希望に胸をふくらませて大学進学したものの、学んでいる内容に興味がもてない、事前に思い描いていたイメージと違うなどの理由で、中退・留年する学生も少なくない。進路選択のミスマッチをどう防げばよいのか。進研アド「Between」編集長の中村浩二さんと、大学進学アドバイザーの倉部史記さんにアドバイスしていただきました。

進路選択のミスマッチを防ぐには
学問・大学・自分を知ることが大切

進路選択のミスマッチはなぜ起きるのでしょう。

倉部: 高校生と話すと、「何を学びたいかがわからない」という声をよく聞きます。高校生の時点ではまだ無理もないことですが、そうした高校生が「就職に有利だから」といった保護者の意見や、確実に合格できそうといった受験の都合だけで進路を決めたときなどに、ミスマッチが起きがちだと感じています。

中村: 入試結果によってもミスマッチは生じます。今春の入試ではコロナ禍により出願校数が抑制され、競争が緩和しましたが、それまでは入学定員管理の厳格化の影響により、私立大では厳しい入試が続いていました。結果的に志望大学への入学がかなわず、本来の希望とは異なる大学や学部に進学するケースも見られました。

高校生が進路選択をする際、どのような点に注意すればよいでしょうか。

倉部: 学問の中身について、各大学の違いについて、そして自分自身のこれまでと今後について、それぞれ理解を深めることをお勧めします。まず、その学問分野では何をどう学ぶのかを具体的に調べる。同じ学部名でも大学ごとに教育のゴールや方法は違うので、その点を比較する。「そもそも自分はそれを学んでどう成長したいのか」という点も大事です。漫然と大学に出かけるだけでは理解は深まりません。この3点を意識してみてください。

中村: 自分は何をしたいのかといった自分の軸が定まれば、どんな状況でも自分の意志を持って道を切り開いていけるはずです。また、変化の激しい時代では、職業から遡って大学・学部を選ぶというやり方は、かえって自分の考えを固定化し、選択の幅を狭めてしまう恐れがあります。

自分の軸を見極めることによって、
進路選択の幅は広がる

保護者の方には、どのような心掛けが必要でしょうか。

中村: なんといっても、子どものことを一番わかっているのは保護者の方です。子どもが持っている長所を言葉にして伝えてあげてください。なかなか自分では自分のよさに気づけないものです。自分のよさを言語化できれば、自分の生かし方が見えてきます。

倉部: 絶対に生涯安泰な進路など存在しません。保護者が正解を提示するのではなく、本人が自ら考え、決める経験が大事です。そのサポート役をお願いします。

オープンキャンパスで気をつけるべき点は何でしょう。

中村: コロナ禍でオンラインで行う大学が多いのですが、そうなると情報を積極的に集めにいく生徒とそうでない生徒との二極化が進むと言われています。情報は向こうからやって来ないので、能動的に幅広く情報を集めていただきたいですね。

倉部: 都心の大規模総合大学ばかりに行きがちですが、郊外の大学や中小規模の大学など環境の異なる大学を意識的に比較すると、自分に合う大学を知る上で参考になります。

最後に高校生の皆さんにメッセージをお願いします。

中村: 大学は今、学修者本位の教育、学生の成長を重視した教育に様変わりしています。自分がより成長できる大学はどこかをよく見極めた上で、進路選択をしていただきたいと期待しています。

倉部: 私自身は大学での学びが本当に楽しくて、ハードな課題も苦になりませんでした。学びたいことを自分で選んだからだと思います。大学進学にはお金も時間もかかる。だからこそわくわくと学ぶ4年間でなければもったいないと思うのです。後悔のないよう、本気で学びたいことや、成長できる場をぜひ選んでください。