寒河江市メイン画像

プレミアムな時を過ごす旅。 寒河江で出会うディープな魅力!

山形県のほぼ中央に位置する、寒河江市(さがえし)。
県庁所在地の山形市から車で約30分のところにあるこの町は、県内有数のさくらんぼの産地として知られています。
でも、寒河江市にはさくらんぼに負けないディープな魅力がいっぱい!
パワースポット、ものづくり、アクティビティー、そして食まで網羅するプレミアムな大人の旅に誘います。

本山慈恩寺

1000年の時を見守ってきた
慈恩寺でパワーチャージ

最初に訪れたのは、国の史跡に指定されている「本山慈恩寺」。開山約1300年という最強のパワースポットです。

本山慈恩寺 天気が良い時は麓にある慈恩寺テラスに車を停め、参道を歩いて階段を上り、本堂へ

清々しい空気に包まれたこの一帯に身を置くだけで背筋がピンと伸びるよう。無意識のうちに手を合わせたくなる神聖な空間には、天平18年(746年)に聖武天皇の勅命で建てられた本堂を中心に、薬師堂、阿弥陀堂、三重塔などが点在しています。また、神仏習合の影響か近くには熊野神社もあります。

慈恩寺本堂 現在、本堂は、70年ぶりにかやぶき屋根の全層改修を行っています(2024年終了予定) 慈恩寺マップ

慈恩寺の本尊は弥勒菩薩(みろくぼさつ)。お釈迦様が入滅してから56億7000万年後に如来となって現れるとされ、欲を取り除き、人々を救うと伝えられています。

国の安寧を願って建てられたこのお寺の大きな特徴は「多宗派一山」。法相宗、天台宗・真言宗など宗派が集まっているので、自分にあった仏様を見て、感じることができる珍しいお寺です。
宗派は仏教を学んでいく中で分かれたもの。もともと仏教に宗派は存在しませんでした。慈恩寺はその原点のままに仏教を守り続けています。一人ひとり違う世界があって当たり前、一人ひとりにあった仏教を信じていけばいいというのが弥勒菩薩の教えだそうです。

驚くのは、平安時代、鎌倉時代の秘仏の多さ!本堂をはじめ、各お堂で国宝級の仏像を間近で見ることができるのは慈恩寺の特徴です。
薬師堂の「薬師三尊」と十二支がシンボルの「木造十二神将」も見応え十分。12体それぞれのキュンとくる表情や仕草は必見ですよ。

いずれもガラス等で覆われていないので、一体一体が放つ迫力と存在感がストレートに伝わってきます。また、繊細な彫りから、当時の技術力の高さをうかがい知ることができます。
歴男、歴女にとっては、まさに聖地!

鋳鉄仏餉鉢 本堂に入ってすぐのところにある「鋳鉄仏餉鉢(ちゅうてつぶっしょうばち)」は山形鋳物でつくられたもの。「鉢に頭を入れると若返る」そうですよ。 売店 御朱印やお守りを求めることができます。御朱印は一面300円。 三重塔 境内の西端に立つ24mの高さの三重塔。慶長13年(1608年)山形城主最上義光が建立しましたが火災で焼失し、現在の塔は文政13年(1830年)に再建されたもの。建物中心部の心柱が浮いているという珍しい構造です。

「写経」体験で心を整える

写経

「写経」とは、お経を写し書きすること。慈恩寺では、心豊かな時間をもたらす写経の世界を体験することができます。
本山を守るお一人、花山祐尚さんからお話を聞いた後、姿勢を正して呼吸を調えてから書き始めます。

役員の花山氏 「自分と向き合いながら仏様の教えを書くことによって、だんだんと心が穏やかになっていきます」と役員の花山氏。

文字の上手下手は関係なし。無心になって取り組むということで雑念は取り払われ、心にゆとりを持つことができるようになるそうです。

写経机 「月山和紙」で製作したあかりが、優しく、上質な時間をつくります。

写経体験
体験料/1,000円〜 (要予約)

慈恩寺テラス「寺カフェ」で
休憩タイム

フルーツサングリア 冬限定の「フルーツサングリア(HOT)」350円(税込)

「さすがさくらんぼの町!大粒のさくらんぼが可愛いノンアルコールのジュースです。たっぷり入ったフローズンフルーツ(ブルーベリー・いちご)の酸味と県産天然ハチミツの優しい甘さにほっこり。

軽部草履株式会社

世界に一つ、マイ草履作りに挑戦!

次に訪れたのは軽部草履株式会社。昔から、寒河江市は履物の町として、草履作りが盛んに行われていました。時代の流れとともにその数は減り、江戸時代からの技法を守りながら手編みで草履を作っているのは全国でもここだけ。なんと国内シェア95%だそうです。全国津々浦々の祭り用に、大河ドラマなどの時代劇、歌舞伎、能、相撲の行司さんの草履まで、あらゆる草履を作っています。「草履はすべてこの会社で作っている」と言っても過言ではありません。

軽部草履の草履 主力は竹の皮を使った草履。成長とともに剥がれ落ちた筍の皮で編み上げます。これこそSDGs。 草履の金型 年季の入った金型が、伝統を守り続けてきたことを物語っています。 草履職人 86歳になる田川恒子さんは、熟練の技術を持つ現役の職人さんです。 編み込みの様子 すべての指を使って均等に編んでいきます。隙間ができたり、寄せすぎると見た目も履き心地もよくありません。慣れない人が1枚編むのに1週間かかるところ、田川さんは40分で仕上げるという、まさに神業!

こちらでは、マイ草履を作る体験ができます。体験内容は鼻緒の取り付けから底材の貼り付けまで。好みの柄の鼻緒を選んだら、キリのような道具で草履に印をつけ、穴をあけて鼻緒を付けていきます。完成までは2時間ほど。付きっきりで教えていただけるので不安なく作ることができます。

マイ草履体験 穴あけは見た目以上に力仕事。 草履完成 完成!

世界に一つのマイ草履。完成した草履はお持ち帰りができます。本格的な草履づくりの体験は、他では味わえないアクティビティーです。

草履作り体験
体験料/5,500円(税込)
体験可能時期/11月~3月頃
平日のみ、3人から予約を受け付けます
(最大10人まで)。

佐藤繊維

世界から熱視線、独創性に満ちた
ものづくり

寒河江市には世界のファッションブランドが熱い視線を注ぐ紡績ニットメーカーがあります。昭和7年(1932年)の創業以来、国内生産にこだわり、独創的な発想でものづくりに取り組んでいる佐藤繊維です。その名が知られるようになったのは、アメリカのオバマ大統領の就任式で、ミシェル夫人が着用したカーディガンが取り上げられたことから。佐藤繊維が考案した糸が使われていたことで一躍話題に。パリやミラノのコレクションに参加するヨーロッパのビッグブランドからのオーダーは途切れることがありません。

ものづくりの現場を訪ねました。佐藤繊維は原料選びから糸づくり、デザイン、販売までを手掛けています。

前紡工程 何度も作業を繰り返しながら、綿(わた)をゆっくり延ばして繊維を均等にしていく「前紡」工程。

長い間フル稼働してきた機械の数々。工場の中は、糸を繰る機械音が絶え間なく響いています。

工場の機械1

糸を紡ぐ「精紡」。1分間に8000回転のリング精紡機など、工程ごとに機械を使い分け、製品用の細い糸に仕上げていきます。

工場の機械2

複数の素材を掛け合わせて1本の糸をつくるファンシーヤーンなど、独自の手法でオリジナリティーあふれる糸が生み出されます。

美しいボビン 整然と並べられたボビンは、まるでアートのよう。 佐藤繊維商品紹介 色、太さ、形状の違う糸で一度に編み上げる技術力が佐藤繊維のいちばんの強みです。和紙とウールとの混紡をはじめ、異素材に着目した糸の開発にも力を入れています。

現在、自社ブランドは6つ。「GEA(ギア)」をはじめ、国内の百貨店、国内外の展示会で販売しています。

衣食住がテーマ。
情報発信の拠点「GEA(ギア)」

佐藤繊維が手掛ける複合ショップ「GEA」は、ぜひ訪れてみたいスポット。

GEA外観 衣食住がテーマのセレクトショップ。

約70年前に酒蔵を譲り受けて移築し、その後何十年もの間、紡績、ニット工場として実際に使われていました。自社ブランドをはじめ世界中の人気ブランドが並ぶファッション棟、国内外から買い付けたインテリア・雑貨の販売と山形の食文化を発信するレストランが入るライフスタイル棟に分かれています。

暮らしに色を添える、選りすぐりの雑貨たちにメロメロ

雑貨店内観 住のエリア ここでしか買えない、ここに来れば買える豊富なラインナップ。 国内外から買い付けた選りすぐりのプロダクトや、山形でものづくりをしているクリエイターたちの作品を販売しています。お気に入りのグッズがきっと見つかるはず。

特別な空間で、地元の食材を生かした料理を堪能

レストラン内観 レストランGEA0053 レストランでは、地元の食材を使った季節感あふれる創作料理が楽しめます。石壁に照らされた光までもが計算された店内で味わう料理は格別です。
おすすめメニュー1 おすすめメニュー2 おすすめメニュー3

この日の料理は、シェフおすすめのコースメニュー。地元の食材を駆使した創造性あふれる料理ばかり。佐藤繊維の「ものづくり」の理念が料理にも表れています。

歴史を守りながら、ユニークな発想で未来を紡ぐ佐藤繊維のものづくり。寒河江市にはひたむきにものづくりに取り組む企業が他にも多く存在します。

GEA 0053
営業時間:11:00~19:00
定休日:火曜日/年末年始
TEL:0237-86-3930

地元民がこよなく愛す
ローカルフード

寒河江やきとり

寒河江やきとり

他にも、この町でしか味わえないローカルフードが。その一つが「寒河江やきとり」。一般的な鶏肉のやきとりではなく、サガリ、レバーなどの豚肉を使ったやきとりです。どの店も1串150円前後というコスパの良さ!

寒河江市役所

アートな建物、手がけたのは
あの人たちだった?!

寒河江市役所外観 一見浮いているかのようなアートな建物は寒河江市役所。建築家黒川紀章の設計で1967年に建てられました。 岡本太郎オブジェ 吹き抜けに吊るされたオブジェは、芸術家岡本太郎の作品。壁には、鎌倉から戦国時代にかけて現在の寒河江市を治めていた大江氏の「一文字三ツ星」の家紋が。 岡本太郎取手 扉の取っ手も岡本氏のデザイン。

1000年の時にタイムスリップしたり、オンリーワンのものづくりを見たり、体験したり。プレミアムな寒河江の旅はいかがでしたか?そして何よりプレミアムなのは地元の人たちのあたたかさ。訪れる人を優しく迎えてくれますよ。