋。ローマ帝国の最盛期である1世紀末から2世紀初頭に築かれたとされ、セゴビアの旧市街に、15km離れた山の水源から生活用水を供給していました。水道管による給水技術のなかった当時、丘の上にあった街に向かって、より高い場所から重力を利用して水を引いていました。全長15kmにわたって続く水道橋を、間近で見るならアソゲホ広場へ。接合剤を使わずに積み上げられた膨大な数の花崗岩が、古代ローマの技術力を証明しています。悠々と立つ橋から水が届いたとき、当時の人々も感嘆の声を上げたことでしょう。
ローマ時代の文化に思いを馳せるなら、古代ローマ劇場へ。スペイン西部エクストレマドゥーラ州の街メリダには、2000年ほど前にローマ皇帝アウグストゥスの娘婿が築いた劇場があります。舞台の外側に、半円形状に配置された石の観客席が並んでおり、6,000人収容。ローマ時代の市民らは演劇や演説のために集まったのかもしれません。観客席に座ってみると、舞台上に配置された神殿風の柱が迫ってくるような印象です。現在も演劇やフェスティバルなどの会場になっているので、時期に合わせて訪れてみれば当時の暮らしぶりがよりリアルに体験できるでしょう。
日本を訪れた宣教師はここで生まれた

フランシスコ・ザビエルは、1549年に日本を訪れ、キリスト教を伝えた人物としてよく知られています。ザビエル(スペイン語でハビエル)が生まれ育ったのが、ピレネー山脈を越えたハビエルという街の丘にそびえ立つハビエル城です。城の始まりは、10世紀に見張り塔として建てられた城中央の「サン・ミゲルの塔」。のちにナバーラ王サンチョ7世、テオバルド1世など、あまたの貴族を主とし、その過程で城壁や塔が増築されました。
16世紀、ザビエルの少年時代に大部分が取り壊されますが、19世紀から改修を重ね、現在はザビエルがいた時代の姿へと復元されています。跳ね橋や鉄格子があり、その風貌はまさに中世ヨーロッパと聞いてイメージする「お城」そのもの。地元で産出される砂石で作られていることで、全体が赤褐色の色味をまとっています。
内部は博物館となっており、ザビエルの生涯がわかるジオラマや、スペインに現存する唯一の「死の舞踏」の壁画など、さまざまな展示を見ることができます。日本での布教の様子を伝える日本画風の掛軸もあり、ザビエルの業績が現地でも語り継がれているのがわかります。漢字が書きこまれていたり、和装をまとったザビエルの絵など、教科書でしか知りえなかった異国とのつながりを再認識させられます。
塔にも上ることができるので、眼下に広がる景色を眺めながら、1万キロも離れた日本へと渡ったザビエルの旅路を想像してみてはいかがでしょうか。
Contact連絡先

【サンティアゴ巡礼事務所】
Rúa Carretas, 33 15705 Santiago de Compostela

【トレド大聖堂】
Calle Cardenal Cisneros, 1 45002 Toledo

【セゴビアの水道橋】
Plaza del Azoguejo, s/n. 40001 Segovia

【メリダの古代ローマ劇場】
Plaza Margarita Xirgu, s/n, 06800 Mérida
