絶品!
地域食材に感動する多彩なスペインの食文化
アストゥリアス州、カスティージャ・イ・レオン州、ガリシア州

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Good plan 04食文化
さまざまな民族が行き交う歴史を持ち、複数の文化が混ざり合いながら育まれてきたスペインの食文化。3つの海、肥沃な大地で生産されるその土地ならではの新鮮な食材、そして地域に根付いた食文化が、スペインでの食体験を彩り豊かなものにしています。
世界中で1日3食が定番とされるなか、食事時間帯が遅めのスペインでは、3食のほかに、午前と午後に軽食をとったり、2時間かけて昼食をとる人も。食を重んじ、食を愛する国ですから、おいしいものに出合えないはずありません!
生産現場を見たり体験したり、郷土料理に舌鼓を打ったり。五感で楽しむ、スペインのグルメ探訪にでかけましょう。
Information情報

緑豊かな山間の地で育まれた食材 アストゥリアス州の料理


スペイン北部に位置するアストゥリアス州は、素材の味わいを活かしたシンプルな調味で知られています。冷涼な気候で、特に冬場は日本の鍋料理にあたる「スプーン料理」が定番です。
代表的なスプーン料理の一つが、水で戻した白いんげん豆をチョリソや豚肉と煮込む、ファバーダです。肉のうまみが溶け出したスープを、ずっしりとした白いんげん豆がまとった、コクのある1皿です。同じく名産であるシードル(リンゴのスパークリングワイン)との相性が抜群で、シードルの酸味がファバーダの後味をさわやかに仕上げます。
世界で最も高価なチーズとしてギネスブックに登録されているる「カブラレス」も、アストゥリアス州の味を語るうえでは欠かせません。熟成させる場所は、人の手を借りず自然に形成された山中の洞窟や穴。味は、強い塩味と青カビの刺激的な風味が特徴です。パンチのある味は多くの人を魅了し、8月の最終日曜日に行われるカブラレス祭りには、何千人もが詰めかけます。
チーズだけで40種類以上が生産されるので、アストゥリアス州ではそこかしこでチーズ工場や畜産施設があり、チーズづくりや牛の世話をしている様子を見ることができます。世界が賞賛するチーズのおいしさの秘密を探りましょう。
肉好きの楽園 カスティージャ・イ・レオン州の料理


美食大国スペインのなかでも、とくに肉料理で高い評判を得ているのが、北西部に位置するカスティージャ・イ・レオン州です。キノコ狩り体験ができ、ミシュランのスターシェフも訪れる「国際キノコの祭典」や、市内のレストラン50店舗が参加する「全国タパスコンクール」など、年間を通じて400以上のグルメフェスティバルが開催されます。
美食家が集うカスティージャ・イ・レオン州は畜産が盛んで、牛の飼育頭数は国内一。鳩、野うさぎなど多種の肉料理が楽しめることから、「ローストのスペイン」といえば同州を指すともいわれています。
なかでも名物は、仔羊肉のロースト料理「レチャソー」。柔らかくジューシーで香ばしく、一度食べたら虜になるおいしさです。ほとんどのレストランに専用の窯があるのだとか。
絶品の肉料理と合わせたいのが、地元産のワイン。寒暖差が激しく乾燥した気候が上質なぶどうを育み、世界のワイン好きをうならせています。ガイド付きツアーが行われるワイナリーもあるので、芳醇な香りに包まれながら、奥深いワインの世界をのぞいてみましょう。
入り組んだ海岸は美食の宝庫 ガリシア州の料理

スペイン北西部のガリシア州といえば、新鮮な魚介類。「リアス・バイシャス海岸」の入り組んだ複雑な地形が波を和らげ、絶好の漁場となっています。東北・三陸のリアス式海岸は、この地が語源です。
豊かな漁場が生み出した料理の一つが、スペインバルの定番として知られ、日本のスペイン料理店でも見かけるタコのガリシア風です。ゆでて刻んだタコを、あら塩、パプリカパウダー、オリーブオイルで味付けしたもので、噛むたびにタコのうまみが口いっぱいに広がります。
牡蠣やホタテなどの貝類も豊富で、特にムール貝はその質の高さで知られています。しっかりと歯ごたえのある身と、海の風味を堪能するならシンプルに茹でただけがおすすめです。
旧市街には、古くから愛される大衆食堂や居酒屋が立ち並んでいます。購入した海産物を持ち込むと調理してくれる食堂もあり、市場での買い物も鮮度抜群の旬の味も、両方楽しむことができます。日の当たるテラスに座って、地元の海産物を思う存分堪能しましょう。